生きていくってこと: 2008年10月 Archives

レ・ヴァン・ド・ヴィエンヌ ソタナム土曜の夜、久々に南仏・ローヌの銘酒、レ・ヴァン・ド・ヴィエンヌの『ソタナム』を開けた。ローヌ地方はローヌ川に沿って北はリヨンの直下から南は地中海に出る手前くらいまでの縦に長い領域。このローヌ地域、一番北はコート・ロティ。シラーが素晴らしい高級ワインの産地として有名。そのコート・ロティから見てローヌ川の対岸にローマ時代の遺跡が残るヴィエンヌという場所がある。紀元前、ローマ帝国の時代にワイン造りがされていたという伝説の地。

このローマ時代のワイン産地を現代に蘇らせようと、1990年代後半から地場の若手醸造家3人がトライしている。そのワイナリーがレ・ヴァン・ド・ヴィエンヌ。彼らは紀元1世紀の著述を発見した。ヴィエンヌの丘にはソタナムタビュルナムなどという3つの素晴らしい畑があったという。具体的な畑の場所までは特定出来なかったらしいが、シラーから造るワインはソタナムと名付けた。ヴィオニエから造る白ワインにはタビュルナムと名付けた。このタビュルナム先日、銀座の『美登里』で飲んだ

何とも深~いワイン。僕はこのワインを飲むのは2回目。シラーとしては2005年とちょっとまだ若い。やや酸が強めに感じるけど、これはそのうち落ち着くと思う。舌触りも柔らかく、素晴らしいワイン。デカンタージュしたらさらに香りが引き立った。鶏肉のクリームシチューによく合った。

このレ・ヴァン・ド・ヴィエンヌは、僕の今年の『美味しいワイン発見ランキング』の首位を行く。シラーの『ソタナム』、銀座「美登里」で飲んだ白(ヴィオニエ)の『タビュルナム』、目黒のスーパーで1,800円くらいで買ったテーブルワインの『ルメアージュ、どれもそれぞれの値段を超えて素晴らしいワイン。

歴史書を引っ張り出し、それを眺めながらローマ帝国の時代に思いを馳せて飲む夜。

木曜日の夜、福岡の尊敬する大先輩経営者が東京にいらしていてディナーをごいっしょした。行った先は久々の銀座『美登里』。野菜を中心とした京都懐石料理とワインのマリアージュが素晴らしい割烹。

ドメーヌ・デュージェニーメニューはない。ワインリストもない。すべて大将の一存。今夜はビールを軽く一杯飲んだあと、野菜に合い易いよう、ピノ系のワインを所望した。出てきたのは超レアなワイン。ボルドーの名門シャトー・ラトゥールがブルゴーニュの銘醸地ヴォーヌ・ロマネのドメーヌを買収して立ち上げた『ドメーヌ・デュージェニー』というワイナリーの作品。2006年とまだ若いのでちょっと心配だったし、大将もまだ自分で飲んでないと言う。実験台だな~

恐る恐るテイスティングをした。ふわっと立ち上がる香が清々しく品がいい。とても素敵なチャーミングなワイン。獣臭とかは強くなく、ピノの可愛らしい部分と繊細で上品なお嬢様のようなところを押し出しているワイン。

香りは強いわけじゃなく穏やかなんだけど、でもテーブルの周囲に香りをまき散らすほど立ち上がっている。きっと僕らの回りはものすごくいい香りがしていたと思う。

シャトー・フォンサレットノンベーな我々はもう1本ワインを開けた。南仏・ローヌの銘酒『シャトー・フォンサレット 2003』。シラー 100%のコート・デュ・ローヌの銘酒。シラーらしい荒々しさはなく、とてもスムーズなワイン。ブルゴーニュのピノ・ノワールのような鉄分や血、獣臭などがする。エルミタージュとかのシラーの古酒は、20年とか経つとブルゴーニュのピノのような酸味と獣臭がするような感じに昇華するけど、まだ5年物なんだけど、その片鱗が見えるワイン。素晴らしいです。先日自宅ではこのシャトー・フォンサレットの1996年を飲んだけど、ほんと、ブルゴーニュと区別は難しいくらいの素敵な熟成をしていた。

美登里を後にした我々ノンベー組はさらにもう1軒、美登里のすぐ向いにある『草間バー』に立ち寄った。帝国ホテル出身の有名なバーテンダー、草間さんがやっているわずか9席のバー。美登里の大将に教えてもらって以来、美登里を後にすると必ずここに立ち寄って軽く一杯飲む。プリマスジンを使ったギムレットが名物。世の中狭くって、僕が福岡に出張する際の行き付けのバー・ヒグチのソムリエがこの草間さんと大の仲良し。この春、そのソムリエが東京に来た時にワインを飲んだ後にいっしょに草間バーにも立ち寄った。

経験豊富な先輩経営者と話すといろいろ見えてくる事がある。今夜もいろいろな事を学び、いろいろな事を考えた夜。会話も、料理も、ワインも、草間さんのカクテルも、すべてが最高の夜。

