生きていくってこと: 2008年3月 Archives

火曜日の夜、この1ヶ月、土日もなく働いた自分へ、一区切りの意味もあって自身へのご褒美でいつものナイショのバーでちょっとマットリ~ このバーはシングルモルトの品揃えもすごいし手打ちパスタをはじめ食べる物も美味しいものだらけだけど、ワインもまたすごい。最初にオレゴンの銘酒『A to Z』のリースリングを食前酒代りに飲んだ。この『A to Z』はこのところ僕がよくのむ『タナヒル』を作るタナヒル夫妻が参画しているワイナリー。このリースリング、すっきりしていてオーストリアやドイツほど甘みもなく、食前酒には最適。酸がやわらかくてキレイ。

20080318-w1.jpg続いて大好きなクリュゼル・ロックの造る『コート・ロティ 2000年』のハーフボトルを開けた。この前、僕が最後の一本を飲んじゃってしばらく飲めなかったんだけど、また入れてくれた。開けた途端にカウンターの回りを魅惑の香りを包み込んで、思わず僕もバーテンダーの森浦君もニヤリ! 素晴らしい~~

そして最後に一杯、何かグラスで飲もうとしたら、マスターが面白いワインを開けてくれた。オーストラリア、それもあまりワインでは有名ではないヴィクトリア州のワイン、『タービルク・カベルネ・ソーヴィニヨン 2001年』。初めて聞くワイン。1860年創業という恐ろしく伝統あるワイナリー。オーストラリアの中でも最古の部類に入るワイナリーだと思う。ミントの香りとか森の草木の香りとかがして、とっても深い味わい。でもボルドーとはちょっと違うな~ ニューワールド的な甘みはなく、裏側にきれいな酸があり、清楚で、かつ力もあって奥行きもある素晴らしいワイン。

20080318-w2b.jpg「ターブリック」とは、アボリジニー(オーストラリアの原住民)の言葉で『タビルク』に由来するらしい。「タビルク・タビルク」って言うのがアボリジニーの言葉で「水たまりの多い場所」というのを指すらしい。この『ターブリック』は南仏系の品種、マルサンヌの世界最大の生産者なんだって。

しかしオーストラリアにこんなに古くからのワイナリーがある事に本当にビックリ! そして製法もまたビックリ! 古い木桶で発酵し、100年前から使用し続けている大樽で熟成させているらしい。いや~~、深いなあ~

実は僕はいま、オーストラリアが気になってしょうがない。昨年10月末、ある日突然、オーストラリアからデイビッド・片山って親戚が現れて大騒ぎになった。彼と日本で二度ほどワインを飲んだけど、何とも衝撃的な出来事。それ以来、妙にオーストラリアのワインが気になる日々。

それにしても毎度、僕のナイショのこのバーはいろいろなワインを教えてくれる。先月の『THE SHADOW』に続き、またまた素晴らしいワインと出会った。

もうみんなの世代は歌手・大塚搏堂の『ダスティン・ホフマンになれなかったよ』なんて曲は知らないよね~~

ジェームス・ボンドは僕の若い頃からのスター。彼がオーダーするスペシャルドリンク、ウォッカマティーニ、別名ボンド・マティーニは僕の憧れ。このボンド・マティーニ、いろいろなレシピが語られてきたけど、ついに2006年のカジノ・ロワイヤルでレシピの謎がリアルに語られた。ゴードンのジンが3、ウォッカが1、そしてベルモット(オリジナルだとキナ・リネ)が 1/2。これをよ~~くシェークしてキンキンに冷やして飲む。

普通マティーニはシェークはせずにステアする。でもボンドは「ステアせずによくシェークして!」(有名なセリフ、"Vodka Martini. Shaken, not stirred")ってオーダーする。以来日本でもいろいろなバーでボンド・マティーニを出すようになったけど、中々ボンド気分を味わえるものはない。

先週の木曜日、福岡のバー『ヴェスパ』でこのボンド・マティーニをオーダーした。カジノ・ロワイヤルの話になり、まさにそのものずばりの艶っぽいマティーニが出てきた。造り手は菊池さんという女性バーテンダー。彼女、東京から移ってきたって言う。この素晴らしいボンド・マティーニ、おぬし只者じゃないな! お、お、お、これがなんと、僕がよくこのブログでも書く誰にも秘密のナイショのバーにその昔いた「キクちゃん」じゃないか! 超ビックリ!

人の縁は不思議だね。まさか1,000km離れたこの地でキクちゃんと会うなんて。そしてその素晴らしい艶っぽいボンド・マティーニの出来栄え。何か世の中って不思議だね~~

ちなみに彼女と遭遇したバーの名は『ヴェスパ』。ジェームス・ボンドが艶っぽい女性スパイ・ヴェスパーにホダされてハマッたウォッカ・マティーニの名前が『ヴェスパー』。何とも不思議な世界に迷い込んだ気分。こんどゆっくりカジノ・ロワイヤルを見てみようっと!

