ワインのある生活: 2012年9月 Archives

知人がマダガスカルのワインを持ち帰って来た。
現地からTwitterでワインがない街とか書いてたので、グレーワインってのがあるから!、って連絡したら買って来てくれた。
さて、どこに持ち込むか? 欧米と違って日本では持ち込み可でかつ料理も素晴らしいレストランって中々ない。
選んだ先は、シェフが交代したばかりのマルグリット・マリー。新しいシェフのお料理も早く食べてみたかったので、マダガスカルワインを持ってうかがった。
持ち込んだのは、マラザ(MALAZA)というグレーワイン。

グレーって不思議な呼び名だけど、赤ワイン、白ワインのほかに、本当にグレーワインってのがある。
ブドウはピノグリ(gris)とエチケットに書いてある。
そもそもマダガスカルはフランスの植民地だったので、ワイン文化は古くからあるらしい。
独立したには1960年と、まだわずか52年しか経ってないので、その当時のワイナリーがそのままあるのかもしれないね。

で、このグレーワイン、最初キンキンに冷やしてみたんだけど、こりゃちょっといただけない感じです。梅干しっぽい酸があり、舌と喉越しに少しエグ味も感じる。
う〜ん、元々怖いもの見たさではあったんだけど、残念な感じ。色は写真で解るかどうか、少しピンクがかってる。
でも、他のワインを飲んでる間に温度が上がり、常温になってから飲んでみると少しはいい感じになってた。冷たい方が酸がきつく感じる。

口直しのワインは、今日到着したばかりというニュージーランドのピノグリ、『オマハ・ベイ ・ヴィンヤード(Omaha Bay Vineyard) 2009』。
とても爽やかで爽快なワイン。冷涼な地で造られたことがわかるきれいな酸を持ち、アルコール度数はそれほど高くないんだろうけど、それなりの骨格とボリューム感がある。
実に素敵なピノグリ。イタリアのトレンティーノ・アルト・アディジェなどのピノグリージョな感じです。美味い! さすがマルグリット・マリー、いいもの調達してるな〜
ワイナリーにはゲストハウス内にレストランもあるようで、そこでジャズライブなどもやってるらしい。

さて、お料理は、前菜はお野菜一色にしてみた。彩りも鮮やかな有機野菜のシャンパーニュドレッシングなサラダ、そしてチコリとリンゴにブルーチーズソースを絡めたサラダ。

いずれも健康的な逸品。ワインとピッタリです。

そしてこのニュージーランドのピノグリでお魚料理を!
お魚の種類、忘れちゃったな〜 ホウボウだったっけ??
クリーミーなソースとオマハ・ベイ ・ヴィンヤードのピノグリがピッタリ! まさにお魚に寄り添うかのようなワインの旨味。
今夜は3人なのでワインがいろいろ楽しめる。

お肉料理に合わせ、赤ワインは、ついに開けちゃいました! 今やカリフォルニアで話題の的、オリン・スウィフト・セラーズ(Orin Swift Cellars)の『ザ・プリズナー(The Prisoner)』です!! ブドウはジンファンデル。
実はこのプリズナー、先日訪問したシエラ・ムーンがブドウを供給してる。
まっとりしたブドウの深み、重みがあり、そして実に美しいワイン。日本には入ってきてないんだけど、マルグリット・マリーのマダムが自分で直接米国で買って持ち帰って来たもの。最後の1本です!

まさかトーランスで出逢った『ザ・プリズナー(The Prisoner)』と銀座で出逢えるとは。マルグリット・マリー、凄過ぎる!
『ザ・プリズナー(The Prisoner)』に合わせてお肉を焼いてもらう。見ての通り、素敵なワイン色に焼き上がってるよね〜
お肉とザ・プリズナー、完璧な組み合せです!
新しい佐々木シェフ、お野菜、お魚が得意との事だけど、今夜は2種類のサラダから始まり、お魚、お肉とどれもとっても優しい味わいでマダムの選ぶワインとよく合ってる。
マルグリット・マリーの素敵な夜が更けていきます。
で、帰り際にまたまた素敵な出逢いが!
何と、僕のブログに触発されて(?)、マルグリット・マリーのマダムが麻布十番のワインバー『ラ・フェーヴ(la feve)』に行ったそうだ。驚き!
さらに驚きは続き、今夜の客人のお一人は、何と、麻布十番に住んでると!

あまりの偶然に驚き、そして我々三人はマルグリット・マリーを後にして食後のワインを楽しみにラ・フェーヴへ移動した。そしてご近所住まいの女性の客人はご主人も呼び寄せた。
4人でわいわい楽しくワインを飲みました。
1本目は、メンドシーノの素敵なピノ、ジラソーレ。元々僕はこのジラソーレが好きで、昔はナイショのバーにもあったんだけど、このところ中々どこでも見掛けなかった。それが先日、このラ・フェーヴで発見!
今夜はもう一度じっくり味わって飲みたくってジラソーレを開けた。実に可愛らしいピノ。石原さとみを想わせるワイン。あのポテッとした唇に触れるかのような柔らかい舌触りのシルキーなピノ。

そしてもう1本!
サンテミリオンのカルトワイン「シャトー・ヴァランドロー」を造ったジャン・リュック・テュヌヴァン氏(写真の女性はミュリエル夫人)がカルヴェという人と共同で立ち上げたドメーヌ・カルヴェ・テュヌヴァンというドメーヌの『キュヴェ・コンスタンス(Cuvee Constance) 2008』。
場所はサンテミリオンじゃなく、南仏ルーション地方のモーリー地区(AOCモーリー)。ブドウはグルナッシュを中心に、シラーとカリニャンが混じってる。
複雑身のある重々しいけれど優しさと安らぎもあるまさに南仏らしいスケールの大きなワイン。

先ほどの繊細で女性的なジラソーレのピノと対照的。ジラソーレの後にこのドメーヌ・カルヴェ・テュヌヴァンのキュヴェ・コンスタンスを持ってくるとは、店主の永嶋佳代子さん、恐るべし!
ということで、マルグリット・マリーから始まりラ・フェーヴで夜が更ける素敵な一夜でした。
そういや今夜は、客人が素敵な女性お二人、1軒目のマルグリット・マリーの店主が素敵なマダム、シメのラ・フェーヴの店主も素敵な女性と、今夜は素敵な女性4人に囲まれた幸せな夜でした。思わず頬が緩んじゃう〜 (^_^)
ナイショのバー No.2にて素敵なブルゴーニュなワインに出逢った。

