ワインのある生活: 2011年2月 Archives

僕の大好きなリラクゼーションスペース、青山のBody & Soulでいいジャズを聴いた!
大好きなトランぺッター、松島啓之のライブです。
メンバー唯一の若手、楠井五月もいいね〜 流れるようなベースラインを奏でてる。

そして今回もUStreamでネット配信をしてた。一瞬、手元のiPhoneでゲット!
開けたワインはイタリアはピエモンテ州、ランゲのワイン。
Il Colombo - Barone Riccardiというところが造る『MONTEREGALE ランゲ・ロッソ』。
これ、中々謎なワインです。

ランゲ・ロッソは最近はいろいろなものが日本にも入ってきてるけど、このMONTEREGALEというものはネットで探しても見掛けない。楽天でももちろんない。
仕方ないのでイタリアのGoogleサイトで検索したら、ようやくヒットした。トリノの南、モンドヴィ(Mondovì)という街で造られるワインらしい。ワイナリーの写真もゲット!
ブドウは、通常のランゲ・ロッソというとバルベーラとネッビオーロの組み合せが多いけど、このMONTEREGALEはドルチェット 70%、そして何とメルロが 30%! こんな北の地でメルローを造ってるとは驚きです。

少し渋みがあり、でもフルーティーさも兼ね備え、舌触りはとってもスムース。今日の松島啓之の演奏を引き立てるかのようなワイン。
今夜は素敵な演奏と素敵なワインで素敵な夜を過ごしました。
仕事の嫌な事をすべて吹き飛ばした夜です。
Body & Soul、そして松島啓之、ありがとう!!

超久しぶりに都ホテルのラウンジ「バンブー」に顔を出した。
ベテラン・ベーシスト、遠山晃司がプロデュースするベースとギターもしくはキーボードのデュオが毎晩聴ける心休まる場所。
今夜の遠山晃司の相棒はピアニストの森田潔。二人の大人のジャズが疲れた脳と心に心地よい。

ポンっという感じの弾けるベース、それに寄り添うかのようなささやくようなピアノ。心が洗われる。
開けたワインは大好きなラ・クレマ。ソノマの美しいワイン。柔らかいピノです。3階建て(!?)の素敵な前菜プレートをつまみに聴くジャズは最高!
こんな世界があること、久々に想い出した。
こういう時間は大切だな〜 今夜の都ホテル&遠山晃司、最高!

今夜はジャズ・ボーカリスト、ウィリアムス浩子のライブです。場所は大好きな青山のBody & Soul。
初めて生で聴くウィリアムス浩子さん、実に柔らかく歌心溢れるトーン。ジャズの楽しさを体中で表現してる。
そして支えるメンバーが素晴らしい。オープニングにピアノトリオで1曲やったんだけど、もうこの出だしでヤラレた〜って感じ。
ピアノは後藤浩二さんという初めてお名前を聞く方。リリカルで艶っぽい最初のフレーズでもうヤラレた! ハービー・メイソンとアルバムを出してるってウィリアムス浩子さんが紹介してた。こりゃ凄いこと!

ベースは今や乗りに乗ってる中村健吾さん。実質的にバンマスって感じでみんなをまとめてる。
ドラムスはこれまた初めて名前を聞く人、Gene Jackson。本人のWEB等を見る限り、ハービー・ハンコックのメンバーになってた人らしい。どおりで激上手い!
ほんと、彼のドラムは芸術的だった。バラード、アップテンポ、各人のソロの盛り上がりなどに合わせ、変幻自在なドラミング。体つきからは想像出来ないような繊細な一面も。

と、ウィリアムス浩子さんを支えるバックのピアノトリオが超絶的です。素敵なライブ。
そして今夜の驚きは、Body & SoulがライブをUStream配信してること! 前半、後半それぞれ頭の2曲程度らしいけど、こういう試みをしてることが凄い!

開けたワインはエン・ティエンポ・ヴィンヤード(En Tienpo Vineyard)というところのマルベック。場所はエチケットからするとモンタレー。ソノマのパシフィック・エステイツ(PACIFIC ESTATES)がリリースしてるものらしいけど、詳細は謎です。
マルベックと言うとフランス南西地方、カオールなどが有名。真っ黒いほどに黒く太い感じのワインが多い。先日のアバスクで飲んだマルベックは例外的。
でもこのエン・ティエンポ・ヴィンヤードのマルベックは渋みはあるけど柔らかい。フランスのマルベックとは少しイメージが違うかな。今夜のボーカルのウィリアムス浩子の歌のごとく、さりげなく体の中に溶け込んで行く。

今夜はウィリアムス浩子のハートフルなボーカル、後藤浩二のリリカルなピアノ、中村健吾の弾むようなベース、Gene Jacksonの芸術的なドラムス、そしてこのエン・ティエンポ・ヴィンヤードのマルベックで幸せに酔った夜です。
またまた三幸苑、やってくれました! このところ、ロワールのワインの充実が凄い!

