ワインのある生活: 2008年2月 Archives

僕はIT系のコンサルティングの会社を経営してる。うちの各コンサルタントはほんと、よく頑張ってくれてる。でもそれだけだと、大手コンサル会社とは頭数の勝負になっちゃう。何とかコンサルタントの頭数での勝負にならないよう、2001年から自社の製品や他社の製品へ付加価値を付けての販売など、製品販売にいろいろトライしてきた。残念ながら現時点では、その試みはまだまだ成功はしていない。でも何かコンサルタント稼業ってさ、ある種の特性があるように思う。もちろん僕自身も含めて。

コンサルタントって、お客様の困っている事を指導して解決してあげる職業。それに対して、製品造りって、もちろん綿密なマーケティングとかはあるんであろうけど、基本的にはある種の思い込みとこだわり、マスターベーション的なところがある。そのこだわりが顧客の心にうまく響くとヒットする。達成した時の感動はすごいけど、ハズした時の損失も大きいビジネス。

20080224-w2-1.jpgさて、ワインの世界でも最近は、科学が進んだせいかもしれないけど、名物コンサルタント的な人が出てきている。「醸造コンサルタントに○○さんを器用!」的な話題もよく出てる。そんなワインの醸造コンサルタントの中でダントツに著名なミッシェル・ロラン。彼は世界中のワイナリーの指導をしている人物。そもそも僕は『高名な先生』とかいう輩は大嫌い。そんな中で、面白い企画をしたワイナリーがある。ボルドーのシャトー・ダルザック。

毎年同じ場所の同じ畑から取れるぶどうで、毎年違う世界的に有名な造り手や醸造コンサルタントが指揮を執ってワインを造ったらどんなワインが生まれるのか? そんなワクワクするようなこと考え出されてうまれたのがこの『ワインメーカーズ・コレクション』というワイン。2005年がその1年目。トップバッターに選ばれたのがこのミッシェル・ロラン。ワインのキャップシールやコルクの上面にも『1』という数字が刻まれている。No.1 の意味なのか、このシリーズのトップバッターを意味しているのか、その辺りは不明。メルロー 63%、カベルネ・ソービニョン 37%というブレンド比。樹齢 14年のぶどうの樹からすべて手摘みで収穫して作られる手間暇かけた逸品。

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で、この『ワインメーカーズ・コレクション』の第一弾、さてさてどんな出来栄えか! 気合を入れてコルクを抜いた。ふっ~と漂ってくる樽香。少しバニラの香りが強い。飲んでみると、美味しいけどやっぱりややバニラフレーバーと甘みが強い。ブランドテイスティングしたらカリフォルニアのカベルネと言いそう。若めのベリンジャーのような感じ。

時間の経過とともにバニラ香や甘い香りは落ち着きだした。最後はかなり重い感じに変化してボルドーの威厳を保った。確かに美味しい。次年度の『ワインメーカーズ・コレクション』にも期待したい(ちなみに2006年はボルドー大学醸造学部教授で自らもシャトーを所有しワイン造りを行っているドゥニ・デュブルデュー氏)。

でも、今夜のこのワインを飲むと、世界的なワイン評論家、ロバート・パーカーの影響力をなんか感じるんだよね... パーカーはこの手の強くて重くって思いっきり樽香のする濃厚なワインがお好みと言われている。パーカーポイントがワインの取引きの指標になって以来、ボルドーでもパーカー好みの濃厚なワインが増え、情緒豊かな繊細なワインが消えつつあるとも言われてる。確かにパーカーの一言で樽取引きの売買価格が動くと言われる重鎮。その人の趣味・嗜好に合わせる作り方もやむを得ないところもあるだろうけどね。でもちょっと今夜のワインを飲む限り、最近はちょっとやり過ぎかな・・・ 2005年のワインなので醸造からまだ2年半しか経過してないからそれだけ樽の影響は強く残るけど、世界中がこういう風に画一的に没個性的になるのはあまり好ましくないような.... ワイン自体はとっても美味しかったんだけどね、ふとそんな事を思う。

僕の会社でも毎年のように「コンサルタント集団である当社が製品を持ったり販売したりすることの是非」を問う状況にある。ミッシェル・ロランも世間のすごい眼差し、注目の中でこのワインを作ったんだろうね。すごいプレッシャーの中でこれだけのワインを造った事は素直に評価したい。

それにしてもさ、『コンサルタント業』と『物を創り出して売るというビジネス』が共存するのか、僕自身の経営者生命の中でも一番の命題。今夜のロランのワイン、半分それを乗り越え、半分世間の論評を意識した造り、何とも複雑な気分。コンサルティングの奥は深い... そしてワイン造りの奥も超深い...