出逢ったのは、1989年に新しく地域指定された「マランジュ(Maranges)」のワイン、『ルージュ・キュー(Rouges Queues) マランジュ 2004』。
ドメーヌの当主は、1967年生まれの若きジャン・イヴ・ヴォンテ。そして何と、設立は僕が経営する会社とまったく同じ1988年。こんな偶然もワインの楽しみ。
ジャン・イヴ・ヴォンテはボーヌの醸造高校でワイン造りを学び(そんな高校があることに驚きです!)、でも19歳で一旦この道を諦めディスコのDJになったという異色の経歴の持ち主。
その後、スイス出身の奥様・イザベルと出逢い、再びワインの世界に戻ってきたそうだ。そしてサラリーマンをしながら自身のドメーヌを立ち上げたという苦労人。

マランジュの村で小さな廃墟を購入しワイナリーに改装したんだけど、その工事の際、廃屋の中で赤い尾を持つウグイスの巣を彼は発見した。
卵まであったんだけど、工事のために泣く泣く処分をしたので、また鳥が戻って来る場所にしたいという想いから、鳥にちなんだドメーヌ名『Rouges Queues(訳すと「赤い尾」)』にしたそうだ。
何とも深い話だよね〜

さて、この『ルージュ・キュー(Rouges Queues) マランジュ 2004』の味わいですが、少しガメイのようなボジョレーっぽい可愛らしさがある。
イチゴやカシス、フランボワーズのような赤い果実の香り、でもボジョレーと違ってかなりしっかりとした骨格があり、深み、奥行きもある。
実に素敵なワイン。
僕の会社と同じ1988年の創設、そして僕の会社が上場した2004年というヴィンテージなどなど、このワインとは何か不思議な縁を感じる。
素敵なマランジュのワインで疲れを癒す夜です。
急に秋風がそよぎ始めてきた夜、三幸苑に出掛けた。
その三幸苑、何と今日という季節の変わり目を先読みしたかの如く、すっかり秋の装い。

店内の花や棚の上のちょっとしたオブジェもすっかり秋です。


さて、まずは前に一度ここ三幸苑で飲ませていただいたことがあるローヌ地方のドメーヌ・マゼル(Domaine MAZEL)の『Le MAZEL Perlant Bulles De Rose』という素敵な微発砲なロゼで喉を潤す。
木イチゴ、チェリーなどの可愛らしい香りとうっとりするほど優雅な味わい。
もうこの1杯目から心ヤラれる。
そしてメインのワインに行く前に1杯、素敵なワインをグラスでいただいた。

ボジョレーの名門マルセル・ラピエールの早飲みじゃないボジョレー『シャトー・カンボン(Chateau Cambon) 2011』。
もちろんブドウはガメイ。
これが美味いの何のって、ロワールのピノの如く、それこそドメーヌ・アンリ・ナテールのピノとかのような優しい味わい。
果実味があり、そしてしっかりとした骨格とアルコール分、ミネラル感もある素敵なワイン。とてもガメイとは思えない。
これは美味い!

マルセル・ラピエールさんご本人は2010年に亡くなられていて、今は息子さんが造ってると思われるけど、これは芸術品。
このマルセル・ラピエールのガメイで牛トロ握りを食べる。
最高の組み合せ!

ここでお肉の塩盛りが出て来たんだけど、いつもの大理石へ載せるのとは違い、黄金に輝く重箱で出て来た!
これにはビックリ!
お肉も実に美味そう!

さて、メインのワインは、シラーっぽいのが飲みたいとソムリエに伝えたところ、出て来たのは、超ニッチというかレアな感じのワイン。
今夜のメインのワインは、ローヌ地方のエステザルグ協同組合が造る『コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ シナルグ コンブ・ド・マール(COTES DU RHONE VILLAGE SINARGUES COMBE DE MARE)』というワイン。
セパージュは、グルナッシュ60%、シラー30%、ムールヴェードル10%。

革やスパイスの香り、黒系のベリー香、まさに南仏のワイン。
お肉の脂を口の中で分解し甘みを引き出すかのようなワインだな〜 素晴らしい!
最後にもう1杯、素敵なワインをグラスでいただいた。
出て来たのは、ボルドーはコート・ド・カスティヨンの『シャトー・デギュイユ(Chateau D'AIGUILHE) 2007』。
コート・ド・カスティヨンと言ってもサンテミリオンとの境界沿いらしく、ほとんどサンテミリオンな風土かな。

ボルドー右岸にて次々とワイナリーを買収しては凄い作品に仕立て上げてると言われるナイペルグ伯爵(写真の人)のワイン。
カノン・ラ・ガフリエール、クロ・ド・ロラトワール、ラ・モンドットなど、次々とスターワインへと押し上げた人だそうだ。
このシャトー・デギュイユ、まさにボルドー右岸系のトラディショナルなワインです。メルロー 80%、カベルネフラン 20%。とても柔らかく、しなやか。舌触りはベルベッティー。

刺激性はなく、渋みも穏やか。でも軽いかと言うとそうではなく、深い。深遠なる神の道に続くかのような、心を落ち着け、心静かに飲むワイン。
そして最後のシメは、久々の三幸うどん。
野菜たっぷりの健康的な逸品です。
今夜も毎度のごとく、実に素敵なワインをいろいろ楽しませてもらいました。
お肉との相性も最高!
秋風が吹き始めた夜の素敵な三幸苑の夜です。


久々の『くずし割烹かのふ』、それも遅い時間に無理矢理入れていただいた。毎度スイマセン...
もちろんポジションは奥の隠れカウンター、シェフズ・テーブル。ここは間仕切りで他の席からは見えにくいようになってる。
さて、喉が渇いたし、何を飲むか?
大将の香山中宣さんに選んでもらったのは、今夜のお料理に合わせ、泡です!
出てきたのは、『ドラピエ ブリュット・ナチュール ピノ・ノワール ゼロ・ドサージュ』。そう、甘み成分を一切加えてない辛口。

ドラピエは古くはフランスのド・ゴール将軍、近世ではフランスのシラク元大統領やロシアのゴルバチョフ元大統領などが愛飲したことで有名。
そして有機栽培(農薬未使用)のピノ・ノワール 100%、ドサージュなし(ゼロ・ドサージュ;甘み酒を加えてない)、シャンパーニュでは初めてとも言うべき酸化防止剤無添加、補糖なし、濾過なしのノンフィルターと、まさに自然のままに造った”作品”とでも言うべきシャンパン。
セラーは何と12世紀に建てられたもの、ブドウの栽培は1615年からという歴史あるシャンパン・メゾン。今もファミリーで経営してる。