驚愕なワインです! ロワール流域で細々と造られるブドウ、ピノ・ドニス。不勉強ですが僕は今夜初めて聞いた名前。そんな不思議なブドウから造られる素敵なワインに出逢いました。毎度、三幸苑のソムリエは恐るべし。
その驚くべきピノ・ドニスのワインは『レ・ヴィーニュ・ド・ランジュ・ヴァン ノクテュルヌ』。エチケットが何ともお洒落。
あまりに気になったのでネットで調べてみた。

これはロワールのジャニエール(AOC Jasnieres)生まれのジャン・ピエール氏が立ち上げたワイナリー。パリで自然派ワインを中心とした人気のワインバー「ランジュ・ヴァン」をやってた。今でこそメジャーとなった自然派ワインの造り手、マルセル・ラピエールやフィリップ・パカレなどを表舞台に引っ張り出した人。
どうしても自分がワイン造りをしたくなり、店を売って地元のジャニエールに戻ってワイナリーを立ち上げた。
ワインはとっても体と心に優しい系のワイン。ふわっと体を包み込むかのようなワイン。刺激性はまったくない。果実味はたっぷりしてるけど重過ぎず濃過ぎず、素敵なワイン。あえて個性を殺すかのような造りなれど、ゆっくり味わって飲むと、飲むほどに深みが出て来る。

抜栓直後はボジョレーのようなガメイっぽさがあり、途中はブルゴーニュのピノっぽくなり、最後の最後は温度も上がり空気にも触れ、実に妖艶な世界に突入した。
ちなみにこのジャニエール(AOC Jasnieres)という場所は「1世紀の内で3回、世界で最高と言える偉大な白ワインができる場所」と言われてるらしい。凄い場所だね。
そして、その気になる白ワイン、シュナン・ブランも1杯、いただいちゃいました!
恐ろしいほど色が黄色く、シェリーかのような感じさえする。ブドウの果実味、酸味、熟成香などのバランスよく、旨味が詰まった素晴らしいワイン。これは深いよ!
白は2種類あるらしく、最後に3本並べて写真を撮った。どれもエチケットが芸術的で素敵! もう1つのワインも飲んでみたいものです。

こんな素敵なワインを持つ三幸苑、もちろんお料理も毎度のごとく最高! ワインを見据えたかのような生ハムと有機野菜のサラダ、とっても上質なお肉、巨大な肉厚の椎茸などなど、どれも旨味たっぷりの最高なもの。
そして入り口はすっかり春の装いで雛祭りバージョンに変わった。
料理もワインも装飾も実に芸術的な店です。三幸苑、最高!


ナイショのバーで素敵なワインに出逢った。
ナーリー・ヘッド(GNARLY HEAD)というワイン。
まずは喉が渇いたのでボンベイ・サファイアのジンリッキーからスタート。グイッとした喉越しがたまらない。
そして2杯目はジョニー・ウォーカーのオールドボトルでハイボール。
現在のジョニー・ウォーカーと比べ穀物の味わいが深くて素晴らしい。ナイショのバーでももうこれ限りらしい。
流れるジャズは相変わらずニッチな聴いた事のないもの。
『Ricky Tick presents LOVE JAZZ66-77
』という不思議な作品。
ネットで見ると「LOVEレコーズというフィンランドに13年足らず存在したレーベルの音源」と書かれてる。中身の詳細は不明。

聴いた瞬間、ブレッカー・ブラザーズ
かと思った。そんなブラスがバシバシ入るエモーショナルなジャズ。トランペット、サックスともに炸裂感が凄い!
ここで心は大きくヒートアップ!
まずはイタリアの「キリストの涙」という名前で有名なラクリマ・クリスティを1杯。

とっても旨味のある白ワイン。
「荒れ果てたナポリの町をイエス・キリストが見て流した涙が落ちた所から葡萄の樹が生えて美味しいワインが生まれた」
という伝説から名付けられた素敵なワイン。
続いて開けた本日メインのワインはカリフォルニアの「ナーリー・ヘッド(GNARLY HEAD)」というピノ・ノワール。初めて聞く名前。

