生きていくってこと: 2012年7月 Archives

ついに待ちに待ったシエラ・ムーン行きです! 今回はロサンゼルスで大活躍の若手日本人ワインコンサルタント、Ms. Alice Hamaさんといっしょに訪問です。

朝、サクラメントのホテルに市之瀬千代さんとご主人のEjさんが迎えに来てくれた。ワクワクします!

一路シエラフットヒルズへ向かいますが、まず最初に立ち寄ったのは、シエラ・ムーンの醸造を委託しているワイナリー、ミラフローレスです。

ミラフローレス

マルコ・カッペリ Marco Cappelli
シエラフットヒルズの中でもエル・ドラドAVAに位置するミラフローレス、ここでは名醸造家、マルコ・カッペリ氏(Marco Cappelli)が腕を振るってる。

もちろんシエラ・ムーンも彼が造ってる。

そしてすぐに移動し、シエラ・ムーンの畑へ向かいます。


見ての通りの広いヴィンヤードです。全部で面積は127エーカーもあり、そのうちブドウが植えられているのは約24エーカー。これはかなりの広さで、とてもブティックワイナリーとは呼べない規模。

シエラ・ムーン 市之瀬千代 Sierra Moon Vineyards

すべてご夫婦二人で創り上げブドウを植えて来た自分たちの子供のようなワイナリー。建設関連のお仕事をしていたEjさんは本当に自分でブルドーザーを操ってこの畑を切り開いたそうです。井戸を掘って水を出すところからのスタートとか。まさに気の遠くなる作業です。

頂きの上には将来のゲストハウスとなるであろう小さな小屋が建ってる。Ejさんがその完成予想図の模型を持ち出してきて、みんなでわいわい。楽しい一時です。

シエラ・ムーン 市之瀬千代 Sierra Moon Vineyards

ブドウは、シラー、プティ・シラー、ジンファンデル、ヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌと、完璧なまでにローヌ品種を育てている。そしてその土地の地質自体もコート・ロティと極めて類似しているそうだ。

シエラ・ムーン 市之瀬千代 Sierra Moon Vineyards

シエラ・ムーン 市之瀬千代 Sierra Moon Vineyards
そして一つ発見!

一昨日、トーランスの『Friends of the Vine』でオリン・スウィフト・セラーズOrin Swift Cellars)のザ・プリズナーThe Prisoner)』を飲んだけど、どうやらシエラ・ムーンはこのオリン・スウィフト・セラーズOrin Swift Cellars)と深い関係にあるらしい。

詳細は書けませんが、まさか2日前に飲んだワインとも関係するとは、何とも世界は狭い。

シエラ・ムーン 市之瀬千代 Sierra Moon Vineyards
畑を一通り見て回った後、千代さんの邸宅たるログハウスへうかがった。

もちろん畑の中にあります。

入り口に可愛いワンちゃんがいて微笑ましい。



お宅の中では5種類のシエラ・ムーンのテイスティングをしました。

シエラ・ムーン 市之瀬千代 Sierra Moon Vineyards
2005年と2006年のシラー、2006年のプティ・シラー、2007年のジンファンデル、そして市販していないという貴重なデザートワインの5種類です。

テーブルにはチーズにフルーツ、そして千代さんがご自身で育てたというオリーブが並び、ワクワク感は頂点に達しました。

2005年のシラーは、まさに完璧なまでのコート・ロティです。これ、ブラインドでテイスティングしたらコート・ロティと言うに違いない。

シエラ・ムーン 市之瀬千代 Sierra Moon Vineyards
それくらい引き締まったシラーです。カリフォルニアのシラーにありがちな濃過ぎてボリュームがあるタイプとは対局にある、とってもエレガントなシラーです。

この2005年のシラーは完璧なワインと言えるでしょう。2008年の米国メディア、ワイン・エンスージアストWine Enthusiast)にて91点をたたき出した実力派ワインです。

僕も2008年に入手してストックしてたんだけど、地震でセラーから30本以上ものワインが飛び出し、哀しい事にシエラ・ムーンはほとんど割れちゃいました。

1本だけ、生き残ってそのままセラーに眠ってる。

そんな素晴らしい2005年のシラーに感動した後、続いては2006年。

シエラ・ムーン 市之瀬千代 Sierra Moon Vineyards
こちらは2005年に比べると、もう少し華やかなシラー。

聞けば、5%ほどヴィオニエが入ってるそうです。

たぶんそのせいだと思うけど、華やかで香しいワインに仕上がってる。

この2006年は毎度、我がナイショのバーで飲んでるいつものシラー。素敵なワインです。

次は2006年のプティ・シラー。

シエラ・ムーン 市之瀬千代 Sierra Moon Vineyards
こちらは日本ではほんの一瞬だけ入って来てすぐに飲めなくなっちゃった。数回、Ransen離れで飲んだんだけど、その頃(2010年)はまだ少し若く、濃さと強さがあった。