果実味と香ばしさ、スッキリとした清涼感、とても上品で和食によく合う逸品。
さて、お料理は、まずは秋刀魚の棒寿司から。
すっかり秋の味覚。
美味い!
口に含んだ瞬間のこの旨味がたまらない。
続いては、前菜の4品盛り。

だだちゃ豆のすり流し、北海道のイクラの醤油漬け、だし巻き玉子、谷中生姜、そして何かお魚が1つ(忘れちゃいました...)、そしてナスのオランダ煮。
一口サイズが嬉しいし、目にも楽しい。
続いては、これこそ秋の味覚の代表、松茸と鱧の土瓶蒸し。
先日「RANSENはなれ」で食べた松茸はまだ中国産だったけど、今日の松茸は北海道産。ついに国産が出回る時期になったんだね〜
白身魚(確か甘鯛?)のダシで造ったと言ってたけど、ほんと、旨味が凝縮されていて素晴らしい逸品。


次はこれまた目にも美しいお刺身の7点盛り。イカは甘いし、大間のマグロは素晴らしいし、金目鯛のコブ締めも旨味が深い。最高!
そして焼き物は黒ムツ。
この少し甘い感じの香りに合わせ、ここで1杯だけ焼津の大好きなレアな日本酒「磯自慢」をいただく。

日本酒の米の甘さとお魚料理の旨味が最高の組み合せ。
それから写真を取り損ねたけど、確か美熊野牛(みくまのぎゅう)が出た。
旨味たっぷりな牛です。
シメはもちろん毎度の手打ち蕎麦。

蕎麦の香りが立ち上がる素敵な逸品。
そして素敵なデザートをいただき秋の気配を感じるくずし割烹かのふな夜は更けました。
最高な夜です。

先日も書いた敬愛するビル・エヴァンスの兄、ハリー・エヴァンス。彼は1979年に謎の拳銃自殺を遂げてる。
そんなハリー・エヴァンスが唯一1枚だけこの世に残したレコードがある。『Someday We'll Be Together Again』。今夜はそれをまっとりと聴く夜です。
合わせるワインは、故あって1995年のシャトー・カロン・セギュール。この17年の熟成で祝うことがあったので選んでみた。

シャトー・カロン・セギュールはボルドーの最北端、サンテステフのワイン。18世紀、名門シャトー・ラフィット・ロートシルトとシャトー・ラトゥールの所有者であったセギュール侯爵が「われラフィットを造りしが、わが心にカロンあり。」と言ったとか。
そんなセギュール侯爵の想いの詰まったワイン。ハートのマークで有名。
17年の時を経て実にまろやかに熟成したシャトー・カロン・セギュール。皮の渋み、タンニンが旨味成分に変わってる。
深いな〜 このしなやかさは崇高で長熟な最上級のボルドー物のみが持つ優雅さと奥ゆかしさ。

そしてジャズも深い夜です。
ハリー・エヴァンス演ずるジャズはあのビル・エヴァンスの兄とは思えないほど、軽快で明るい。軽く弾けるような指の動きが目に浮かぶような演奏。
1969年10月の演奏。ルイジアナ州はニューオリンズの北西150Kmくらいのバトン・ルージュ(Baton Rouge)というところにある今も存在するCamelot Clubという社交クラブらしきところでの録音。拍手は入っていないけど、明らかに生録してる音。

この演奏をテープから興してレコードを制作したプロデューサは、自殺したハリー・エヴァンスの実の息子、マット・エヴァンス(Matt Evans)。彼は父をしのぶWEBサイトまで作ってる。
All The Things You Areなど、僕の大好きな曲を奏ってる。心弾むような演奏。上のリンクからMP3ファイルがダウンロードできます。また、AmazonでもMP3を売ってる。
これだけ素敵なジャズを紡ぎ出すハリー・エヴァンス、普段は音楽教師をしていたと言われるけど、何で拳銃自殺なのかな〜

レコードのジェケットの内側にはハリー・エヴァンス、ビル・エヴァンス兄弟の幼い頃〜学生時代の写真が多数。実に深い。

それ以外にも上で紹介したWEBサイトには多数の写真がアップされてる。

いろいろネットを調べてたら、生まれ故郷のバトン・ルージュのお墓のデータや写真を見付けた!
1927年3月26日生まれ、そして拳銃自殺したのが1979年4月20日、52歳の人生でした。
今夜は1995年のシャトー・カロン・セギュールで1979年に亡くなったハリー・エヴァンスと、そして数ヶ月後に兄をトリビュートするアルバムを創り、かつ翌年には自身も命を落とすビル・エヴァンスを偲ぶ深〜い夜です。

大好きなマルグリット・マリーのシェフ、志賀博史さんが交代するって!!
彼の創る鴨のコンフィが僕の大好物。
何でも彼、元々秋から別の店に入ることは決まっていて、それまでの間の期間限定だったんだって。
彼の門出を祝ってF1公式シャンパン『マム コルドン ルージュ ブリュット』、それもスペシャルな保冷機能付きのF1ジャケットが付属してるのを持って僕を仕事で支えてくれる素敵な片腕の女性と出掛けた。
そしてまず僕たちもレアなシャンパンをハーフで開けた。

開けたのは、パスカル・ドケ(Pascal Doquet)。
何でも普通には手に入らず、アカデミー・デュ・ヴァンが直接取り寄せたものらしい。
香ばしさ、果実味ともに素晴らしく、暑かった一日を一気に忘れさせる。
そして、僕の大好きな鴨のコンフィを食べる。
この鴨のコンフィに合わせるワインは、ニコルスのカベルネ・フラン 1998年。

でもその時と違って今夜はプライベート。やっぱりワインはプライベートに気の合う人とゆったりと飲むのがいいよね〜
果実のふくよかさと美しさを最高にきれいに表現しているワイン。す〜っと鼻に抜ける艶のある香りが素敵。
そして今夜はマルグリット・マリーで初めてデザートを食べました。
チョコレートのムースにクリームブリュレ。いずれも甘さを抑えた素敵な逸品。志賀シェフはお料理だけじぇなくパティシエとしても一流なんだね〜 驚きです!