20080224-w1.jpg今夜の食前酒はチリのコノスルのヴィオニエ。超低価格、わずか790円のワインなんだけど、これが美味しい。以前、コノスルのゲヴェルツトラミネールを近所のコンビニで買って飲んだことがあるんだけど、その時にもビックリした。

南仏のヴィオニエのようにライチ、白桃、メロンのような香りがするけどコンドリューほどの強さや粘り気はなく、すっきりしている。赤ワインに移行したあとにあえて温度が上がってからもう一度飲んでみたけど、やっぱり酸も崩れてなくって美味しい。食前酒に最適な一杯。790円の幸せ。これはスゴイことだ~~

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今夜は珍しく近所のステーキハウスで夕食。以前はワインなど置いてなかったはずなんだけど、久々に行ってみるとワインリストがあってビックリ! まあリストと行っても赤・白それぞれ5~6種類なんだけどね。で、それほどたいしたワインはリストされてなかったんだけど、ふと見るとハーフボトルでスペインはカタルーニャの伝統酒とも言うべきトーレス社のサングレ・デ・トロがあった。300年続くトーレス家、その中でもこの『サングレ・デ・トロ』は1954年から発売されている超ロングセラーなワイン。ガルナーチャ(南仏で言うグルナッシュ)とカリニャンを使ったまさに南フランスのワインと近い構成。2005年のワインなれどしっかりとした樽香もあり若いワインとは思えないくらい芯がしっかりとしている。スペインのワインに特有の『南の太陽をさんさんと浴びた地域』って感じがするな~ ステーキハウスに置くにはちょうどいい感じ。

 
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で、このサングレ・デ・トロ、ボトルのネックに牛のマスコットが付いていることで有名らしい。でもこの牛、いろいろパターンがあるらしい。今夜のステーキハウスにはハーフボトルしか置いてなかったので2本飲んだ。それを比較すると、ほら、写真の通り、角の角度も違うし足の動きなんてまったく二匹で違う。不思議~~ いったい何通りあるんだろう~~

な~んてクダラナい事を想ったりしながらこのワインを楽しんだ。最後、かなり重く変化し、う~ん2005年とは思えない感じだね。プライスバリュー感もあるし美味しいワイン。

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金曜日は重たい話題を終えてワインを飲む。行き付けのいつもの内緒のバー(^J^) ゴードンのジンリッキーで喉の渇きを癒してから、まずは南仏の銘酒『シャトーヌフ・デュ・パプ 1992 / ドメーヌ・デュ・オ・デ・テール・ブランシュ ( HAUT DES TERRES BLANCHES )』。グルナッシュを中心にシラー、ムールヴェドル、サンソーなどを混醸して作られる長熟型のワイン。旨味成分が凝縮されていて深い。1992年と言えばバブルがはじけて僕が経営する会社が破綻しそうなピンチを迎えた年。あれからもう16年。ワインもこの16年の時を経て素晴らしい熟成感。本当に美味しいワイン。胃袋じゃなく心に染み渡る系の味。

続いてはガラッと気分を変えてオーストラリア。それも西オーストラリアのマーガレットリバーのワイン『カレン(CULLEN)』。1966年からワイン造りを始めたこの地域でもパイオニア的ブティックワイナリー。趣味で始めた先代の亡き跡を老妻と娘が継いで頑張ってるらしい。

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シラーズが中心のオーストラリアにおいてカベルネ・ソービニヨンとメルローから作られるこのワイン。まったくもって無国籍。ブラインドテイスティングだともしかしたらボルドーと言うかもしれない。森の奥の草木の下生えの香り、ハーブの香りなどが上品に香ってきて素晴らしい。2002年のワイン。2002年と言えば、僕が東京で経営する会社が仙台の会社と合併した年。

1本目のヌフ・デュ・パプは会社が倒れそうになった年のワイン、そして2本目はそんな会社が復活して大きく広がるトリガーとなる出来事のあった年。なんだか偶然だけどこんな風に年号が揃うなんて珍しい。ここ数日、ずっと経営の事でいろいろ重たい議論をしてきたんだけど、原点を想い出すよう、何やらワインから示唆されているような.... そんなディープな夜だった。