華やかで艶があり、そして陰か陽かと言えば陽の世界を演じるワイン。果実味豊かでパワーもある。でもカリフォルニアにありがちな強過ぎるピノじゃない。国籍不明。
どちらかと言えばまだまだ若いシャンベルタンのような感じかな。素晴らしいワインです。
グラスのつもりがほとんど1本飲んじゃった〜

そしたらマスターが悪さして(!?)、ナーリー・ヘッドのジンファンデルを持ち出してきた。
このナーリー・ヘッド、そもそもジンファンデルの方が有名らしい。それも古樹から造られるオールド・ヴァインなジンファンデルで有名。
ラズベリー、カカオやチョコなどの香り、その奥にあるごく軽いスパイシーさなど、どこをとっても最高なジンファンデル。旨味と果実味、強さのバランスがよく取れてる。
イタリア・シチリア島出身のデリカート家が3代に渡って造るナーリー・ヘッド、実に素敵なワイン。
気付けばジャズはニューヨークへ!

若手ピアニストのビル・チャーラップ率いるニューヨーク・トリオの『THOU SWELL 君はすてき
』が流れる。日本のヴィーナス・レーベルの作品。僕のレーベル「ハートノート(HeartNote)」はこのヴィーナスに追い付け追い越せとスタートした。
この『THOU SWELL 君はすてき』、さすがヴィーナス! 実に素敵な作品を創ってるな〜 まさにニューヨークの街角のバーで流れる大人のジャズ、お洒落なジャズ。目の前にマンハッタンの摩天楼が現れる。
そして今夜ももちろん料理も驚嘆! 大和芋のソテーに厚切りのパンチェッタを乗せた香ばしい料理、温野菜のゴルゴンゾーラソース、そして極めつけはナイショのバーは手打ちパスタをいつも造ってるけど、今夜は”ピチ”という、うどんのようなモチッとした食感の初めて食べるパスタをいただいた。ソースはラグー。この上ない幸せな感じです。美味過ぎる!

最高のジャズと最高のワインと最高の料理で思いっきり酔っぱらった夜です。ナイショのバー、最高! でもウルトラ酔っ払った〜〜
我が愛するアバスクは昨年暮れ、創設3年にしてついにミシュランの星を取った! 凄い快挙! 若手で運営する小さな小さなお店。この良さを理解してもらえて本当に嬉しい!
でもお陰で中々予約が取りにくくなったような... 年明けから何度か電話するも中々入れず。
もう2月も中旬近いけど、ようやく入れた! 久々のアバスクはいつもながら居心地がいい。有機野菜のアンショイヤード(バーニャカウダのようなもの)、切り立てのキントア豚の生ハム、フォアグラを茹でたものなどなど、タパスだけで実に楽しい。


開けたワインはフランス南西部、カーオルのワイン『アン・ジュール・シュール・テッレ (LE CLOS D’UN JOUR)』。
この地域はマルベックをベースに地元品種のタナ種をまぜた色が実に黒いワインを造る。今夜のアン・ジュール・シュール・テッレも色はかなり濃い。
そしてエチケットは華やかでエキゾチック!
でも味わいは色に反して実にしなやかで柔らかい。ブラインドではカオールのワインとは当らないな〜
シメはバスク豚のカレー!
これは超お気に入りの逸品。これでシメないとどうもね! 22時からのミッドナイト・アバスクにしかない裏メニューです。

料理も美味しいし、そして日本では中々飲む機会がないフランス南西部のワインが充実してるのも楽しい。
今夜もアバスク最高!

今夜はナイショのバー No.2でスペインはフミーリャの名門ボデガス・アガピト・リコの造る素敵なワイン『カルチェロ・ティント』に心ゆだねる夜です。
モナストレル 40%、テンプラニーリョ 40%のほかに、何とカベルネ・ソーヴィニヨンが20%混ざってる。これは珍しいね〜
ボトルキャップの上面に、写真のように何やら窓のような絵が描かれてる。エチケットもカルチェロの”C”と逆さまになったワイングラスという不思議な構図。

でもワイン自体は奇をてらったものじゃなく、かなりトラディショナルな感じ。
果実味が豊かで、かつ舌触りは柔らかくしなやか。
ブラックベリーなどのニュアンスがする。

料理は、このワインのしなやかさを考え、あえてお肉じゃなく真鯛のソテーと合わせてみた。バターと白ワインとソテーの汁で造った少しコッテリとしたソースがワインとマッチする素敵な逸品。
そしてカルチェロ・ティントと真鯛のソテーを支えるジャズは、ビル・エヴァンスの晩年のライブ『His Last Concert in Germany
』。これは深いアルバムです....