素敵なお料理と素敵な相棒と素敵なニコルスのカベルネ・フランにすっかり酔いしれました。
最後の最後まで素敵なお料理を創ってくれた志賀シェフに感謝し、そして彼の門出をF1で言うところのポールポジションを料理界で取るであろう事を祈ってF1公式シャンパンをプレゼントし、素敵な素敵な夜は更けました。
志賀シェフは京都に戻るそうです。またいつか京都で彼のお料理を食べたいな〜

某日某夜、突然オーストラリア在住の方から連絡があり、いま日本にいるって!
急に食事となって向かった先は、大好きな和食とワインのRANSENはなれ。
この時期、鱧と鮎が美味い! そして松茸も出始めた。
ワインはディープな逸品を開けました。
ナパの名門、デビッド・アーサーの1998年。14年の熟成を経て、角も取れ、動のワインから静のワインへと変化して今もまだ熟成を続ける素晴らしいワイン。

柔らかなユーカリ香、そよぐ風のごときシルキーなタッチ、美しく凛とした背筋を伸ばした女性なイメージ。このデビッド・アーサー、ボルドーの特上の熟成ワインと区別は難しい。
お料理は松茸の天婦羅、鱧と松茸の土瓶蒸し、そして長良川上流の郡上鮎と、素敵なお料理のオンパレード。
特に鮎は凄い! 八田料理長が七輪を持って登場! 目の前で取り分けてくれる。感動です!


そして最後の最後、和の極みを食べてる流れで実に恐縮ですが、新作の深夜メニューでカレーライスが出たというので、シメ物はこのカレーライスにしてもらった。
野菜たっぷりの実に旨味と香り高いカレーライス。
素晴らしい!

食後に藤本さんにボンド・マティーニを振ってもらって素敵なRANSENはなれな夜は更けました。
ちなみにこのボンド・マティーニに使ったゴードンがオールドボトルだそうだ。
右脇のボタニカルを描いたと思われる植物の絵が珍しい。
最後の最後まで素敵なRANSENはなれです。
そしてオーストラリアの方と次回のビジネスについてじっくり語れた素敵な夜です。



麻布十番で都心とは思えない薪を炊いたスモーク料理の店「ホワイト・スモーク」で食事した夜、食後酒(?)がてら、同じ麻布十番にある素敵なワインバー「ラ・フェーヴ(la feve)」に顔を出しました。若き女性ソムリエール、永嶋佳代子さんが経営する素敵なお店です。
ホワイト・オークでのグラジアーノに続き、もう1本カリフォルニアの北端、メンドシーノのワイン「ジラソーレ」のピノを開けた。華やかで艶のある”いい女系”なワイン。鈴木京香な感じか?
抜栓したその瞬間から、華やいだ香りを宙を舞う。
ネグリジェ姿の鈴木京香が横に寄り添うかのようなちょっとエロい感じすらする妖艶なワインに心ヤラレる。

続いては、口直しにアルザスのリースリングを!
開いてたのは、「アンドロー リースリング/マルク・クレイデンヴァイス(Andlau Riesling Au-dessus de la loi / Marc Kreydenweiss) 2010」という初めて聞くワイン。
爽やかで夏の暑苦しさを吹き飛ばすような清涼感がある。酸も心地よい。
この時、カウンターで一人飲む若きソムリエさんと仲良くなって、こちらのワインも差し出した。
聞けば彼、何とお店勤めじゃなく、著名財界人のプライベート・ソムリエなんだって!

思わずプライベート・ソムリエって何?、って聞いちゃった。
ご主人様が食事に出る際、必ず付いていき、お店でワインを選び、抜栓したりデキャンタージュしたりするらしい。
いや〜、そんなプライベート・ソムリエという職業があることにも驚くし、プライベート・ソムリエを抱えてる財界人にもビックリ。
凄いね〜
そしてシメはブルゴーニュの名門、ドメーヌ・プリューレ・ロックの「ニュイ "1"(Nuits "1")」。

このドメーヌ・プリューレ・ロックは、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)の共同経営者アンリ・フレデリック・ロック氏が1988年から始めたドメーヌ。今じゃ超名門の扱い。
エチケットが可愛いけど、詳細不明ですが、何でもエジプトの古文書に由来しているとか。
左側にある緑色の包丁を立てたような模様はブドウの樹、下に描かれた不揃いの三つの赤い丸はブドウの実、また、ボトルの写真では飛んじゃってて見えないけど、右上の黄色い楕円は神、そしてその下の黄色い楕円は人を表しているとか。
何とも神秘的なエチケットだね。

もちろん味わいもミステリアスな女性かのような艶やかなピノ。美味い!
最後は客人は帰って素敵な若きマダムと二人でこのプリューレ・ロックの「ニュイ "1"(Nuits "1")」を飲んだんだけど、ほんと、何か事件が起こりそうなほどの誘惑香がする。
あ、もちろん何も事件は起きませんでしたが(^_^)
素敵な食後のワインを心行くまで飲んだ夜です。
今夜はタマゲた夜です。
何と、、都会のど真ん中、麻布十番の商店街の中に巨大なスモーク蔵を持つレストランがあった!! その名もホワイト・スモーク!
1階がウェイティングバーとキッチン、そして巨大な黒い部屋のようなスモーク蔵。階段の下には薪がたくさんストックしてある。2階が客席。


よくこんな所で消防法とかの許可取れたね〜〜
「スーツに匂いが付くかもしれません」と入り口で言われたけど、でもそれって避けようもなく、ご忠告をいただいてもどうにもならないね〜
お肉は見ての通り、ウルトラダイナミックにスモークをしたもの。
1つは柔らかいお肉、もう1つはペッパーを塗り固めたハードボイルドでワイルドな感じのもの。
それぞれに水にもさらしてない生のタマネギが付いて来る。
このワイルドなスモークはテキサス流なんだって。

オーナーのCraig Whiteさんがテキサス出身らしい。
ハードボイルドでワイルドなお肉に合わせるワインは、大好きなメンドシーノの名門グラジアーノのプティ・シラー。2006年物。
まさかメンドシーノでプティ・シラーを造ってるとは知らなかった。グラジアーノと言えば、ジンファンデルとか、サンジョヴェーゼなどのイタリア品種で有名。驚きです。

そのグラジアーノのプティ・シラー、実にエレガントで”美しい”ワイン。
冷涼な地域で造ってるせいか、どこかカベルネ・フランのような冷涼感がある。
肉の旨味とグラジアーノの深み、旨味がマッチして至福の時を演出する。
都心でスモークする極上のお肉とカリフォルニア最北端の地メンドシーノで造るグラジアーノのプティ・シラーで幸せに酔う夜です。