今日は長女が通う洗足学園の音大部門のジャズ専攻の定期演奏会に行った。メンバーは3年生と4年生が中心。つまりは21~22歳。僕も大学3年生までプロのミュージシャンとして活動し、そして大学の音楽サークルでも活動していた。昔の自分の姿と重ねながら感慨深く聴いた。

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第一部はジャズコンボ。『阿久津勇人カルテット』と梅田和利率いる『新党ムササビ.com』の2つが登場。それぞれ30分ずつ、コンテンポラリーな感じのライブをやった。

阿久津勇人カルテットは元気よくパット・メセニーっぽい爽やかなイメージで30分という時間を駆け抜けていった。曲のタイトルも「ハート」とか「エアー」とか、とっても爽やか。木村紘(きむら・ひろ)という2年生のドラマーが超絶技巧で凄かった! 今すぐでもプロになれるかも、という感じを受けた。僕のレーベル「HeartNote」で『湊孝夫/I'm Glad There Is You』というアルバムがあるけど、これに洗足音大の短大出身の高橋信之介というドラマーが参加してくれてるんだけど、まさに彼のようなイメージ。ものすごくスケール感のあるドラマー。

続いて梅田和利率いる『新党ムササビ.com』。オープニングナンバーはオリジナルでバンドのテーマ曲をやった。チック・コリア率いる「リターン・トゥ・フォーエヴァー」的な演奏。アル・ディ・メオラのようなギタープレーでライブは始まった。

第二部はクラリネットの名手・谷口英治が講師として率いる洗足音大生の選抜によるビッグバンド。写真撮影禁止と言われてたんだけど、まあビッグバンドの最中は携帯の写メの音は気にならないだろうと思い撮ってみた。ものすごい迫力! ドラムは先の木村紘。これが超凄い! 繊細かつ迫力満点。

モナステリオ・デ・テントゥディア
そんな夜に開けたワインは、スペインはコルクの産地として有名なエストレマドゥーラ州のワイン、『モナステリオ・デ・テントゥディア 2002』。

このワイン、テンプラニーリョ 100%なんだけど、不思議にピノっぽい。ブドウの成り立ちからしてピノ・ノワールには似ても似つかないとは思うんだけどね~、なぜか何ともピノっぽいんだよね~

渋味は少なく、そして日差しが強い地域にありがちなドライフルーツのような濃さや凝縮感はなく、サラッとしていて色もやや淡く、ブルゴーニュの名門のピノのような鉄分や血の香りが少しする。ブルゴーニュっぽい獣臭とまでは行かないんだけど、ほんと、かなりピノっぽい。酸は本家・ブルゴーニュに比べると軽い。

そういやスペインでロマネ・コンティを超えるワインにトライしたという『レイシス1』もピノじゃなく、モナストレルムールヴェードル)をメインにしたワインだった。ブドウ品種が違えども、ブルゴーニュっぽい造りって有り得るのかな~~

若手の素晴らしい演奏を聴いた夜に飲むスペインの辺境の地のワイン。このワイン、僕は蒲田で2,000円くらいで買ったけど、今ネットで見ると1,300円くらいで買えるようです。かなりお買い得!

しっかし今日の若手の皆さん、のびのびしていてよかったな~ 僕も大学3年くらいまでは各地の大学の学園祭回りをしたりして、あちこちでライブをしていた。懐かしい古き良き時代の想い出。

梅田和利さんのブログ

ウィリアムズ&ハンバート アモンティリャード今週は金曜日~日曜日まで3日間、根を詰めた仕事・会議が続いた。土曜日も夜まで仕事。それを終えて自分を解放しに出掛けたのはいつものナイショのバー。あ、今週は火曜日もここに居たような...

前日、10月10日がこのバーの創立5周年。1日遅れでお祝いに駆け付けた。バーにお酒を贈るのもなんだけど、ここのマスターは大のワイン好き。昨年はオーストラリアのワインを贈ったような気がする。今年はスペインのワイン『レイシス1』。スペインの地でブルゴーニュのロマネ・コンティの偉大なワイン『ラ・ターシュ』を超えることを目指して挑戦したワイン。1998年に一度だけ造られたスペシャルなワイン。詳しくは上のリンクから前回の記事をご参照下さいませ。4,000円以下で買えてロマネ・コンティ気分を味わえる凄いワインです。僕はまだ家に数本ストックしてる。

THE SHADOW ザ・シャドー前日がアバスクで佐々木さんのカクテルにハマりまくってぼろぼろに酔ったので、今夜はちょっと軽めにシェリーナイトにした(はず...?)。いつもの通り、ゴードンのジンリッキーでスタートし、ウィリアムズ&ハンバートアモンティリャードをワイングラスにトロっと注いで飲む。これが当夜の体調と気分にすこぶるマッチした。二杯もこのアモンティリャードを飲んで気分は最高!