この土日、”福岡ショック”でボンド・マティーニ熱が炸裂し、自分で作ってみた。ジンはゴードンのイギリス国内向けブルーラベル、ウォッカはスミノフが手元になくってギルビー、キナ・リネなんてもちろんないのでノイリー・プラット。これを激しくシェークしてカジノ・ロワイヤル風にトライ!! ま、そこそこ美味しかったけど、でもやっぱりジェームズ・ボンドにはなれなかった.... 色気が足りないな...

僕ら中年にとってジェームス・ボンドはカッコイイ大人の代名詞。頑張ってシェークしてボンドになろうと思ったんだけどね~~

<若くして天に召された大塚搏堂
ダスティン・ホフマンになれなかったよ』:by WiKipedia>

深夜のテレビでダスティン・ホフマンの映画「ジョンとメリー」を見ながら、若き日を思い出す曲。若い頃を思い出しながら、周りは結婚して子供もいるのに自分には変化がなく、周りよりも時の流れが遅いのでは?、と感慨にふける。また「卒業」を見に行った時の事を思い出し、付き合っていた女性を、「卒業」のラストシーンのダスティン・ホフマンみたいに、結婚式場で奪いたいが出来なかった、もし、あの時・・・と言った事も考える。歳だけはとるが、自分は大人なのだろうか?、そう自問するような曲である。また、この時代の、ダスティン・ホフマンになりたいがなれない、そんな心境を代弁した曲である。

 

大塚搏堂は1981年、37歳で脳内出血で人生を閉じる。そう言えば我が父も37歳でクモ膜下出血で生涯を閉じたなあ... 何ともいろいろ考えるこの週末のボンド・マティーニだ~~

金曜の夜は経団連の大物やIT業界で東証一部上場している経営者など、そうそうたる面々にお呼ばれして会食。みなワイン好き。最初はニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランのトップブランド『クラウディ・ベイ』。ニューヨークでも東京でも、いま話題のソービニヨン・ブラン。軽やかできれいな酸と上品なトロピカルな香りが特徴。

20080307-w2.jpg続いて話題が中東問題になった事などから(みなさん高貴な方々なので世界情勢とかの話はなった...)、イスラエルはゴラン高原の『ヤルデン・カベルネ・ソーヴィニョン 2004』を開けることになった。アラジンの魔法のランプがトレードマークのワイナリー。僕の行き付けのワインバー『グレープチョイス』ではこのヤルデンのミュスカ(マスカット)100%のデザートワインが置いてあってたまに飲むことがあるけど、カベルネは初めて飲んだ。しっかりとしたボディーの厚みのあるワイン。コーヒー豆や樽のいい香りがする。欧州のワインって感じがする。

3本目はフランスはブルゴーニュの銘醸地、ヴォーヌ・ロマネ地区のワイン。残念ながら10名もいるパーティーで、かつ僕は一番各下のぺいぺいだったので造り手はチェック出来なかったけど、まさにブルゴーニュらしい高貴で華やかな香り。ヴォーヌ・ロマネは100万円以上もする事で有名(!?)なロマネ・コンティがある地区。今夜の主賓の方はご自宅に1本持っているとおっしゃってた。すっごい~~

20080307-w4.jpg最後は、ヴォーヌ・ロマネを追加しようとしたら在庫切れだったので、ソムリエのお薦めでまたまたニュージーランドへ戻った。南島の南部、とっても高緯度な地、セントラル・オタゴのワイナリー『リッポン・ヴィンヤード』のピノ・ノアール。昨今ニュージーランドでは、白はソーヴィニヨン・ブラン、赤はピノ・ノアールが世界的に評価されている。リッポンは僕も初めて飲むワインだったけど、ピノらしさをうまく表現した上品で穏やかなワイン。いま2代目が造っているらしいけど、この2代目、1998年から2002年までブルゴーニュに住みロマネ・コンティなどで修行をしていたというツワモノ。冷涼な地のワインだけど、ピノの上品さ、華麗さをうまく引き出している。

私を含め、10名のIT業界の経営者が集まった会合。元IT業界大手のトップで今は経団連の幹部の方、東証一部上場企業の社長さん、JASDAQ に上場している会社の創業者などなど、私など足元にも及ばない立派な方々といただくワイン。みなさん、海外赴任経験なども長いようで、ワイン文化には長く触れ合ってきているみたい。ニュージーランドから始まり中東・イスラエルに飛び、そこからフランス・ブルゴーニュへ旅し、最後はまたニュージーランドへ戻るという世界一周旅行のようなワイン紀行。ワインって、所違えば味も香りも違う。東京に居ながらも世界中の風土に触れることが出来た気になれるのもワインの楽しみ。ゴラン高原のワインは特に記憶に残るワインだったなあ~ 中東戦争やテロリスト問題などでよく話題になるけど、そんな事をみじんも感じさせず、政治とは無縁にただひたすら美味しいワインを作るヤルデン。素晴らしいなあ~ なおヤルデンの創業は比較的若く、中東戦争もちょっと落ち着いた1983年。早く中東問題も片付くといいね~~