僕はジャズ気違いで、CDは2,000枚くらい、そして写真の棚のようにLPレコード(アナログレコード)もいまだに1,000枚くらい持ってる。
でも、実は数年前に大好きなカートリッジの針を折ってしまい、それ以来、お気に入りのカートリッジが買えずにずっとレコードは聴けないままだった。
聴いた事のない人には解らないと思うけど、レコードの音はアンプやプレイヤーもさることながら、針を装着したカートリッジという部品で決まる。
僕はまさにTHE・Jazzという言うべき音がするアメリカのスタントンという会社のWOS100という、まさに社長のスタントンさんの署名入りのカートリッジを永年に渡り使ってきた。
でももういまやWOS100はどんなに探しても手に入らない。

その他、アメリカのADCという会社のASTRIONという透明なプラスチックでできた幻想的なカートリッジも使ってたけど、ADCという会社ももう今は存在せず、手に入らない。
米国のeBayなどのオークションサイトを使っても手に入らないんだよね〜
先日、eBayで「ADC ASTRION」と出ていたので思わず応札した。

でも妙に安かったんだよね〜
そしたら何と、届いたのはこの写真の通りのASTRIONのカタログ。
こんな物がレア物扱いでオークションに出るんだね〜
おまけに、紙っぺら1枚なのになぜか関税も取られた。最低〜〜
いまでもヨーロッパはクラシック音楽を主なターゲットにカートリッジは造られてるんだけど、中々アメリカの乾いた感じの明るいジャズ向きの音のカートリッジはない。
でもどうやってもアメリカ物が手に入らず、最終的にやむなくイギリスのカートリッジにした。ゴールドリング社のIM型「Goldring 2300」というカートリッジです。


いや〜、何年ぶりかで聴くレコードの音、素晴らしい! 掛けた途端、子供たちでも「CDとはまったく違う音!!」、とすぐに解るほど、それほどの違い。
何なんだろうね〜 ドラムスのシンバルの音、ベースの弦を弾く音など、CDで聴くよりもっとずっと近くで鳴る。
流した最初のジャズはビル・エヴァンスの「Walts for Debby」。後年になって発売された重量盤。そう、プラスチックの厚みがあって通常のレコードより重たいもの。一時、重量盤って音が良いって流行ったんだよね〜
1曲目の「My Foolish Heart」のシンバルやブラシの音からもう心ヤラレてしまう。

合わせるワインは、名門リッジのシラー。カベルネ・ソーヴィニヨンやジンファンデルは飲んだ事あるけど、シラーは初めて。
このシラー、南仏コート・ロティのようにヴィオニエを12%混ぜている。
味わいも実にトラディショナルなフレンチスタイル。とても上品なシラー。
アナログレコードのまさにこちらも上品で優雅としか言いようのない音とリッジの上品なシラー。これはたまらない。何とも言えない空気感。
続いてもう1枚レコードを。ビル・エヴァンスの最晩年の作品「We Will Meet Again」。

自殺した亡き兄で自身もピアノトリオのアルバムを出しているハリー・エヴァンスへのトリビュートな作品。ジャケット下部に「IN LOVING DEDICATION TO MY LATE BROTHER, HARRY EVENS 1927-1979」と書かれているのが泣ける。きっとこんな文字、CDのジャケットじゃ小さ過ぎて読めないね。これこそレコードの楽しみ。

ハリーが亡くなったのが確か1979年4月、この「We Will Meet Again」の録音が1979年8月6日〜9日。つまりはハリー・エヴァンスが亡くなって4ヶ月後に録音された作品。

トム・ハレルの翳りを帯びたトランペット、艶っぽいラリー・シュナイダーのテナー・サックスが入る僕の大好きなアルバム。
フランス映画を想わせる「Bill's Hit Tune」には涙が出そう。
今夜は久しぶりのアナログレコードとリッジの初物のシラーに酔う素敵な夜です。

久々の三幸苑な夜です。
毎度のことだけど、入り口のディスプレイでもうノックアウトされた!
今月はジャズだ〜
そして食前酒からフルチャージ!
見た事もない泡! ヴァン・ムスーからスタート!

柔らかく、でも果実味はふくよか。
旨味がきゅっと口の中で広がる。実に素敵なヴァン・ムスー。
Vin de Bourgogneと書いてあるからブルゴーニュのヴァン・ムスーなんだろうけど、なんだかまったく不明。
どなたかご存じなら教えて!
また飲みたいヴァン・ムスーです。って、三幸苑に行けば飲めるか!
キャップは王冠だった。

エチケットに写ってる「Blane Charmant」で検索しても出てこないな〜
いや〜、ともかくシャンパーニュじゃなくとも素敵な泡はあるって事だね。
先日のワインバー・インディゴで飲んだドメーヌ・サンミッシェルも素敵な泡だったしね。
そして有機野菜のサラダをいただく。

畑からの小さなニンジンが入ってた。
これが実にしっかりとした味わいで地物の味がする。
お肉に合わせる本日のメインのワインは、これが謎なんだけど、『Jus de Chaussette』というワイン。
鑞で封印してある。

Jus de Chaussetteとはフランス語で「靴下の汁」という意味になるんだけど、確かにエチケットには色とりどりの靴下が描かれている。
クリスマスグッズのようだね。
普段はあまり良い意味には使わないらしい。
フランスのカフェで出て来るコーヒーってかなり濃い。エスプレッソが普通のコーヒー。通常の日本で言うコーヒーはアメリカン、アメリカーノと言われるけど、その彼らから見て薄いコーヒーを皮肉っぽい表現でJus de Chaussette(靴下の汁)とか言うらしい。
中身はガメイらしいんだけど、詳細不明。

香りは確かにガメイっぽい。でも味わいはボジョレーとはまったく違い、しっかりとした骨格があり、ミネラル感もたっぷりしていて複雑味もある。
何とも表現のしようがない、××風とは言えない、このJus de Chaussetteだけの独特な世界がある。
いや〜、驚きです!
世界は実に広い。こんなワインを創ってる人がいるんだね〜

そしてお肉の後にはオリーブを。
毎度素敵なオリーブの盛りつけ。
ここで1杯、別のワインをいただいた。
ドメーヌ・モス(DOMAINE MOSSE)の『アンジュ・ルージュ・パンパレ』。

夫婦で経営の自然派ワイン。子供が3人いて、エチケットの赤い丸は家族5人を表してるって。
ロワールらしい素敵なワイン。カベルネ・フラン主体のはずだけど、青臭さはなく、もう少し暖かい地域のワインな感じすらする。
フルーツヨーグルトのようなイメージ! これがこのドメーヌ独特のカベルネ・フランの醸造の特徴のような気がする。
いや〜、それにしても『Jus de Chaussette』も『アンジュ・ルージュ・パンパレ』も、実に癒し系。あ、そうだ。店に入るなり、超疲れているので今夜は癒し系がいいと自分で言ったんだな。
でもそれにピッタリと合わせて来るソムリエ・和合氏、この手腕はさすがとしか言いようがないな。

素晴らしいワインに心まで酔い、最後のシメの逸品へ。
初めて食べる参鶏湯の雑炊。旨味が詰まった素敵な逸品。米から炊き込んでるのかな〜
久々の三幸苑にトロトロに癒された夜です。最高!