でも今飲んでみると、実にしなやかでエレガントなワインに成熟している。”美しい”という表現が一番かもね〜

これほど美しいプティ・シラーは珍しい。

たぶんシラー、そしてプティ・シラー、これらのエレガントさはワインメーカーであるマルコ・カッペリ氏の個性によるものなんだろうね。トラディショナルなヨーロッピアンスタイルで、実に洗練された味わいです。

この2006年のシラーとプティ・シラーは、2009年のサンフランシスコ・クロニクル・ワイン・コンペティションにて銀賞を受賞してます。

シエラ・ムーン 市之瀬千代 Sierra Moon Vineyards San Francisco Chronicle Wine Competition サンフランシスコ・クロニクル・ワイン・コンペティション Wine Enthusiast ワイン・エンスージアスト

シエラ・ムーン 市之瀬千代 Sierra Moon Vineyards
そして2007年のジンファンデル。

こちらは樹齢の若さを感じさせない深みのあるジンファンデル。ジンファンデル特有のレーズンとかドライフルーツ系の香りはするものの、濃さや甘さは控えめで、こちらもシラー、プティ・シラー同様、エレガントな仕上がり。

このジンファンデルも一度だけRansen離れで飲んだけど、それっきり見掛けなくなったな〜 残念。

実にシルキーで艶のある高貴なワインです。

シエラ・ムーン 市之瀬千代 Sierra Moon Vineyards
これらシラー、プティ・シラー、ジンファンデルすべてに共通なのは、土の香りがすること。

土とミネラル、大地の香り。自然の恵みを活かした素晴らしいワインです。シエラネバダ山脈からの水もいいのかもしれないね。

確かに水を飲ませていただくと本当に美味い! この水も商売になりそう。

さ、最後はデザートワイン。

千代さんにお孫さんが生まれた際にその記念に少しだけ造ったそうで、市販はしていないレア物。

上品な甘さと艶が素敵なデザートワインです。

そしてランチへと出掛けました。シエラ・ムーンが位置するFair PlayというAVAの一つ隣り、エル・ドラドAVAのダウンタウンへ向かいます。

エル・ドラド Taste
入ったレストランは「Taste」という小粋なフレンチです。

残念ながらシエラ・ムーンは置いていないので、他の地元のワインを頼みました。

選んだワインは、近郊アマドール・カウンティFORLORN HOPEというワイナリーの『Mil Amores 2007』というもの。

ブドウが珍しい!

アマドール・カウンティ FORLORN HOPE Mil Amores
何と、トゥーリガ・ナショナル 60%、テンプラニーリョ 40%というポルトガルとスペイン品種です。

テンプラニーリョはポルトガルではティント・ロリスと呼ばれ、FORLORN HOPEのWEBサイトでもトゥーリガ・ナショナルとティント・ロリスと書かれてるから、ポルトガルを意識したワインなのかな。

不思議とWEBサイトではティント・ロリスと書かれているけど、実際のボトルの裏面にはテンプラニーリョと記載されてる。この辺りがおおらかなアメリカンな感じですね〜

エル・ドラド Taste
凝縮感の高い少し濃い目のワインです。エレガントなシエラ・ムーンをこれだけテイスティングしてきちゃっているので、ちょっと強過ぎるかな〜 まさにカリフォルニア的なワインです。

そしてこのワインに合わせるお料理は、ラグーソースを絡めた手打ち麺のパスタです。

ラグーソースの旨味がワインとピッタリ! 実にナイスな組み合せでした。

シエラ・ムーン 市之瀬千代 Sierra Moon Vineyards ANDIS
食後は、シエラ・ムーンへの帰路、ANDISというワイナリーに立ち寄り、ここでもいろいろ試飲をしました。

ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨンほか、テイスティングし過ぎてだんだん酔っ払って来るよね〜

さて、楽しかったシエラ・ムーンへの旅も終わりです。

シエラ・ムーン 市之瀬千代 Sierra Moon Vineyards
朝8時にサクラメントに迎えに来ていただいてからおよそ9時間を千代さん&ご主人のEjさんと過ごしました。またとない素敵な旅となりました。

愛するシエラ・ムーンが永きに渡って続く事を祈ってFair Playを後にしました。

シエラ・ムーン、最高です!
1ヶ月来れなかった鬱憤を晴らすべく、今週2度目のナイショのバー

ボンベイサファイア ジンリッキー ジョシュア・レッドマン フリーダム・イン・ザ・グルーヴ Freedom in the Groove
まずは一日中蒸し暑くってかなり汗をかいたので、スタートアップはボンベイサファイアジンリッキー。う〜ん、爽快!

そして流れるジャズも爽快!

今宵の最初のジャズは、若手テナーの星、ジョシュア・レッドマンの本当に若かりし頃の作品『フリーダム・イン・ザ・グルーヴFreedom in the Groove』。1996年の作品。太くハートに響くジョシュア・レッドマンのテナーが気持ちいいし、美しいソプラノサックスのトーンも艶がある。

スピード感、疾走感のある演奏に心躍る。後からネットで試聴してみると、ハードバップな感じで粋なホーム・フライズ、ソプラノサックスが美しいパントマイム、トランペットとのデュオのストローリンなど、逸品揃い。上記リンクで試聴できます。

この最後の日本版だけのボーナストラック「ストローリン」のトランペットとのデュオ、この相手が誰だか解らない。どこにも名前が出てこないな〜

素敵なアルバムですが、もはや絶版で上記のリンクでも中古しか手に入りません。再発を強く望みます!