20080221.jpg木曜日はパエリアを食べながらドン・キホーテの舞台として有名なスペイン中部の都市、ラ・マンチャのワイン『アルテロ “クリアンサ” 2003年』(ARTERO “Crianza” 2003)を飲んだ。ラ・マンチャのワインを飲むのは初めて。スペインのワインと言えば地場のぶどう、テンプラニーリョを使ったワインが有名。でもこのワインはフランス・ボルドーのようにメルローを交ぜているのが珍しい。まさにフュージョンという言葉がぴったりというような複雑な味。ドライフルーツのような凝縮された旨味と甘い香りがして心地よい。濃いめのルビー色だけど重過ぎずどんな料理にも合わせ易そう。ちょっとオーストラリアのシラーズ系の雰囲気も醸し出してるかな。バニラ的な香りがあるのは樽の熟成が長いのかな。

ラ・マンチャって言えば松本幸四郎の代表作とも言えるミュージカル『ラ・マンチャの男』! まだ観たことないけどぜひ観てみたいな。今年は4月に帝劇でやるらしい。太陽がさんさんと照るスペイン。そのスペインのワインをイベリコ豚の生ハムとパエリアで飲んだ。

松本幸四郎『ラ・マンチャの男』(2008年4月~)

木曜日にアバスクにてギガルのジゴンダスを飲んだ事で僕の南仏へのハートマークが再び灯ってしまった・・・ 元々南仏は好きなんだけど、我が家の3台のワインセラーの制約からこれ以上の地域の収集は出来ず、何とかこれ以上南仏に興味を入れ込まないよう、頑張って避けてきた。でも元々ギガルやシャプティエのワインが大好きだったのでちょっとトリガーがあるとやっぱり止まらない。今日は川崎のショッピングセンターに行った際、ディスカウントストアーのビッグカメラが経営する「ビッグ酒販」という店があり、ギガル3種類を買ってしまった。エルミタージュ、クロス・エルミタージュ、ジゴンダスの3種類。

20080217.jpg今夜はこの中でもトップキュベとなるエルミタージュを開けた。北部ローヌ地域ではコート・ロティに次いで銘醸地とされてる地域。ギガルは元々ローヌ地方では最北端のロティが本拠地だけど、このエルミタージュの地でも最近は素晴らしいワインをリリースしてる。今夜飲んだのは2001年。シラー 100%なんだけど、スパイシーさ、刺激性は抑えられていて、凝縮感はあるし力強いけれども、土の匂い、太陽の恵みを感じる暖かな果実味もしっかりあり、まさに上質な北部ローム地方のワインの典型。もうずいぶんと前になるけど、ローヌ地方にハマって北部から南部まであれこれ飲んでいた頃があった。その頃を想い出す。いまもストック出来るセラーの余裕があるなら南仏ももっともっとストックしたいんだけどね。ほんと、美味しいです。今夜はハムとローストビーフに合わせた。

ワインは地域・地方でまったく味わいが違う。気候も土壌も違うからだろうね。地域性ってすごいって思う事がある。僕の経営している会社も北は仙台、本社は東京、関西は大阪、南は福岡に事業所があるんだけど、そこで頑張ってくれてる社員の方々も、やっぱり地域特性ってあるんだよね。ワインの世界ではこれらをテロワールって言うけど、人にも地域に根ざした特性、テロワールってものがあると思う。これをいかに活かして花を開かせるかが僕ら経営陣の仕事なんだろうな~ ワインの世界では世界中のワイナリーがフランスを追いかけて同じ味を真似した時期もあった。でも今は違う。それぞれの地域の良さを活かしたその地域に根付いたワイン造りがされている。会社における人材活用、人材育成もたぶんそうなんだと思う。画一的に一つの色に染めるとか、一つの色の育て上げるのは無理で、その人にあった特性を活かせるような会社にしないといけないんだろうなって思う。

出張するたびに実感するけど、日本って小さな島国ではあるけどさ、やっぱ人間の体に対しては広いよ。簡単には移動できないだけの距離があり、そして短時間の付き合いだけでは溶け込めないそれぞれの地域性もある・・・ もっともっとそれぞれの地域の人たちとコミュニケーションする時間が欲しい。もっともっと話をすれば、もっともっとお酒を飲めば、きっともっともっと楽しい交流が待ってる。僕はそう信じて出張するんだ!

