ワインのある生活: 2013年2月 Archives
この摩天楼で素敵な方と素敵にディナー! ワインは最初から”泡”と決めてた。

開けた”泡”は、ナパのスパークリングの名門、シュラムスバーグのロゼ。清楚でかつ艶のある素敵な色合いと味わい。ストロベリー、ラズベリーなどの赤いベリー系の香りと味。チェリーのような小悪魔的な可愛らしさもある。

お料理は、まずは一口サイズのアミューズが出て、そして半生のサーモンが登場。玉ねぎのスープがかかってる。

そして次は素敵な季節の逸品、ホワイトアスパラガスとアイコトマトのコンポート。

春の味覚の代名詞たるホワイトアスパラガス、そして甘〜いアイコトマト。これらにシュラムズバーグのロゼがピッタリとハマる。
続いては、香りパセリバターでソテーしたツブ貝とブラウンマッシュルーム。アンディーブとシトラスブールのソースです。お皿が目の前に置かれるその瞬間から香りが立ち上がる。


ここでシュラムスバーグのロゼが空いてしまったので、ワインは次へ!
開けたのは、オレゴンの名門ベントン・レーンが状態の良い年にだけ造るファースト・クラス。今夜のファースト・クラスは確か2009年。
もうこれは本家本元のブルゴーニュを凌駕するワイン。果実味、鉄分や土の香りなど、まさしく最上級のピノ・ノワールな世界。この夜景と相まって美味い!
お料理は、イベリコ・ベジョータのチョリソーを浮かべた白インゲンのポタージュへ。このチョリソーが実に美味い! ベントン・レーンのファースト・クラスともよく合う。
そして口直しのグラニテが出て、ここで口の中をリセットし、メインディッシュに備える。

メインは、USビーフテンダーロインの炭火焼。上にフォアグラが乗ってるという贅沢な逸品。オレゴンピノノワールを使ったソースが素晴らしい。お肉もとっても柔らかく旨味のあるもの。


気付けばあっという間に2本のワインを開け、お料理もメインまで突っ走り、デザートへ突入。
金柑のコンポート、そしてチョコレートケーキなど取り分けた。金柑のコンポートが何とも斬新かつ季節の味わい。
食後酒はこれらに合わせ、アマレット。
素敵な夜景の中で素敵な会話と共に味わうシュラムスバークのロゼ、ベントン・レーンのファースト・クラス、そしてオレゴン・バー&グリルの素敵なお料理にすっかり酔いしれた夜。
素敵な夜です。

3度目のメルボルン行きです。こちらが真冬で向こうが真夏。こりゃ辛いよ。それも、日本からメルボルンには直行便がなく、韓国メーカとの下打ち合わせもあるのでソウル経由でメルボルン。ソウルは日本より寒いからね〜 こりゃほんと、辛い。

想定内だけど、ソウルは写真の通りの雪景色。寒い(>_<) −3度。メルボルンは32度。ふう〜、行く前から泣けてくる、、
着いて早々、メルボルンの朝の空は突き抜けるような青い空に夏の雲が漂う。通る人たちもホットパンツにノースリーブな感じ。

街にはのどかな馬車が通り過ぎ、街角にはストリート・ミュージシャンがたくさんいて活気に溢れてる。


でも夜の顔はまた別。


昼間の暑苦しさとは別の清く美しい静寂な夜の世界がある。
ヤラ川沿いの川縁に佇むストリート・ミュージシャンは昼間のそれとはまったく違う世界を醸し出す。
写真のサックス奏者のむせぶような音には人が生きているって生き様が吹き込まれてる。
でもそこで恐るべき事実を知る事になる。
20数年に渡り続いて来たこのWalter's Wine Bar、何と、、5月頃で店を閉めるって、、


ショックで声が出ない、、
何で?? いつも流行ってるのに、、、
聞けばオーナーが都市部を離れワイナリーの近くでワインバーをやりたくってそっちに店を出したんだけど、そこだけに集中するらしい。
メルボルンに行く楽しみが無くなっちゃうな、、
で、ともかく腹ぺこ青虫な僕は最初はヴィクトリア州のリースリング、そして同じくヴィクトリア州のロゼなワインに向かい、お料理はスモークサーモンにステーキと、まさに食べたいものを食べたいだけ食べました!

写真に撮ったワインリストからすると、たぶんリースリングはキング・ヴァレーのGapsted、ロゼはヤラ・ヴァレーのMedhurstというものだと思う。
ワインもお料理も、最高に美味い!! 何で無くなるんだよ〜〜!
そんなわけで、翌日もWalter's Wine Barに行った。もうこれが最後の機会かもしれないからね。
ホテルからWalter's Wine Barまでの道すがらも夜の世界は実に美しい。ダウンタウンの中央駅たるフリンダース駅の駅舎もライトアップされて美しい!