学芸大学前にあるワインバー・インディゴに初めて行ってみた。
姉妹店のレストラン・インディゴはニコルスが来た時に行った事があるんだけどね。
カウンターがオープンキッチンになってる。
他に数席。

カウンター上には大きなプロシュートの塊とショーケースには色とりどりの野菜がたくさん。
ここはお料理は炭火焼がメインらしい。
これらの野菜も焼いたら美味そう〜
まずはワシントン州の泡、ドメーヌ・サンミッシェルからスタート!
香ばしく口の中で広がる果実味が素敵。

まずは新鮮な色とりどり、色鮮やかな野菜のバーニャカウダとプロシュートからスタート。
とにかく野菜が美味い! 本当にいい野菜を揃えてる。自然の甘み、旨味がたっぷり詰まった野菜たち。
バーニャカウダのソースもこれまた旨味が詰まって凝縮された素敵なソース。

開けたワインは、スペルバウンドのプティ・シラー。
スペルバウンドとは初めて聞く。
ロバート・モンダヴィの長男、マイケル・モンダヴィのそのまた長男がやってるワイナリーらしい。
つまりはロバート・モンダヴィの孫。
この孫も名前がロバート・モンダヴィと書いてあるが本当かな??

詳細不明なワインですが、エチケットが宇宙から見た地球。
何か幻想的で素敵だよね〜
テイストはプティ・シラーとは思えないエレガントでトラディショナルなワイン。濃過ぎず実に自然体。
ベリー香やコーヒー、カカオな感じはかなり抑えられていて南仏のコート・ロティなどの渋い大人な感じのシラーに少し近い。いいね〜〜
さて、せっかくなのでお野菜を焼いてもらう。白茄子というのがあるんだって。とても茄子とは思えない。紫のもたぶん茄子。


黄色いズッキーニも交え、色鮮やかなプレートが出て来た。炭火で焼いて塩だけかな。オリーブオイルとバルサミコが添えられてる。
本物だけが持つ自然の味わい。畑からの恵み。
続いては、タコとオリーブのグリル。
これまたワインにピッタリなおつまみ。美味い!

メインは鴨のグリル。
見ての通り、ワイン色に焼き上がった鴨は一口頬張るだけで口の中にジューシーな味わいが広がる。
最後にチーズをもらって素敵なワインバー・インディゴの夜は更けました。

素晴らしいワインバーだな〜
PS.
数日後、もう一度来ちゃいました!
今回はニコルスのジンファンデル、それも1999年を開けた!
美しいとしか言いようのないワイン。
一般に知られるジンファンデルとは一線を画したエレガントなジンファンデル。

さらに、グラスでC.G. ディアーリのジンファンデルを、それも造り手のサイン入りのボトルから1杯いただきました。
今宵も実に素敵なワインバー・インディゴです。
前夜、約2ヶ月ぶりに訪れたナイショのバーで久々のジャズとワインに触発された僕は、翌日も来てしまいました〜〜
やった〜

今夜も凄いジャズ、連発です!
店に入った時に流れていたのは、カーリン・アリソン(Karrin Allyson)という女性ヴォーカリストの『In Blue
』というアルバム。
後からネットで調べてみると、この人、何と僕と1歳しか違わない1963年生まれ=49歳!
それにしては美しいと思いませんか?

たまげるな〜
このカーリン・アリソンは、2001年、ジョン・コルトレーン・トリビュートのアルバムがグラミー賞にノミネイトされて一躍注目された人らしい。

ブルージーなMoanin'、シックなMy Bluebird、ソプラノサックスの艶が気怠いAngel Eyesなど、素敵な作品のオンパレード。試聴はiTunesで!
バックのミュージシャンも凄い! ピアノにはマルグリュー・ミラー、ベースはピーター・ワシントン、ドラムスはルイス・ナッシュという売れっ子中の売れっ子を集めてる。
マルグリュー・ミラーが珍しくピアノの他フェンダー・ローズを弾いているのが珍しいし、そして美しい。
このカールン・アリソンの歌声に合わせる最初の飲み物は、『シングルトン・オブ・グレンオード 18年』のハイボール。平べったいボトルが珍しいね〜


1838年創業のスコットランド最古の蒸留所グレンオードは、スペイサイドの少し北にある地味な蒸留所。
仕込み水は、山に囲まれたナムユン湖とナムバック湖から流れる川の水。
ナムユン湖は「鳥の湖」、ナムバック湖は「ピートの湖」を意味し、それぞれ雨水と湧泉の水からなる湖。

グレンオードはまさに、天と地の水から作られた「生命の水」(ゲール語で「uisge beatha」(ウシュク・ベーハー=ウイスキーの語源)。
純真なる清らかさ、穀物甘さ、深みを持つ素敵なウイスキー。
この素敵なウイスキーに合わせる料理は、ブロッコリーとタプナードソースのプレート。

茹でたブロッコリーにアンチョビとオリーブが効いたタプナードソースは最高の組み合せ。
そしてシングルトン・オブ・グレンオードの旨味ともよく合い、お互いを引き立て合う。
続いては、前夜に続き万願寺唐辛子とプロシュートのソテー。万願寺唐辛子の軽い苦味と青みにプロシュートの塩味。素晴らしい組み合せ。
合わせたウイスキーは、『バルヴェニー12年 ダブルウッド』。

バーボン樽で熟成させた後、シェリー樽に詰めかえ再度熟成した逸品。2種の樽のハーモニーが楽しい。
このウイスキーは、映画「デイ・アフター・トゥモロー」に登場しているそうだ。
地球が氷河期に入り、ストーブの燃料も切れかけた時、本棚の後に隠してあったこの『バルヴェニー12年 ダブルウッド』で最後の晩酌をするらしい。この映画、観てみたいね〜