先週の土曜日は社員の葬儀を終えてからその社員と知り合った2002年のワイン、それも『面影』という別名が付くワイン、『エドモンズ・セント・ジョン・シラー・ザ・シャドー '02(Edmunds St.John Syrah The Shadow)』を飲んだんだけど、どうしてもこのワインの余韻が忘れられず、自宅用に3本、調達した。今夜はそれを開けた。

20080216-w1.jpg最初に食前酒として開けたのはロワールはトゥーレーヌ地区、シュヴェルニーの白。ドメーヌ・デュ・サルヴァール・デュレイユの造る2006年。ホワイトハウスで催された牡蠣と合わせるワインコンクールで、プイィ・フュイッセを抜いてこのワインの96年産がグランプリを獲得したそうです。ドゥレール家の5代目当主、エマニュエル氏がわずか家族4人でやっている小さな小さな家族経営のドメーヌ。ソービニオンブラン 85%、シャルドネ 15%の典型的なロワールのワイン。野菜の鍋をポン酢で食べながらこの軽やかで爽やかなロワールの白。いい感じ~ 1,000円台で買えるので、ぜひ皆さん、食前酒にお薦めです! そして食前酒だけでなく、和食全般によく合うと思う。

20080216-w2.jpg続いて、この野菜の鍋に手作りの餃子を放り込んで、それをシンプルに醤油で食べる。ここで『THE SHADOW』の登場。先週も書いたけど、とっても刺激性の少ないシルキーなシラー。オーストラリアなどと違い、まさに南仏・ローヌの味わい。食事を終えた後に少しワインが残ったんだけど、チーズもオリーブもなく、そのままワインだけで美味しく楽しめる。とっても上品な人を包み込む優しさを秘めたワイン。

ロワールの白~カリフォルニアのシラーと世界を回る。今週は木曜日が第3四半期の決算発表、金曜日は機関投資家向けの決算説明会、そして同業のライバル企業とのびっくりの業務提携の締結などなど、超目まぐるしい一週間だったけど、素敵なワインで心をリフレッシュ!

でもワインを飲みながら、今夜もいろいろ思う。ロワールで親子5代に渡って家族だけでワインを造り、かつそれを1,000円台で売り出すワイナリー、そしてカリフォルニアの THE SHADOW も小さなベンチャー経営で、かつやはり値段も有り得ない事に1,000円台。小さな組織や家族で世界に向かって勝負を挑んでいるこの人たち、ほんとスゴイ。うちの会社も小さいからとか言い訳してる場合じゃないね。世の中、もっともっと頑張ってる人、たくさんいるんだなあ~~ なんて事を想った夜でした。

20080215-w1.jpg金曜日の夜は友人のソムリエと大好きなワインレストラングレープチョイスでワインを楽しんだ。1本目はピノ・ノワールで有名なカリフォルニアはソノマ・ルシアンリバーのメリー・エドワーズのソーヴィニヨン・ブラン。 "クイーン オブ ザ ピノノワール"の異名を持つメリー・エドワーズ女史が造るソーヴィニヨン・ブランはかなり珍しい。僕はそんなものが存在する事を初めて知ったし、もちろん飲むのは初体験。きれいな酸があり、ごく軽いトロピカルな香りもあり、でもさっぱりし過ぎてはいなくって深みもあり、どちらかと言うとフランス・ロワール地方の上質なワインと近い感じの味わい。さすがメリー・エドワーズ!  ライチ、レモングラスといった香りを奥に隠し持ってる。ぶどうは樹齢の高いロシアンリヴァー・ヴァレーの古い畑『ホプキンス・スターロード』から。エチケットはわざわざ著名な画家に書いてもらったらしい。
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この銘酒でスタートアップした後はリードヴォーと子羊の料理に合わせ、オレゴンの銘酒『ドメーヌ・セリーヌ』のマーク・ブラッドフォード・ヴィンヤード 2004年。このドメーヌ・セリーヌは、かつてブルゴーニュの銘酒ロマネ・コンティを破ったと言われる伝説のワイナリー。ロマネ・コンティを破ったのはエヴァンスタッド・リザーブというキュベだったと思うけど、このマーク・ブラッドフォードはさらにその上を行くドメーヌ・セリーヌのトップキュベ。ピノ・ノワールにしてはしっかりとしたタンニンがあり、酸もしっかりとしていて余韻がかなり長いワイン。でもいわゆるカリフォルニア的なアルコール度数の高さや強さが強調されているわけではなく、びっくりするほど上品・上質なワイン。さすがドメーヌ・セリーヌと思わせる出来栄え。リードヴォー、子羊と素晴らしい組合わせだった。スーパーシェフ・森さんの造る料理とオーナーでシニアソムリエの河田さんが選ぶワイン。この二人のタッグで幸せな夜が創られた。