僕の最愛のジャズピアニスト、ビル・エヴァンスは1980年9月15日、51歳で他界します。そのジャスト1ヶ月前、8月15日にドイツで録音された音源です。
場所はベルギー国境近いバート・ホニンゲン(Bad Hönningen)。個人のファンの建築家の自宅で開かれたプライベート・ライブ。翌日、8月16日がビル・エヴァンスの誕生日ゆえ、それを祝っての出来事らしい。深夜24時を越え、ハッピーバースデーとかけ声が飛んだと聞く。よくもそんな録音が残ってたもんだ。

体を蝕まれ死を1ヶ月後にした鬼気迫る演奏です。インタビューを読んでも死期が迫っていることは本人も解ってたと思う。
僕は晩年の2年間の若手とのトリオ、マーク・ジョンソンのベースとジョー・ラバーバラのドラムスでの演奏が大好きです。死を意識したビル・エヴァンスを誠心誠意支える若手二人。今では二人とも大成してる。
などなど、深〜いジャズを聴きながら深みのあるカルチェロ・ティントにまっとりするナイショのバー No.2な夜です。

3年前の2月7日、僕の会社を支えてくれた若者が6年の闘病の末に天に召された。
葬儀の夜、やりきれない気持ちを抱えていつものナイショのバーに来て、そこで出逢ったのがこの『ザ・シャドー 〜面影〜 (The Shadow)』というワイン。深いよね〜
それ以来、この時期になるとナイショのバーでこの『ザ・シャドー 〜面影〜』を開ける。
今夜はまずはプライド・オブ・ザ・ローランド 12年のハイボールからスタート。
穀物らしさ、ピートの香り、いずれもバランスのいい魅力的なウイスキーです。

流れるジャズがまた素敵。思わずジェケットを見せてもらう。まったく知らないユーロジャズ。『JAZZ FROM THE STREETS of EUROPE / ROME』という謎のCD。ネットで追っかけてもよく解らない。Blue Jack Jazz Recordsというオランダのレーベルが出してるものらしく、メンバーはCorallini(ss) 、Accardo (g) 、La Fauci (ds) 、Bulgarelli (b)というこれまた知らない面々。
でも流れて来るトラディショナルかつウォームなトーンには魅かれてしまう。艶気のあるジャズです。それにしてもナイショのバー、毎度、何でこんなニッチなものを持ってるんだろう!?

続いて先程のプライド・オブ・ザ・ローランドとは対局にあるようなクライヌリッシュ(CLYNELISH)の『ブラッカダー ロウカスク 1990 16年』でハイボール。
シェリー樽熟成の甘みと艶が素敵な逸品。
並ぶ料理は毎度の好物、チコリ・トレビス・パンチェッタのサラダ、そして大和芋のソテーに厚切りのパンチェッタを乗せた香ばしい料理、シンプルにトマトらしさを表現したアマトリチャーナ、そして地鶏のグリルと美味いもののオンパレード!

流れるジャズは艶っぽいものに変わった。メロディ・ガルドーという盲目の女性ジャズボーカリストの『マイ・オンリー・スリル
』という作品。これまたナイショのバーで教えてもらったが、この女性歌手、交通事故の後遺症で盲目となり、その後、苦労してジャズ歌手になった人らしい。
古き良き時代のフランス映画の1つ1つの情景を見ているかのうような、そんな素敵な作品。つぶやくかのように歌うトーンに一点の陰と憂いがある。”彼”にささやきかけるかのようなトーンだな〜 感動する作品。
そしていよいよ『ザ・シャドー 〜面影〜』です。脳腫瘍で6年もの長き渡り闘病し、弱冠41歳の若さで天に召された彼を偲んで飲む『ザ・シャドー 〜面影〜』。ちょうど僕と彼が出会った2002年のワイン。熟成したシラーの深みと艶に魅き込まれる。

ナイショのバーの在庫もこれ限りらしい。僕の自宅のストックもあと1本。彼を一生忘れないためにこのワインは一生保存だな!
僕らを支え、僕らを勇気づけてくれた君よ、安らかに!
武千代には毎度驚くワインがある。前回は1997年のアンジュの白、シュナン・ブランを使ったラ・フェルム・ド・ラ・サンソニエール(La Ferme de la Sansoniniere)のル・フシャルド(Les Fouchardes)、そしてジャン・ビトゥーゼ(Jean Bitouzet)というドメーヌの1972年のヴォルネイで腰を抜かした。