ナイショのバー 万願寺唐辛子のグリル アドベック
さ、お腹も減った〜 まずはフルーツトマトのカプレーゼから。ジンリッキーのライムの果実味といい感じ。

続いては、大好物中の大好物、万願寺唐辛子のグリル。プロシュートの塩気に合わせ、塩っぽいウイスキーを選んでもらった。

出て来たのは、アドベックの12年物。塩っぽいけどピートはそれほどキツくなく、旨味がたっぷり詰まった素敵なウイスキー。

万願寺唐辛子のグリルアドベック、こりゃ最高の組み合せ!

ここでジャズが変わる!

ティル・ブレナー オセアーナ Oceana カーラ・ブルーニ ルチアナ・スーザ
ドイツのトランぺッター、ティル・ブレナーの『オセアーナOceana』というこのアルバム、女性ヴォーカルも入る素敵で粋な作品。

「チャイナタウン・愛のテーマ(Love Theme From Chinatown)」、トランペットのミュートの美しさにカーラ・ブルーニのヴォーカルも素敵な「イン・マイ・シークレット・ライフ(In My Secret Life)」、ルチアナ・スーザのヴォーカルが素敵な「さよならをいうために(Pra Dizer Adeus)」など、素敵な作品揃い。

特に"Pra Dizer Adeus"はギターの伴奏、ティル・ブレナーの深くムーディーなトランペットが美し過ぎる世界。試聴はこちらで!

ナイショのバー インゲンのソテー
この"Pra Dizer Adeus"とは、ポルトガル語で「さよならを言う」という意味。

ちなみにGoogleは本当に凄い! 英日翻訳で"Pra Dizer Adeus"と入れたら、ちゃんと英語じゃなくポルトガル語!、と出て来たよ。

さあ、もうムードは完全なるユーロジャズな世界へ突入。

ア・ドロップ・オブ・ザ・アイリッシュ A Drop Of The Irish
ここでインゲンのソテーが出て来た。

それも黄色、緑、黒の3色インゲンという贅沢なプレート。パルメザンチーズとアンチョビと思われるソースが美味過ぎる!

このインゲンのソテーに合わせたお酒は、定番のアイリッシュ、『ア・ドロップ・オブ・ザ・アイリッシュA Drop Of The Irish)』。トワイスアップでいただきました。

軽やかな塩気がインゲンのソースによく合う。


大和芋のロースト ゴルゴンゾーラ パンチェッタ
そしてシメのプレートは、これまた大好物中の大好物、大和芋のロースト。


ゴルゴンゾーラたっぷりでトロけるチーズの味わいと、大和芋の上に乗っかる厚切りの旨味たっぷりのパンチェッタが素晴らしいコンビネーション。



合わせるお酒は、今夜は徹底的にワインじゃなくウイスキーで。

タリスカー 17年 シェリーカスク ハートブラザーズ

シェリーの甘みと艶がゴルゴンゾーラの香りと素敵な組み合せ。

そして、最後の最後、食後に心を洗い流すワイン、シエラ・ムーンを1杯いただき素敵な夜は更けました。

もうすぐ逢えるシエラフットヒルズな世界を思い描き飲むシエラ・ムーン、このエチケット同様の月が見えることでしょう。

そう、実はもうすぐシエラ・ムーンに逢えるのです...

シエラ・ムーン 市之瀬千代

この謎はまたそのうちに! では、おやすみなさい!
エリザベス女王 即位60周年記念 ダイヤモンド・ジュビリー Diamond Jubilee セント・ジョージズ蒸留所
何とエリザベス女王即位60周年記念のウイスキー『ダイヤモンド・ジュビリーDiamond Jubilee)』というのがあった!

全世界で3,300本限定、日本へはわずか120本。行きつけのスコッチバー『82』に1本限定で置いてあったのを見付けた。

そしてこのウイスキー、何と、スコットランド産じゃなく、イングランド産!

イングランドでは19世紀終わりに最後の蒸留所が閉鎖されてからずっとウイスキーは造られてなかった。それが2006年、つまりはわずか6年前、セント・ジョージズ蒸留所というのがイングランド東部のノーフォークに設立されたんだって。

そのセント・ジョージズ蒸留所が造ったウイスキーが、このエリザベス女王即位60周年記念の『ダイヤモンド・ジュビリー』。

エリザベス女王 即位60周年記念 ダイヤモンド・ジュビリー Diamond Jubilee セント・ジョージズ蒸留所
ボトル中央には王家の家紋がエッジングされてる。

トワイスアップでいただきましたが、美味かったです!

柔らかくピート香はあまり感じず、穀物の旨味と甘みを活かしたフルーティーでチャーミングな素敵なウイスキーでした。

ちなみにラフロイグエリザベス女王即位60周年記念の『ダイヤモンド・ジュビリー』を出してるって! 3,000本限定だそうです。こちらも気になるな〜