そして今夜の2本を飲むと、もはやフランス伝説は終焉を迎え、これからはフランスは軸にはなるけど世界各地の上質なワインが競う時代になったんだと感じる。僕らのIT業界もそうなんだけど、もはや世の中の価値観は大きく多様化していて、「昔の名前で出ています」的な古くからの名声だけでは生きていけない時代になったんだと思う。だから僕らのようなベンチャー企業にも出番があるんだね。素晴らしいワインと料理とともにそんな時代の移り変わりを感じた夜だった。個性で勝負の時代が到来したね! 頑張ろうっと~~


メリー・エドワーズの超稀少なソービニオン・ブラン、そしてドメーヌ・セリーヌのトップキュベが飲め料理も素晴らしい素敵なレストラン
『グレープチョイス』

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木曜日の夜、長崎からの客人との会食が終ったあと、例によって自分解放タイム~ いつものバーに潜り込んだ。そこで飲んだのはなんと僕は初体験、カリフォルニア東部のシエアネバダ山脈の麓、シエラフットヒルズのワイン『ドメーヌ・ド・ラ・テレ・ルージュ(Domaine de la Terre Rouge)』の1999年。サンフランシスコで30年間に渡り、ワインの小売業をしていたビル・イーストンが1980年代にシエラ・ネバタ山脈の麓に立ち上げたワイナリー。南仏・ローヌ品種のぶどうを得意としてるらしい。このワインはグルナッシュ 45%、ムールヴェドル 35%、シラー 20%のマリアージュ。 シラーは樹齢20年、グルナッシュは樹齢70年の畑からだそうだ。まさに南仏の香り。

最近、なぜだかわからないけど、妙に南仏系のワインに魅かれる日々だ。そして最近、行き付けのこのバーからいろいろな新しいワインを教わる。素晴らしい~ でもこのバーだけはどうしてもナイショなのです。誰にもじゃまされない僕の隠れ屋・・・

木曜日は接待でワインを飲んだ。酒豪3人だったので料理に合わせてなるべく違った傾向のワインが飲めるよう、段取りした。最初にスペインはペネデス地方の軽やかの白ワインを開けた。さっぱりとした爽やかな白ワイン。スペインの地の情熱と太陽の暑さ、南の国を感じるをワイン。食前酒の一杯のつもりが美味しくって二杯になった。ピゴール豚の生ハムとよく合った。

20080214-w1.jpg続いて南仏は名手E・ギガルの造るジゴンダスの2003年。グルナッシュの割合が高いいかにも南仏というワイン。太陽がさんさんと輝いている南仏らしいワイン。同じギガルでももっと北のローヌやコート・ロティーなどのシラーを中心にしたワインとは違う世界。ジゴンダスのワインを飲むといつも想うのは最南端・マルセイユで造るベルモット、ノイリープラット。このワインとはまったく別世界の飲み物なれど、何か南仏の共通の輝きと香りを感じる。コストパフォーマンスもいい素晴らしいワイン。ピゴール豚の生ハムの骨を煮込んで作ったバスク地方風の豚骨スープと素晴らしい相性だった!

最後のシメはボルドー南部、ペサック・レオニャンの銘酒『ドメーヌ・ドゥ・シュバリエ』の2000年。柔らかい太陽の日差しの下のワイン2種と違い、凝縮した濃厚な香りと味わいを持つ力強いワイン。ドメーヌ・ドゥ・シュバリエは好き嫌いがやや別れる感があるかもしれないけど、僕はとっても好きです。ステンレスの発酵槽で 32度と比較的高い温度で発酵させ、熟成に用いる新樽は 50%で、残りの半分は2年目の樽を使用。独特のこだわりの製法から産まれるワインは長熟型のまさにボルドー南部の赤ワインの特徴を最大限に表現していると思ってる。カベルネ・ソーヴィニヨン 65%、メルロ 30%、カベルネ・フラン 5%という比率もいい感じ。

今夜は長崎からのお客様を迎えてのワインナイト。スペインはペネデスの爽やかな白からスタートし、太陽が光り輝く南仏の赤、そして伝統的ボルドーとも言うべきドメーヌ・ドゥ・シュバリエと、今夜のシナリオは完璧だ!