今回は何と何と、シャンパーニュで造られるスティルワイン、つまりは泡のない普通のワインです!
ドメーヌ・ロベール・デュフール・エ・フィスというところの造る『コトー・シャンプノワ・ルージュ 1985』。
さっぱりはしてるけど、驚くべきほどの妖艶なその姿、ただものじゃない風格が漂う。そもそもシャンパーニュで泡のないスティルワインを造ってるとは知らなかった!
26年を経たとは思えない張りと艶、骨格があり、古酒的な感覚はまったくない。まだまだ長期に渡り熟成するんだと思う。
この艶はブルゴーニュの妖艶さとはどこか違うんだよね〜 もっとベタベタしないサラッとした艶気。もうこれは飲んでもらうしか伝えようがないな...

武千代は何ともニッチでレアなワインを持ってるね。驚きです。
合わせる料理も驚嘆するものばかり。
イナダのお造りから始まり、筍の穂じそ焼き、毎度のチーズの入った茶碗蒸し、ホウボウの一夜干し、もう春かのような山菜の天婦羅、そしてエイヒリの天婦羅。どれもこれも素晴らしく感動するものばかり。
そしてシメは鮑の炊き込みご飯です。

あ、その後、ついに店主・谷口君のボンド・マティーニに行っちゃいました! 前々から超お誘いいただいてたんだよね〜
実に艶っぽい逸品。先のコトー・シャンプノワ・ルージュがさらりとした艶気の水川あさみ系とすると、このボンド・マティーニは吉瀬美智子系。何ともエロい!
艶気のあるコトー・シャンプノワ・ルージュとボンド・マティーニに心やられ、そして頬が落ちそうな料理にやられ、何とも幸せ気分で帰路についた夜です。
武千代、最高!!

ナイショのバー No.2な夜です。久しぶりかな。
シシリアン・ルージュって言う縦長でフルーティーなトマトで仕事漬けの気分をリセットしてスタート! 縦長なイタリアンなトマトって素敵だよね〜

流れてたジャズはビル・エヴァンスを支えた名ベーシスト、エディ・ゴメスの『ストリート・スマート』
。エディ・ゴメスは大好きなベーシストでもあり、そして大好きなトランぺッター、ランディー・ブレッカーが参加してるのが最高!
1曲目のタイトル曲「ストリート・スマート」が夜の大人の世界を塗り広げる。3曲目のランディー・ブレッカーが炸裂する「アイ・カランバ」など、もう最高!

合わせたウイスキーはブレンデッド・スコッチのクレイモア。穀物甘さのある大人のスコッチ。
クレイモアという名前はゲール語で「剣」の意味だそうで、エチケットにも剣が描かれてる。
ジャズは西海岸へと向かった。
ドン・グルーシンのソロアルバム『ピアノ・イン・ベニス』
。古き良き西海岸の香りのする素敵なアルバム。でも夜というより昼間のカリフォルニアの青い空が似合う感じもするな〜

僕のレーベル「ハートノート」でも古き良き西海岸での録音のアルバムを1枚リリースしてる。
「伊藤和馬/Dear Mr. West Coast」。伊藤和馬が米国留学中の1986年にLAで録音したもの。
その当時は無名のミュージシャンの集まりで録音してたけど、その中からスターがたくさん出た。

ピアニストのケイ赤城なんてマイルス・デイビスに抜擢されたからね。
そんな西海岸のサウンド、僕は大好きです。もちろん底抜けに明るい青い空もね!
サウンドの明るさに合わせて開けたワインはスペイン南東部、バレンシア近くのフミーリャ(Jumilla DO)の『サバタチャ モナストレル 1990』。

モナストレルは南仏で言うムールヴェードル。
南のブドウで濃いイメージがあるけど、このサバタチャはうまく造ってるな。軽やかで、かつ深みがある。太陽の恵みをたっぷりと浴びた大らかな感じと、でも目の詰まったきめ細かい繊細な部分もある。
モナストレルと言えば、スペインの地からブルゴーニュの銘酒、ロマネ・コンティの偉大なワイン『ラ・ターシュ』を超えることを目指して挑戦した『レイシス1』がこのブドウをメインにしてる。

何でモナルトレルから極上のピノのような味わいのワインが造れるのか、とっても不思議です。
モナストレルとは思えない繊細なサバタチャを飲みながら料理は特大の和牛100%のハンバーグ、そしてチーズのたっぷりとかかったキノコいっぱいのドリア。美味い!
続いてワインはベリンジャー。
カジュアルなレンジのカベルネです。ちょっと薄いというかコクがないような気がするけど、でもベリンジャーって感じはある。