そしてお料理はインゲンのアンチョビソースのソテーに変わる。
この塩気には、今は無きローズバンクのトワイスアップを合わせてみた。ボトリングはハートブラザーズ。
旨味がたっぷり詰まったトワイスアップで食べるインゲンのソテーは美味い!
そして、今夜はパスタがハマっちゃいました〜
青唐辛子とシラスのオイルのパスタなんだけど、この青唐辛子が大当たりで激辛! むせかえるほどの辛さ。
こういう事って、確かにたまにある。

今年、仕事で韓国にもう14回も行ってるんだけど、たいてい食卓には青唐辛子が置いてあり、味噌を付けてかじる。でも本当にたまにだけど、激辛が混じってる。先日も韓国人がそれに当って涙してた。って、それを笑っていたら、次の時には僕が大当たり!
そんな大当たりの青唐辛子にやられたパスタでした〜 美味かったけど、さすがに全部は食べ切れなかった。
でもそこはナイショのバー、森浦君のセンスは素晴らしく、合わせた飲み物はゴマリスの白。アルバリーニョの爽やかな清涼感が辛さを癒してくれる。素敵な組み合せ。

ここでジャズが次へ進む。
アルマ・トーマス(Alma Thomas)の『サブ・エンテンディド(Sub Entendido)
』というゴスペルチックな作品。
詳しいデータはネットでも解らなかったけど、どうやら自作の曲集らしい。
ゴスペル&ブルージーな「WOULD YOU WISH THIS?」、バイオリンとガットギターの入る小洒落た「SUMMERTIME'S STRUGGLE」、夜な感じのピアノとのディオな「LEARNING HOW」、テナーサックスが艶を演出する「HERE'S YOUR CHANCE」、ガットギターが素敵な「FAll、MY CHILD」などなど、帰ってから思わず試聴コーナーで聴き込んじゃった。

素敵な作品です。
でも不思議に事に、ネットでもこのアルマ・トーマスという人、ほとんど写真が出てこない。
ミュージシャンでここまで顔を見せないのって、日本で言うところのZARDの坂井泉さんくらいなもんでしょ!
唯一手に入ったのがこの写真。見るからにゴスペル&ブルースっぽい風貌だね。

さて、シメのデザートに行こう! 巨峰と白桃、こりゃ最高のデザート。
合わせるのは、アタ・ランギのロゼ。
ニュージーランドのアタ・ランギはピノで超有名。その昔、日本の入り始めた頃は安かったので僕も家で買ってたけど、とても上質なワインゆえ、すぐに値は上がり、今やおいそれと買えないような値段になっちゃった。
そのロゼ。旨味たっぷり、果実味たっぷり、そして太陽の恵みたっぷりな素敵なロゼです。

石原さとみを想うロゼ。あの唇のぽったりとした雰囲気がする。特に温度が上がってくるとそんなイメージ。
まっとり飲んでるとジャズはもう1枚次へと進んだ。
3枚続けて女性ヴォーカル!
今度はマレン・モーテンセンという人の『デイト・ウィズ・ア・ドリーム
』という作品。

1曲目からハイテンションなホーンセクションの緊張感とピアノの輝きにぶっ飛ぶ世界が展開する。かと想えば、自作曲「エジプシャン・ムーンライト」での夜のささやきのような世界、そしてなんとテイク・ファイヴを演ってる。
バラエティー豊かな夜のバーにピッタリなジャズヴォーカル作品。

さて、そろそろ帰るつもりがこの素敵なマレン・モーテンセンのジャズで腰が椅子に貼り付いちゃった!
ここでフルーツに合わせ、増田さん特製の和梨を使ったギムレット風のカクテルを創ってもらった。
実に素敵!
和梨の香りがするともう秋な季節を感じるね。
そう、今日は9月1日、もう秋がすぐそこまで来てる。

そして最後の最後にボンド・マティーニを飲んで素敵な女性ジャズヴォーカル3連発な素敵な夜は更けました。
ジャズクラブかのようなナイショのバー。いい夜です!

2ヶ月近くナイショのバーに行けてなかった。最後は7月頭かな。
実に忙しい毎日。
金曜〜週末を移動日に使った海外出張も多かったしね。
今夜は超久々に我が家に帰ったかのようなナイショのバーな夜。
今日も超暑かったので、まずはゴードンのジンリッキーで喉を潤す。
美味い! 爽快な美味さです。
そしてジャズも凄い!

HELEEN VAN DEN HOMBERGHという女性歌手の『Heard in the Scene
』というアルバム。
聞いた事のない歌手だけど、この名前からするとドイツとか北欧とか、ナイショのバーがお得意なユーロジャズだろうね。
完全な夜の静寂に流れる大人のジャズ。昼間は聴けないな。ナイショのバーにピッタリな艶と闇の世界。
BERT VAN DEN BRINK(p)、TONY OVERWATER(b)、JOSHUA SAMSON(ds)というユーロなメンバーをバックにした素敵な作品。CDはもう手に入らないようなので、試聴と購入はiTunesで!

お料理は、まずはこの季節のナイショのバーの一押し、万願寺唐辛子とプロシュートのソテー。
これはほんと、美味い!
万願寺唐辛子の青い味とプロシュートの塩加減が相まって最高のおつまみとなる。
さて、ここでワインにGo!
開けたのは、珍しくボルドーのロゼがグラスで出ていたのでそれを1杯!

マルゴーの逸品、シャトー・ジスクールが造るロゼ・ド・ジスクール。
旨味に詰まったきめの細かい素敵なロゼです。色も味わいの美しい。
暑かった一日を忘れさせるかのような素敵なロゼ。シャトー・ジスクールのオーナーが自分が夏のバカンスを過ごす時にお供に自家用に造ったのが最初という逸品。
シャトー・ジスクールはボルドーでも有数の美しいシャトーで有名。ほんと、美しいよね。2009年のクリスマスイベントでは、写真のような電飾を凝らしたイベントもあったらしい。


さ、お料理は続いては野菜のオーブン焼きプロシュート添え。
これも毎度の定番、実に体に優しい素敵なお料理。
こんなにたくさんのお野菜を摂ることって中々ない。
食べる健康!
ワインはこの優しい味わいの野菜のグリルに合わせ、セレシンのピノへ。毎度、いつ飲んでも確実に美味いピノ。
美しく、そして微妙に儚げな姿も見せる艶のあるピノです。