そして昨日はのどかに想えた場所も夜の世界ではおとぎの国の馬車となる。幻想的な光景に思わず足が止まる。
(あまりに美しい光景ゆえ、拡大写真を用意しました。写真をクリックすると大きな写真を見ることが出来ます。)

最後になるかもしれないWalter's Wine Bar、まずは地元ヴィクトリア州のリースリングをグラスでいただき、Walter's Wine Bar流シーザーサラダを組み合わせる。川沿いからの青白い光を受けたテーブルの上だけが別世界になっている。
さて、メインのワイン。前夜はグラスでいろいろなワインを飲んだけど、今夜はWalter's Wine Barの最後に相応しいよう、ボトルを開けた。

開けたのは、西オーストラリアの名醸地、マーガレットリヴァーのウッドランズ(WOODLANDS)のカベルネ・フラン&メルロー。
深みと森林浴のような香ばしさ、冷涼な空気感のある素敵なボルドースタイルなワイン。
合わせるお料理は、鴨のコンフィならぬ鶏のコンフィ。
鴨よりさっぱりとしていて、そして香ばしさがある。
Walter's Wine Bar、本当にこれが見納め、来納め??
何とも寂しいな。日本人スタッフのチアキさんと日本での再開を約束し店を後にしました。
外はすっかり夜の静寂。川面に映るビルの青い光が美しい。このまま時が止まってしまったらと想うほどの景色です。

メルボルンの素敵な二夜があっという間に過ぎて行きます。

メルボルン、実に素敵な街です。また来れる機会があるといいな〜〜

オーストリアにロゼワインがあるとは知らなかったな〜
『Paul Achs』というこのワイン、造ってる場所は前回飲んだ赤ワインと同じ、名醸地Burgenland(ブルゲンラント)。
造り手は、Weingut Paul Achsというこの方。
どこまでが名字だからわからないけど、ワインのブランドが『Paul Achs』なので、これが名字かな?? そもそも何て発音するのかも不明。
そして不思議な事に、Paul AchsのWEBサイトを見てもロゼは出て来ない。謎のワインです。
味わいは、赤ワインのようなコクと旨味があるとっても素敵なロゼです。ピノに近い感じ。

最近飲んだ中では、ヒッチングポストのロゼに近いかな〜
ブドウの種類も謎だけど、ピノ・ノワールかもね。
この素敵なロゼに合わせるジャズは、夜の闇と静寂があった方がいいと思い、デイブ・グルーシンの『ワン・オブ・ア・カインド
』。何とも渋いジャズというか、フュージョンな世界。
これはデイブ・グルーシンが自身のレーベルを立ち上げた時に最初に録音した作品。

でもたぶんお金が無かったからだと思うけど、ポリドールから発売になった。
その後、自身のGRPレコードが大きく育った後、権利を買い戻して自身のレーベルから再発になった経緯がある。
デイブ・グルーシンの代表先となるモダージ、映画「愛すれど心さびしく(The Heart Is A Lonely Hunter)」(1968年、ロバート・エリス・ミラー監督、アラン・アーキン主演)のテーマ曲など、いずれも素晴らしい作品。

メンバーもジャズフルートの第一人者デイブ・バレンティン、アンソニー・ジャクソン(b)、ローン・カーター(b)、スティーブ・ガッド(ds)、グローバー・ワイントン Jr.(ss)など、ツワモノ揃い。
1977年、まだフュージョンがクロスオーバーミュージックなどと言われてた頃の録音です。渋くって夜の世界を表現したらこれに勝るアルバムはない。
Paul Achsの深みのあるロゼと最高の組み合せ。
そしてもう1枚、デイブ・グルーシンの夜な世界のアルバムを! 『ナイト・ラインズ
』です。

最後の曲「ボサ・バロック」は90年代最高のフュージョン作品と言われた究極の美の世界。
そしてボストンの病院をテーマにしたテレビ番組のテーマ曲「Theme From "St.Elsewhere"」も素晴らしい(このドラマについては以前のブログを参照)。
素敵なデイブ・グルーシンのジャズに乗って食後酒へと進む。
リンゴをそのまま漬け込んだカルヴァドスです。