ジャズはビル・エヴァンスの
繊細でトロけるような甘美な世界。ちょっとエロスな感じすらある晩年の逸品。
ベースは先のエディ・ゴメス、ドラムスは名手エリオット・ジグマンド。リリカルな素晴らしい作品です。僕は疲れた日とかツラいことのあった日とかによくこのアルバムを聴きます。

ワインをもう1杯。スペインはラ・マンチャ地方の『セニョーリオ・デ・グアディアネハ グラン・レゼルバ 1991年』。
20年を経過したテンプラニーリョはきれいに熟成していて旨味もあって素晴らしい。状態もいいな。瓶もエチケットも素敵!
と、気付けばいい時間。
本家ナイショのバーには負けるけど、地元のナイショのバー No.2も料理、ワイン、ジャズ、このところ頑張ってるね。
いい夜です!

今夜はナイショのバーでレアなウイスキーとユーロジャズでまっとりです!
まず食前酒は超レアなスコッチでハイボール。
スコットランド南西部、キンタイア半島で毎年行われる「マル・オブ・キンタイヤ・ミュージック・フェスティバル」を記念して2007年に特別に造られたスプリングバンクの『マル・オブ・キンタイヤ ミュージック・フェスティバル 2007 記念ボトル』でハイボール。
マル・オブ・キンタイア(Mull of Kintyre)とは、キンタイア半島の先端の灯台がある岬のことを意味するらしい。

ここは1977年にポール・マッカートニー&ウィングスが発表したヒット曲「Mull of Kintyre」(邦題:「夢の旅人」)で一躍有名になった場所。
ネットからの情報によれば、”スコティッシュワルツの形式で、後半からバグパイプが登場するフォークソング調の素敵な曲”だそうです。
とっても気になるし聴いてみたいんだけど、今やCDとしてはポール・マッカートニーのベスト盤
でしか聴けないみたいだな〜

iTunesにもあったけどアルバム単位でしか販売してなかった。視聴してみたけど、ほんの触りが聴けただけだけど、まさにノホホンとしたフォークソング調。
きっとこんなイメージの場所なんだろうね。当時ポール・マッカートニーはここに農場を持ってたらしい。
また、同名の『ポール・マッカートニー 夢の旅人
』って書籍も出てた。今や中古でした手に張らないみたいだけどね。
丸みがあり穀物の香りが気高い素敵なハイボールがでした!

流れてるジャズは妙に艶っぽいジャズボーカル。ドイツの女性ボーカリスト、ヴィクトリア・トルストイの「SHINING OF YOU」
というアルバム。ナイショのバー、何とニッチなアルバムを持ってることか。ビックリ!
そしてこのヴィクトリア・トルストイ、ネットの書き込みを見ていたら、あの文豪のトルストイの孫って説があるんだって! またまたビックリ!
トゥーツ・シールマンのハーモニカが入ってたりして、実にお洒落なジャズ。ナイショのバーにピッタリ。そしてこのウイスキーにもね!

続いてはアイラ島のシングルモルト『ケルティック・クロス ローハン・ソラン 12年(CELTIC CROSS LOCHAN SOLAN)』。
ラベルに描かれているのはアイラ島南東の岸近くにある教会跡に建つ「キルダルトン十字架」という由緒あるものらしい。
見慣れない輪っかが十字架に付いてるけど、これは聖パトリックがキリスト教をアイルランドに伝えた際に、土着のケルト信仰を否定することなく、キリスト教信仰の中にうまく取り入れたためだそうで、この輪の部分は、太陽崇拝の名残であるとも言われてるって。
そしてソランというのは蒸留所背後にあるソラン湖という湖の名前らしく、仕込み水にその湖の水を使ってることからきてるようです。
実にピートが利いたスパイシーなウイスキー。漢方薬的な要素と度数の高いオイリーな感じ。最初のスプリングバンクとの対比としてちょうどいい。

ここでジャズは次のアルバムへ。流れたのはユッカ・エスコラ(JUKKA ESKOLA)というフィンランドのトランぺッターのディビュー作で本人の名を冠したアルバム『ユッカ・エスコラ
』。
シャープだけど温かみのあるサウンド。調べたら昨年日本に来日してた! 「Niklas Winter & Jukka Eskola from フィンランド meets 新澤健一郎 Trio 2010」ってライブ。
もう1年早くナイショのバーで知ってたらライブを聴きに行ったのにな〜