ここでジャズはスペインのフラメンコ・ギタリスト、ニーニョ・ホセレ(NINO JOSELE)の『ワルツ・フォー・デビー~ビル・エヴァンスに捧ぐ
』に!
Waltz For Debby、Turn out the Starsと言ったビル・エヴァンスゆかりの曲が並んでる。
メンバーもマーク・ジョンソン(b)、トム・ハレル(Tp)など、ビル・エヴァンスにゆかりのあるミュージシャンが参加してる。
実に深いアルバムです。

お料理は大好物の大和芋のローストが登場!
この香ばしさ、溶けたチーズの艶っぽさ、パンチェッタの旨味、どれをとっても最高のワインのおつまみ。
このチーズとパンチェッタの旨味に合わせ、ワインはナーリーヘッドのジンファンデルへと進む。

チーズ、パンチェッタの旨味に寄り添うかのようなジンファンデルが素晴らしい。
さすがナーリーヘッド。
最後は黒豚とアスパラのオイルパスタでシメました。
久しぶりのナイショのバー、毎度ながらジャズも素敵、ワインも素敵、お料理も最高! ほんと、我が家に帰って来ました〜〜
さ、また近々来れるといいな〜〜 ナイショのバー、最高!
1年半前まで僕とガッツリと仕事をしていた同士と久々の会食。
あ?、久々でもないか。ジャスト1ヶ月ぶり。前回はオーストラリアに飛ぶ前日の夜にマルグリット・マリー+もう2軒ほど、ディープに遅くまで飲んだな〜 翌日の朝の5時起きが何とも辛かった(>_<)

さて、旧友と出掛けた先は、恵比寿の灯台下暗しの焼肉とワインのレストラン『Ginseng』。
今夜は店長のサガさんがいないって! う〜ん、こりゃ困った。2回ほど来た時には店長のサガさんがすべて段取りしてくれて勝手に料理も出てきた。メニューを見るのも初めて。
ありゃ?? 前回、食前に出て来た参鶏湯のスープがメニューにない! シメに食べてコムタンクッパも出てない! どういうこと??
コースメニューもあるが、どれもこれまでに食べたのとまったく違う!!
困り果ててルーマニア人のソムリエのアレックスに店長に連絡していつものメニューを出せるようにしてと依頼する。と彼は、あ、あの料理!、とピンときてくれ、いつものメニューが無事出て来ました〜 やった!

さて、まずは喉が渇いたので泡だな。
アレックスに選んでもらったのは、イタリアはトレンティーノ・アルト・アディジェのスプマンテ『ロータリ・タレント・ブリュット(Rotari Talento Brut)』。
この”タレント”というのが珍しい呼び名。ネットで調べたら、イタリアの原産地統制呼称DOC(またはDOCG)で瓶内二次醗酵で製造された発泡性ワインを「タレント」と呼ぼうといくつかのイタリア生産者が集まって活動しているものだそうだ。

通常のスプマンテと高品質なものを区別するための施策らしい。
爽やかでトースト香も軽やかな素敵なスプマンテ。シャルドネ 100%です。
お料理は参鶏湯のスープから始まり、そして前回同様、ドライアイスのスモークが炊かれた素敵なお肉が登場!
美味いのなんの、もう頬っぺたが落ちちゃう!

お肉に合わせるメインのワインは、ニュージーランドの『プリリ・ヒルズ(PURIRI HILLS) 2003』。オーストラリアには珍しいボルドーブレンド。
メルロー69%、カベルネソーヴィニヨン15%、カベルネフラン8%、カルメネール6%、マルベック2%というセパージュ。メルロー主体というところからも解る通り、ボルドー右岸系を目指したワイン。
場所は詳細不明なれど、西側のマーガレットリバーの方角と思われます。
まさに味わいと香りは ボルドー右岸のポムロールやサンテミリオンのよう。これをブラインドテイスティングでニュージーランドと当てるには不可能に近いな。

実に柔らかく深みのある素敵なワインです。
今夜は同士と語り尽くせないほどの積もる話があったけど、素敵なお肉と素敵なワインでいっぱい話せた夜だ。
メニューにはないコムタンクッパでシメて、素敵なGinsengの夜は更けました。
と、この後が実は大変で... 彼との毎度のお約束、カラオケな夜が2軒! 気付けばとんでもない時間でした。
でも苦労を共にして来た同士と酌み交わすワインは本当に美味い! いい夜です。

今夜はディープにジャズとワイン。
ジャズは1980年に没したビル・エヴァンスへのトリビュート。
1977年のトリオアルバム『You Must Believe In Spring』のベーシスト、エディ・ゴメス、ドラマー、エリオット・ジグモンドを要して新進気鋭のスウェーデン出身のピアニスト、ステファン・カールソン(Stefan Karlsson)が録音したライブアルバム『Live at Vartan jazz Stefan Karlsson Trio Vol. 1』。

いや〜、これは深いです。曲目もビル・エヴァンスにちなんで「You Must Believe In Spring」、「We will meet Again」など、泣ける曲だらけ。
この「Live at Vartan Jazz」というシリーズは、ヴァルタン・トノイアン(Vartan Tonoian)が経営するコロラド州デンバーにあるライブ・ハウス「Vartan's Jazz Club & Restaurant」でのライブを収録した自主制作盤のようなもので、90年代後半、日本に出回ってた。実に懐かしい1枚。現在では中々手に入らないのが残念。

ステファン・カールソンはどこまでもビル・エヴァンスに経緯を表し、そしてそれを支えるビル・エヴァンストリオのメンバー、エディ・ゴメスとエリオット・ジグモンドも素晴らしいサポート役を演じてる。
ワインはLAの友人からいただいたサンタ・バーバラのピノ『BYRON(バイロン) 2010』。サンタ・マリアヴァレー産です。
写真の通りの素敵なテイスティングルームを持つワイナリー。


写真のサンタ・バーバラの醸造家、ケン・バイロン・ブラウン氏のワイナリーとあるが、1990年にロバート・モンダヴィがここを買収という記事もあった。
詳細は不明です。
抜栓直後は少しアルコール感が強かったけれど、時間と共にまろやかになり、最後は血の匂い、獣臭など、ブルゴーニュでもヴォーヌ・ロマネのような骨格のしっかりとした深いワインに昇華した。
素晴らしいピノです。

素敵なピノを飲みながら聴くステファン・カールソンのビル・エヴァンスへのトリビュートなジャズ。
素敵過ぎる。
素敵なジャズとワインで幸せな夜です。