最高のワインのシナリオを描くと会話も最高に盛り上がる。初めて飲む長崎県の方とじっくり語り合えた素晴らしい夜。この夜を演出してくれたワインとお店に感謝!


今夜のワインナイトを演出した小粋なレストラン
『アバスク』

ラベンチュール今夜はカリフォルニア南部、サンフランシスコからロスへ向かってサンタバーバラの手前、パソ・ロブレスの地のローヌレンジャーと言われる南仏系ぶどうによる醸造の銘酒『ラヴェンチュア』のトップキュベ、『L'Aventure Estate Cuvee 2005』を飲んだ。南仏系品種であるシラーを 52%使い、残りをカベルネ 40%、プティヴェルド 8%という絶妙な配合。アルコール度数が 15.6%と極めて高い強いワイン。アルコール自体の強さもあるし、シラー特有のスパイシーさもあり、強烈な個性を持つワイン。ロバート・パーカーがその潜在力を評価し 94点を付けたワイン。あまりの強さ、個性に今夜はちょっと料理が負けた感があるけど、10年後をぜひ見たいワイン。

このところ、ナパのシャトー・マルゴーと言われる『スポッツウッド 2004』、オーパスワンの対抗馬とも言われる『シルバーオーク 2002』、そしてパーカー一押しの今夜の『ラヴェンチュア 2005』と、若いけど潜在性の高いワインを飲んだ。でもやっぱりカリフォルニアワインも瓶熟するんだと思う。2002年に自分たちのカリフォルニアワインのレストランを閉めた頃にまとめて買った各種の90年代のワインがいま本当に美味しい。カリフォルニアこそ、フランスよりももっともっと熟成が効くワインなのかもしれない。

人にもワインにも年輪による味わいがある・・・ この前も書いたけど、人もワインも、その10年後、20年後の姿を見極めるのって、すごく難しい。奥が深い・・・

20080210-1.jpg疲れ果てた社員の葬儀から一日経った今夜、よどんだ気持ちはやっぱりワインで洗い流すしかない。食前酒にはブルゴーニュでモンラッシェなどの白の名手として知られるマルク・ボワイヨ氏が南仏はラングドックで造る白ワイン、ドメーヌ・レ・ロケ 2004年。ルーサンヌ 95%、ヴィオニエ 5%の絶妙なマリアージュ。空気圧プレス、樽醗酵、5ヶ月間の樽熟成(15%新樽) で、無清澄、無濾過で出荷される。年産8000ボトルの小さなワイナリー。爽やかな花の香りとほんのわずかな軽い柑橘系の香り。柔らかくすっきりしており、食前酒としては最適。最近、南仏・ローヌのE・ギガルの白とか、南仏系の白が食前酒としてはとっても気に入っている。今夜もこんな感じでスタート!

20080210-2.jpg次いでメインのワインは、昨今、オーパスワンの対抗馬とか言う人もいるナパのカベルネ・ソービニオンに特化したミスター・カベルネとも言われる『シルバーオーク』2002年。これまで我が家の在庫は1998年が1本だけで、中々開ける事が出来なかったけど、先日、2002年が3本だけ入手出来たので、早々今夜は開けてみた。

開けて見ると、シルバーオークのカベルネとは思えない穏やかで静かなスムーズなワイン。たぶんまだ若いからかな。これが10年熟成とかになるとどっしりとして重たく飲み込めないような力強さを醸し出すんじゃないかと想像する。不思議なのがワイングラスとの相性。デカンタージュした直後、リーデルの一番大きなソムリエシリーズの860ccも入る『ボルドー・グランクリュ』で飲み始めたけど、ちょっと香りが飛んでしまって軽く感じ過ぎる。次いでエクストリームシリーズの上が少しつぼまった 800ccのカベルネ/メルローに切り換える。その途端、す~っと芯のある香りが立ってきて深みが増した。10年後を期待させる潜在力。残りの2本は当分はストックだね。

人もワインも育成、熟成が大事。そしてその素材の10年後、20年後を見極める事が大事なんだろうね。でも言うが易し、行うは難しだ・・・ どこの世界においても、隠れた逸材を発掘するのって大変だね。ロバート・パーカーは何をもって10年後のワインの力を推測するんだろうか?