さて、今夜は珍しく3杯目もハイボール!
めちゃ穀物甘くってシェリー甘さもあるのってリクエストに森浦君が応えてくれたのは『ザ・ボトラーズ スプリングバンク 16年 リフィルシェリーカスク』。
まさにハチミツやバニラのような香り漂う艶っぽいウイスキー。
合わせた料理はフルーツトマトとモッツッレラのサラダからスタートし、イベリコ豚のサラミ、ヤングコーンのグリル、ブロッコリーのタプナードソースの小皿という実に健康的なラインナップ。
そしてカニとグリーンアスパラのパスタ、地鶏のグリルへと進みました。ジューシーでほくほくの地鶏は最高!


そしてもちろん最後はワイン!
マスターの増田さんが自然派ティエリー・ピュズラの珍しいロゼ『ヴァンキュール・ヴァンキュ』を開けてくれた。ガメイとカベルネ・フランから造られるという超珍しいもの。
可愛らしくチャーミングな香りとフワッとした舌触りの小洒落たワイン。色も素敵。何とも素晴らしい。デザートのイチゴとピッタリ!
こんなワインを持ってるとは、さすがナイショのバー!
そして最後の最後のシメは、増田さんに腕を振るってもらった。

出てきたのは「ビトウィーン・ザ・シーツ」。まさにベッドで飲むシメのカクテル。ブランデーとホワイトラム、コアントローから造られる艶気のある素敵な1杯。
と、こうやって書くと何ともたくさん飲んだな〜〜
今夜はレアなウイスキーとレアなロゼ、そしてニッチで素敵なユーロジャズに出逢えた夜。
毎度のことながらナイショのバー、最高!!


そんなレバノンで超弩級なワインを造ってるところがあった!
そのワイナリーは『シャトー・ミュザール』。
カベルネ・ソーヴィニヨンをベースにしたボルドースタイルなんだけど、混ざっているのはメルローやカベルネ・フランじゃなく、サンソーとカリニャンという南仏系品種。
写真の通りのモダンなシャトーを構えているらしい。

今夜はそんなシャトー・ミュザールと中華料理な夜です。引き締まった辛口の北京ダックから始まりフカヒレスープへ。
北京ダックに付けるソースが普通のものほど甘くなく深みがあり、またフカヒレスープは旨味がたっぷりとしていてこれまた普通のフカヒレスープとは一線を画するものがある。
マッシュルームとチンゲンサイの煮込みなど、ともかく料理は深くそして美味しい。
そしてそれをシャトー・ミュザールが盛り上げる。

そして食後は某所でチコっとジャズ!
ボンド・マティーニ片手に聴くジャズは素晴らしい。特にサックス奏者が素敵。名前がよく聞き取れなかったけど、YouTubeなどから検索するとOliver Smithかな? 東京にしばらく住んでたと言ってた。高円寺とかに出てたと言ってた。

めちゃくちゃヘビーな交渉事の後、それをリセットするかのような時間です。素敵なジャズとボンド・マティーニを食後酒に幸せな夜を過ごしました。
皆さん、ペトリュスというレストランを知ってますか? ポムロールの逸品、シャトー・ペトリュスから命名したと思われる最高のレストラン。場所はナイショです!
料理一品ずつにワインをマッチングさせたペアリングのコースが素晴らしい。写真のような素敵なブックレットにメニューが書かれてる。


ロゼなシャンパンを1杯いただいたところからスタートし、最初の料理はウニのムース キャビア・海藻添え。
見るからに美味しそうでしょ! 芸術的な逸品。
合わせるワインはオーストリアの『ニコライホーフ イム・ヴァインゲビルゲ グリューナー・フェルトリーナー』。
清涼感があり、旨味もたっぷりとある高尚なワイン。

これほど厚みのあるグリューナー・フェルトリーナーを使ったワインは日本では飲んだ事がないな〜 ミネラル感がたっぷりとしてて、かつ透明感、クリスタルな感じが素晴らしい。
セカンドプレートは函館のイカにアーモンドとサフランのソースを合わせたもの。ぷりぷりとしたイカの食感とそれに巻き付くかのようなソースが素敵。
合わせたワインは、イタリア北部、トレンティーノ・アルト・アディジェのエレナ・ワルク(Elena Walch)のシャルドネ『Beyond the Clouds』。
これまた単なる軽いシャルドネではなく、ミネラル感がたっぷりとしていて素敵なシャルドネ。イタリアにこんな目の詰まった感じの深みと厚みのあるシャルドネってあるんだね〜


