生きていくってこと: 2012年9月 Archives

ナイショのバー No.2にて素敵なブルゴーニュなワインに出逢った。

ルージュ・キュー Rouges Queues マランジュ
出逢ったのは、1989年に新しく地域指定された「マランジュMaranges)」のワイン、『ルージュ・キューRouges Queues) マランジュ 2004』。

ドメーヌの当主は、1967年生まれの若きジャン・イヴ・ヴォンテ。そして何と、設立は僕が経営する会社とまったく同じ1988年。こんな偶然もワインの楽しみ。

ジャン・イヴ・ヴォンテはボーヌの醸造高校でワイン造りを学び(そんな高校があることに驚きです!)、でも19歳で一旦この道を諦めディスコのDJになったという異色の経歴の持ち主。

その後、スイス出身の奥様・イザベルと出逢い、再びワインの世界に戻ってきたそうだ。そしてサラリーマンをしながら自身のドメーヌを立ち上げたという苦労人。

ルージュ・キュー Rouges Queues マランジュ
マランジュの村で小さな廃墟を購入しワイナリーに改装したんだけど、その工事の際、廃屋の中で赤い尾を持つウグイスの巣を彼は発見した。

卵まであったんだけど、工事のために泣く泣く処分をしたので、また鳥が戻って来る場所にしたいという想いから、鳥にちなんだドメーヌ名『Rouges Queues(訳すと「赤い尾」)』にしたそうだ。

何とも深い話だよね〜


ルージュ・キュー Rouges Queues マランジュ ジャン・イヴ・ヴォンテ イザベル
さて、この『ルージュ・キューRouges Queues) マランジュ 2004』の味わいですが、少しガメイのようなボジョレーっぽい可愛らしさがある。

イチゴやカシス、フランボワーズのような赤い果実の香り、でもボジョレーと違ってかなりしっかりとした骨格があり、深み、奥行きもある。

実に素敵なワイン。

僕の会社と同じ1988年の創設、そして僕の会社が上場した2004年というヴィンテージなどなど、このワインとは何か不思議な縁を感じる。

素敵なマランジュのワインで疲れを癒す夜です。
ハリー・エヴァンス Harry Evans Someday We'll Be Together Again

そんなハリー・エヴァンスが唯一1枚だけこの世に残したレコードがある。『Someday We'll Be Together Again』。今夜はそれをまっとりと聴く夜です。

合わせるワインは、故あって1995年のシャトー・カロン・セギュール。この17年の熟成で祝うことがあったので選んでみた。

シャトー・カロン・セギュール セギュール侯爵
シャトー・カロン・セギュールはボルドーの最北端、サンテステフのワイン。18世紀、名門シャトー・ラフィット・ロートシルトシャトー・ラトゥールの所有者であったセギュール侯爵が「われラフィットを造りしが、わが心にカロンあり。」と言ったとか。

そんなセギュール侯爵の想いの詰まったワイン。ハートのマークで有名。

17年の時を経て実にまろやかに熟成したシャトー・カロン・セギュール。皮の渋み、タンニンが旨味成分に変わってる。

深いな〜 このしなやかさは崇高で長熟な最上級のボルドー物のみが持つ優雅さと奥ゆかしさ。

ハリー・エヴァンス Harry Evans Someday We'll Be Together Again シャトー・カロン・セギュール
そしてジャズも深い夜です。

ハリー・エヴァンス演ずるジャズはあのビル・エヴァンスの兄とは思えないほど、軽快で明るい。軽く弾けるような指の動きが目に浮かぶような演奏。

1969年10月の演奏。ルイジアナ州はニューオリンズの北西150Kmくらいのバトン・ルージュBaton Rouge)というところにある今も存在するCamelot Clubという社交クラブらしきところでの録音。拍手は入っていないけど、明らかに生録してる音。

バトン・ルージュ Baton Rouge
この演奏をテープから興してレコードを制作したプロデューサは、自殺したハリー・エヴァンスの実の息子、マット・エヴァンスMatt Evans)。彼は父をしのぶWEBサイトまで作ってる。

All The Things You Areなど、僕の大好きな曲を奏ってる。心弾むような演奏。上のリンクからMP3ファイルがダウンロードできます。また、AmazonでもMP3を売ってる

これだけ素敵なジャズを紡ぎ出すハリー・エヴァンス、普段は音楽教師をしていたと言われるけど、何で拳銃自殺なのかな〜

ハリー・エヴァンス ビル・エヴァンス Harry Evans Bill Evans

レコードのジェケットの内側にはハリー・エヴァンスビル・エヴァンス兄弟の幼い頃〜学生時代の写真が多数。実に深い。

ハリー・エヴァンス ビル・エヴァンス Harry Evans Bill Evans

それ以外にも上で紹介したWEBサイトには多数の写真がアップされてる。

ハリー・エヴァンス Harry Evans Someday We'll Be Together Again
いろいろネットを調べてたら、生まれ故郷のバトン・ルージュのお墓のデータや写真を見付けた!