旨味、果実味を密封したかのような凝縮感と芳醇な香りにうっとり!
デイブ・グルーシンに最高な組み合せで今夜のシメとしました。
今夜は旨味がたっぷり詰まったPaul Achsの素敵なロゼと果実味豊かなカルヴァドスにデイブ・グルーシンの素敵な夜のジャズを合わせた素敵な夜です。
1月2日からの渡米でペッパーダイン大学の教授と遭遇したんだけど、そのペッパーダイン大学があるマリブ(Malibu)という場所、ロサンゼルスの郊外、サンタモニカから海沿いに西へ40Kmのところくらいなんだけど、現在ワイナリーがいくつも出来ている。

仕事の帰路、以前友人に贈ってもらって飲んだ事のあるローゼンタールというワイナリーに立ち寄った。以前飲んだのは超珍しいプティ・ヴェルド 100%のワイン。とても素敵なワインだった。
今回立ち寄ったのは畑ではなくテイスティングルーム。夕暮れ時の海沿いの道に佇んでる姿自体がお洒落な幻想的な世界。

いろいろテイスティングさせてもらったけど、その中で、オーナーがやってるローゼンタールとは別ブランドの『サーフライダー(Surfrider)』というワインに妙に心魅かれた。
このワイン、海のライフセーバーたちに売上を寄付するという目的を持ったワイン。だからサーフライダー(Surfrider)なんだろうね〜〜


もちろん日本には入って来ていないワイン。
壁にエチケットの一覧がきれいに飾られてたけど、実にバラエティー豊かなエチケットがある。全部飲んでみたいものです!
今夜はそこで買って来たのを開けてみた。
グッと芯があり深みのあるワイン。
冷涼な地の静かなる湖の湖畔で森林浴をしながら飲んでる気分にさせるワイン。
こういうワインを幻想的なワインと言うんだろうな〜

お供のジャズは、ビル・エヴァンスの発掘物『Momentum
』。
1972年2月4日のオランダでの北部、フローニンゲンという地域のフローニンゲン・シアター(Stadsschouwburg Groningen)でのライブ盤です。1968年に結成されたエディー・ゴメス(b)、マーティー・モレル(ds)とのトリオ。
結成直後の1968年10月23日のニューヨークのTop of the Gateというジャズクラブでのライブ盤が先頃出たばかりだけど、続いてはこのトリオが熟してきた頃のライブ盤です。

会場となったフローニンゲン・シアター(Stadsschouwburg Groningen)、内部を含め写真が入手できたんだけど、素晴らしく素敵なところ。
こんな素敵なところで今から39年前にビル・エヴァンスが演奏してたと思うと感慨深いな〜
ちなみにこのオランダでのライブの2日後、パリで行ったライブが『Complete February 1972 Paris Ortf Performance
』として出ている。
この時期、ヨーロッパツアー中だっただろうね。
お父さんを偲んだ「Turn Out The Stars」、ミシェル・ルグランの「What Are You Doing The Rest of Your Life」などなど、僕の好きな曲ばかり。
詩情豊かなビル・エヴァンストリオの演奏に深みのあるサーフライダー。素敵な組み合せだな〜


昨年は、何と韓国に23回も行った!! ほぼ月に2回ってこと。こりゃ凄いよね〜
おまけに前半戦は松葉杖&空港では車椅子だったからね〜〜

そんな韓国側のパートナーに昨年4月、海外留学経験があり英語ができる海外担当の若者が2名入社した。二人とも素敵な奴ら。
そのうちの一人が哀しいことに会社を去る事になった。ま、それぞれの人生、これは仕方の無い事。
でも10ヶ月もいっしょに毎月のように同じ釜の飯を食っていれば愛情も湧くよね。

某日某夜、大好きなイテウォンのレストラン『La Cigale Montmartre』で彼の壮行会を行った。
まずは毎度のお約束、フォアグラのテリーヌ。これに合わせるには、やっぱりアルザスのゲヴュルツトラミネール。
前回ここLa Cigale Montmartreで飲んだゲヴュルツトラミネールはTRIMBACH社のものだったけど、今回はDOMAINE MARC KREYDENWEISS(ドメーヌ・マルク・クライデンヴァイス)というところのもの。
詳細不明なれど、4世紀にわたってアルザスの地に居を構える葡萄栽培家の息子、MARC KREYDENWEISS(マルク・クライデンヴァイス)氏がやってるところらしい。自然派のワイン。ワイナリーの建物も実にお洒落!