3皿目は黒トリュフとクリスピー・ポテトのタルト。黒トリュフの旨味と香りがたまらない。
合わせるワインは、ロワールはシノンのドメーヌ・クーリー・デュティユ(Domaine Couly Dutheil)の『Le Clos de l'Olive』というカベルネ・フラン。
森の奥深くの静寂さと碧い空気感が漂うお洒落なワイン。黒トリュフの濃厚な味わいの料理を舌の上で洗い流すかのようなワイン。

そしてスープは鉄観音茶とコンソメのラビオリ。こりゃ珍しい! 英語だと「Double-boiled oxtail consomme infused with Tie guan yin tea smoked bone marrow ravioli」となる。この写真の色の黒さ、濃さが鉄観音茶なんだろうね〜
メインは牛フィレ。合わせたワインは何とポルトガル! ポートワインで有名なドウロのワイン『カルム ティント・レゼルバ(CARM Tinto Reserva )』。濃厚で凝縮感の高いワインがステーキの油を洗い流す。

チーズ(スティルトン)をはさみ、デザート各種。メニューの英文が難し過ぎて説明不能。ともかく素敵なデザート満載!
合わせる食後酒はClos Dadyというソーテルヌ。

何とも素敵な時間が過ぎて行く。不慣れな地でヘビーに仕事した後、素敵なワインと素敵なディナーと素敵な夜景で幸せに酔う夜です。
ジャズ・ギタリスト、アール・クルーを初めて生で観た! 今夜はブルーノート東京な夜です。
アックスとフルートにネルソン・ランジェルが入ってるのが凄い! テナー、アルト、ソプラノの3種類のサックスのほか、フルート、ピッコロもこなす。そして今回のライブで驚いたのが口笛! 口笛であたかもピッコロのように普通に曲を演奏する。驚きです!


メンバーは以下の通り。
アール・クルー(g)
ネルソン・ランジェル(sax,fl,”口笛”)
デヴィッド・スプラッドリー(key)
アル・ターナー(b)
ロン・オーティス(ds)
アール・クルーは清涼感と透明感のある心地よい音楽を奏で続ける。ネルソン・ランジェルがフルートやピッコロ、そして”口笛”で小鳥のように寄り添う。そして時にはサックスでゴリゴリと迫る。日々の疲れた心が洗い流されリセットされるかのような演奏だな〜 最高です!

ブルーノート東京は相変わらずディナーが素晴らしい! まずは的矢産の生牡蠣からスタート。タンカレー No.10 のジントニックと最高な組み合せ。
続いては和牛もも肉のカルパッチョ。ブルーチーズ(フルムダンベール)をアイス状にしたものを添えてる。実に旨味たっぷりのカルパッチョ。
狂牛病が流行って以来、ほとんどのレストランで牛のカルパッチョは出さなくなった。超久々に食べました。美味い!

メインは伊達鶏のローストにフォアグラを合わせたもの、そして仔羊。
伊達鶏はカリッとローストしてあり、中は柔らかくジューシー。
仔羊はミディアムレアに焼かれていてこれまたジューシー。
羊をこれほどレアな感じで柔らかく臭みもなく調理するとは、シェフ凄い! ワインととってもよく合う。
ワインはカリフォルニアはモンタレー、サンタ・ルチア・ハイランドのアルカディアンのピノ・ノワールを開けた。
2003年物。ピゾーニ・ヴィンヤードが有名だけど、今夜のはスリーピーホロー・ヴィンヤード。
8年近い熟成を経て、とてもしなやかで深みのあるワインとなった。新大陸系にありがちな強さや濃さ、果実味ばかり強調するタイプのピノと違い、実にエレガント。
たぶんこのアルカディアン、まだまだ熟成するに違いない。素晴らしいワイン。

ちなみにピノの最高峰の畑とされるピゾーニは各ワイナリーからの憧れ。毎年限られたワイナリーにしかブドウを供給しないことで有名。
アルカディアンはピゾーニからの供給を止められたといった記事が出てた。でもスリーピーホロー・ヴィンヤードがこれだけ美味けりゃピゾーニである必要はないね!
アール・クルーとネルソン・ランジェルの素晴らしい音楽とブルーノート東京の素晴らしいお料理、そして艶のあるアルカディアンで幸せに酔った夜です。

PS. その後、酔って寝ようと思ったら、サッカーアジアカップの日本vs.オーストラリア戦。さすがに寝れずに観てしまった。延長後半の劇的な李忠成の日本ゴール、飛び上がって絶叫した! 日本、やったね〜〜