1927年3月26日生まれ、そして拳銃自殺したのが1979年4月20日、52歳の人生でした。

今夜は1995年のシャトー・カロン・セギュールで1979年に亡くなったハリー・エヴァンスと、そして数ヶ月後に兄をトリビュートするアルバムを創り、かつ翌年には自身も命を落とすビル・エヴァンスを偲ぶ深〜い夜です。
LPレコード アナログレコード
僕はジャズ気違いで、CDは2,000枚くらい、そして写真の棚のようにLPレコードアナログレコード)もいまだに1,000枚くらい持ってる

でも、実は数年前に大好きなカートリッジの針を折ってしまい、それ以来、お気に入りのカートリッジが買えずにずっとレコードは聴けないままだった。

聴いた事のない人には解らないと思うけど、レコードの音はアンプやプレイヤーもさることながら、針を装着したカートリッジという部品で決まる。

僕はまさにTHE・Jazzという言うべき音がするアメリカのスタントンという会社のWOS100という、まさに社長のスタントンさんの署名入りのカートリッジを永年に渡り使ってきた。

でももういまやWOS100はどんなに探しても手に入らない。

ADC ASTRION
その他、アメリカのADCという会社のASTRIONという透明なプラスチックでできた幻想的なカートリッジも使ってたけど、ADCという会社ももう今は存在せず、手に入らない。


米国のeBayなどのオークションサイトを使っても手に入らないんだよね〜


先日、eBayで「ADC ASTRION」と出ていたので思わず応札した。

ADC ASTRION
でも妙に安かったんだよね〜

そしたら何と、届いたのはこの写真の通りのASTRIONのカタログ。

こんな物がレア物扱いでオークションに出るんだね〜

おまけに、紙っぺら1枚なのになぜか関税も取られた。最低〜〜

いまでもヨーロッパはクラシック音楽を主なターゲットにカートリッジは造られてるんだけど、中々アメリカの乾いた感じの明るいジャズ向きの音のカートリッジはない。

でもどうやってもアメリカ物が手に入らず、最終的にやむなくイギリスのカートリッジにした。ゴールドリング社のIM型「Goldring 2300」というカートリッジです。

ゴールドリング Goldring 2300

ビル・エヴァンス Walts for Debby
いや〜、何年ぶりかで聴くレコードの音、素晴らしい! 掛けた途端、子供たちでも「CDとはまったく違う音!!」、とすぐに解るほど、それほどの違い。

何なんだろうね〜 ドラムスのシンバルの音、ベースの弦を弾く音など、CDで聴くよりもっとずっと近くで鳴る。

流した最初のジャズはビル・エヴァンスの「Walts for Debby」。後年になって発売された重量盤。そう、プラスチックの厚みがあって通常のレコードより重たいもの。一時、重量盤って音が良いって流行ったんだよね〜

1曲目の「My Foolish Heart」のシンバルやブラシの音からもう心ヤラレてしまう。

リッジ シラー
合わせるワインは、名門リッジのシラー。カベルネ・ソーヴィニヨンやジンファンデルは飲んだ事あるけど、シラーは初めて。

このシラー、南仏コート・ロティのようにヴィオニエを12%混ぜている。

味わいも実にトラディショナルなフレンチスタイル。とても上品なシラー。

アナログレコードのまさにこちらも上品で優雅としか言いようのない音とリッジの上品なシラー。これはたまらない。何とも言えない空気感。


ビル・エヴァンス We Will Meet Again

自殺した亡き兄で自身もピアノトリオのアルバムを出しているハリー・エヴァンスへのトリビュートな作品。ジャケット下部に「IN LOVING DEDICATION TO MY LATE BROTHER, HARRY EVENS 1927-1979」と書かれているのが泣ける。きっとこんな文字、CDのジャケットじゃ小さ過ぎて読めないね。これこそレコードの楽しみ。

ビル・エヴァンス We Will Meet Again ハリー・エヴァンス

ハリーが亡くなったのが確か1979年4月、この「We Will Meet Again」の録音が1979年8月6日〜9日。つまりはハリー・エヴァンスが亡くなって4ヶ月後に録音された作品。

マランツ TT-1000 mkII
トム・ハレルの翳りを帯びたトランペット、艶っぽいラリー・シュナイダーのテナー・サックスが入る僕の大好きなアルバム。

フランス映画を想わせる「Bill's Hit Tune」には涙が出そう。

今夜は久しぶりのアナログレコードリッジの初物のシラーに酔う素敵な夜です。