金木犀のような甘い香りがフォアグラの旨味と甘みを引き立てる。
続いてはビーツを使ったサラダ仕立て。見た目にも美しい。


メインは仔羊。赤ワインをたっぷり使ったソース。そしてお魚の乗ったリゾット。
ワインはここで赤へと進む。
選んだワインは、ワシントンの名門、『レコール No.41(L'ECOLE No.41)』のカベルネ・ソーヴィニヨン。
ワラワラ・ヴァレーの町の西にあるフランス人街に1915年に建てられた古い校舎がワイナリーとなってる。レコール No. 41とはフランス語でそのものずばり、「41番学区の学校」という意味。
以前はクレヨンで書いた校舎のエチケットだったけど、今回はセピア色に枯れた素敵な大人びたエチケットに変わった。

実に久しぶりに飲むレコール No.41。美味い! ほんと、小洒落たボルドーな世界が目の前に広がる感じ。
ミント、ユーカリなどのハーブ香、カカオ、モカ、葉巻のような渋めの香り、それらが相まって素敵な桃源郷となる。
仔羊とは最高の組み合せ。
シメに、もう厨房はクローズと言うのを交渉し、チョコレートムースを出してもらった。
この1年いっしょに頑張った仲間を送る会に相応しい素敵なLa Cigale Montmartreな夜です(送られるのは右から2番目の若者)。

外に出ると氷点下の中、素敵なイルミネーションが輝いていた。まるで彼の次のステップを祝うかのようだね〜


僕のナイショのバーについにシエラムーンの作者、市之瀬千代さんが登場した! お会いするのは昨年夏に仕事の合間の間隙を縫ってワイナリーを訪問して以来。
思えばここ数年、ナイショのバーはずっとシエラムーンをグラスワインで出し続けてきた。僕の大好きなワインです。
日本でのインポーターが終売とし、在庫限りの販売になり、都内では最後の数本をナイショのバーでは確保してくれたみたいだけど、さすがに以前のようにグラスで開けることはできず、ボトルでのみの提供。
もちろん今夜はシエラムーンとナイショのバーの素晴らしいお料理の組み合せを千代さんに楽しんでいただきました。

開店時間早々に到着し、まずは二人してハイボールで喉を潤す。
僕はグレンリベットの19年物、千代さんは日本のサントリー・白州。
久々(2ヶ月以上ぶり)のナイショのバー、さすがハイボール1つ取ってもレベルが違う。
穀物の香り、ハーブの香りなどが心地よく立ち上がり周囲を舞う。
美しいほどの艶やかさ。
ハイボールに合わせて、サラミ、ブロッコリーのタプナードソースなどいただく。

そしてメインのシエラムーンに行く前に、まずは白ワイン。


ロワールのソーヴィニヨン・ブラン、レ・ヴァン・コンテ(Les Vins Contes)のSois Mignon(ソワ・ミニョン) 。
そしてもう1種類、アルザスのピノ・ブランとオーセロワを使ったドメーヌ・アルベール・マン(Domaine Albert Mann)の白ワイン。このドメーヌ・アルベール・マンは17世紀に設立された由緒あるワイナリーらしい。
そして、お料理の真打ち登場!

大好きな大和芋のロースト 厚切りのパンチェッタ添えです。
写真の奥に見えるのは、万願寺唐辛子とプロシュートのグリル。こちらも大好物!
このお料理に合わせるワインは、もちろんシエラムーン! う〜〜ん、美味い!
シエラムーンのシラーは2005年と2006年があるけど、2005年は純粋なシラー、2006年はヴィオニエを少量混ぜた少し華やかなシラー。
どちらもコート・ロティのような実に上品な伝統的南仏系シラーの味わい。

豚のローストなどと合わせてるうちにワインがあっという間になくなった。
助っ人は、これまた大好きなニュージーランドのピノ、ハリーポッターのマイケル・セレシン監督が創るセレシンです!
艶やかで香り高い素敵なピノ。
そして、ここからが大変! 久々にやっちゃいました、、、
森浦君スペシャルで、大好きなボンド・マティーニを二人でガッツリと!
毎度の艶っぽいボンド・ガールを思わせる最高のマティーニ。

そしてさらにもう1杯、シメのシメは、ブルックリン。これまた僕の大好きなカクテル。

気付けば千代さんと二人してヘロヘロに酔いました〜〜

お店の前で写真を撮り素敵な夜は更けたはずですが、既にこの辺りから二人とも記憶が怪しい。
そして翌朝、どうやって帰ったかも怪しいし、ポケットにはセルリアンタワー東急ホテル最上階のバーのレシートが、、、
シャンパンが2杯と書いてある!
どうやら酔っ払った我々、渋谷のホテルに帰る千代さんを送って行くはずが寄り道をしてしまったみたいです。
でも二人ともここに立ち寄った記憶がまったくないんだよね〜〜〜
いや〜、派手に飲みました。
今夜はシエラムーンの生みの親、市之瀬千代さんを迎えた素敵なナイショのバーな夜です。