そして締めは大好きなワイン、「面影」という別名もあるカリフォルニアのシラー、「THE SHADOWザ・シャドー)」。若くして亡くなった社員を送った夜にこのバーで初めて出されて感動したワイン。それ以来、このバーに来ると疲れた日とかによく飲む。素晴らしいワインです。

ギムレットそして、もう締めたはずなんだけど、最後の最後にもう一杯、5周年なので何かマスターに十八番をネダる。出てきたのはギムレット。マスターも僕も大好きなカクテル。シャープだけど艶っぽい。土曜日にもかかわらず朝早くから仕事した体に心地よく染み込む。

僕の大好きなバーが5周年を迎えた夜。飲食業でゼロから立ち上げて5年続くってすごく大変な事。僕が携わったワインレストランも3年で破綻した。すごいな~

ちなみに僕の経営する会社はついに21年目に入った。よくもこんなに長くやってきたな~ また明日から頑張ろ~~っと! 今週は明日(日曜日)も仕事です。

ブルイックラディ ハイボール火曜日は、ちょっと嬉しかった。米国発の経済混乱の真っ只中、僕の会社だっていろいろ大変。そんな中でどう生き残るか、これは経営者の腕の見せ所。経営者がヘボだと会社もヘロってしまう。いろいろ手を打っている中で、火曜日は午前中に大きく玉砕した後、午後に大きく前に進んだことがあった。

夜はそこまで頑張って漕ぎ着けた自分を労って、いつものナイショのバーで心を解放する。

いつものナイショのバーでのお決まりの如く、まずはゴードンで作ったジンリッキーからスタートし、続いてアイラの名モルト『ブルイックラディBRUICHLADDICH)』でハイボールを作ってもらい喉の渇きを癒した。電車の中の広告でサントリー角瓶ハイボールを見て以来、このところハイボールがお気に入り。

リッジ サンタクルーズ・マウンテン続いて、疲れた自分を鼓舞するように大好きなワイン『リッジ サンタクルーズ・マウンテン 2000』をボトルで開けてしまった~! このナイショのバーはグラスワインも充実していて赤白ともにかなりグラスでの用意があるんだけど、今夜だけは頑張った自分へのご褒美で、大好きなワインをボトルで開けることにした。バーのスタッフにも振る舞った。

このリッジ1976年にパリで行われたボルドー vs. カリフォルニアのワインのブラインドテイスティングでも活躍した銘酒。どこまでも深い森の奥底に迷い込んだかのごとくの静寂さと森林の香りに包まれた素敵なワイン。激闘してきたこの数週間の疲れを洗い流すかのごとき心の清涼剤のようなワイン。

ギムレット最後はマスターの十八番カクテル、『ギムレット』で締め括った。美味しいワインと料理とカクテルで自分で自分の疲れを労った夜。素敵な夜、その夜はギムレットとともに静かに更けていく....

今日は次女の小学校の運動会。徒競走、リレー、騎馬戦、組体操などなど、みんな力の限りを尽くして頑張った。特にうちの小学校では組体操は伝統行事。今日も200人近い生徒が100人×2段になって立ち上がる壮大な姿や人間が3段になって二階建くらいの高さに立ち上がる姿などなど、感動を呼んだ。

ギャリー・ファレル エンカウンター

そんな夜に飲むワイン。カリフォルニアはソノマの名門ギャリー・ファレルギャリー・ファレル "エンカウンター" ソノマカウンティ 1998』。カベルネ。ソーヴィニヨン 40%、メルロー 24%、カベルネ・フラン 36%の典型的なクラシカルなボルドー・ブレンド。

ちなみに”エンカウンター”とは、思いがけない出会いという意味らしい。

僕たちが2001~2002年にやっていたワインレストラン『CURE(キュア)』。ここではギャリー・ファレルのピノ・ノワールがイチオシだった。懐かしいワイン。その後しばらく飲むことが出来なかったけど、昨年、六本木ヒルズのカジュアルフレンチ『ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション』でピノを飲むことが出来た。

今夜の10年物のボルドーブレンド。もの凄い期待をして抜栓する。開けた瞬間から森林浴系の香りが立ち上がる。ユーカリやミントなどの清々しい香り。熟成したボルドーの風を感じる。唯一惜しいのが、森の木々の香りの裏に若干出てくる酸味かな。もしかするとちょっとピークを過ぎてるか、今が散り行く前の最後の輝きなのかもしれない。

とっても美味しいんだけど、10年物のカリフォルニアとしては、ベリンジャーパルメイヤーヴィアデアドミナスなどに比べると若干インパクトが弱いような気もするけど、まあこのクラスになればどれをとってみても美味しい事には違いない。空気が止ったかのような物音一つしない静かな空間を感じるワイン。花系の香りというより森系の香り。深い森の木立の中に一人佇んで飲むワイン。そんなイメージがピッタリ。

超久々のギャリー・ファレルをゆっくり、じっくり味わった夜。秋の夜長のシンフォニーのような空間創造力。素敵なワインだ。