僕は会社を経営している。もう19年になるけど、経営者人生の中で初めて、社員を天に送った。闘病6年、まだ41歳の若さ。

僕の会社は総勢で社員は約200名。その200名の人生を預かってるんだけど、200名の社員の裏には家族がいる。僕は会社の規模と自分の責任を測るバロメータの1つに『総扶養家族数』というものを常に意識してる。社員200名の抱えている扶養家族を合計すると、昨年の段階でたしか432名。僕が経営を失敗したりすると路頭に迷うのは200名じゃなく432名。この432名の人生を背負って頑張って経営してかないとならない。そんな中の1名が離脱した。

僕の会社は2002年、大きな転機を迎えた。2002年10月1日、東京・恵比寿にある僕の経営している会社と、仙台にあった会社が合併して今の会社となった。2002年の春から合併に向けていろいろ準備や調整をしてたけど、その時の仙台の会社のリーダーだった人。合併日を待たずして病気が発病した。何度か入退院を繰り返したけど、結局6年もの闘病の末、天に召された。

エドモンズ・セント・ジョン シラー ザ・シャドーさすがにヘビーな夜だ。実質の第ニの創業の時、2002年10月1日を迎えた立役者の一人だからね。前日福岡にいたもんで、朝早く、福岡空港から仙台に飛び、葬儀に駆け付けた。東京は雪が降るかもと言われてる中、仙台はわりと暖かかった。東京に戻り、少し会社で仕事をした後、このダークに曇って行き場のない気持ちをスクラップしに、いつものバーへ駆け込んだ。

飲んだワインはカリフォルニアのローヌレンジャーと呼ばれるスティーブ・エドモンの造るシラー。元シンガーソングライターだったらしい。バークレー在住の彼はある時、大好きな南仏・ローヌの系統のワインをカリフォルニアの地で造ろうと決意し、ワイナリーをスタート。シラー、ヴィオニエといった南仏古来のぶどうをカリフォルニアの地で栽培している農家を開拓し、次々とワインを仕込んでいった。新樽は使わず使い古しの500Lの大樽で醸造する。天に送った彼との出会いの年、2002年のシラーを飲んだ。たぶんブラインドテイスティングしたらカリフォルニアとは当らないと思う。完璧なまでの南仏の香り。オーストラリアのシラーのようなスパイシーさはなく、とってもシルキーなタッチ。柔らかい。超上質な南仏系のワイン。今夜の気分に相応しい。

2002年という彼との出会いの年のワイン、そして、醸造場所を変えたんだけど仕上がったワインに以前の樽のなかの面影があったことから「ザ・シャドー」とネーミングされたというこのワイン。何とも想うことの多い夜だ。彼の面影を偲んで謹んで「ザ・シャドー」を飲んだ。

PS.  この行き場のない気持ちを前日の夜は福岡で過ごしたけど、気晴らしにお付き合い下さった先輩経営者の方に感謝です。

 

~佐藤裕之君を偲んで~

エドモンズ・セント・ジョン シラー ザ・シャドー '02
(Edmunds St.John Syrah The Shadow)

20080205.jpg火曜日は福岡の尊敬する大先輩の経営者と東京でワインを飲んだ。僕の友人の若きソムリエ・大山君が立ち上げた『アバスク』にて。今夜のワインはボルドー・サンテミリオンの銘酒『シャトー・カノン・ラ・ガフリエール(Chateau Canon La Gaffeliere)』の1999年。開けて早々いきなり華やかな香りが立ち上がり、ギュッとした凝縮感もある。ミネラル分もたっぷりとしていて、繊細だけどスケールの大きさというか奥行きというか、そんな偉大さを感じる素晴らしいワイン。

その大先輩とはよくワインを飲む機会はあるんだけど、二人きりでじっくり語り明かして銘酒を飲むのはたぶん初めて。美味しいワインは会話を深くする。そして本音で人生を語るよう、その場の空間をセットアップしてくれる。骨付き仔羊のグリエを食べながらガフリエールを堪能した。今までの人生でこんなに柔らかくって臭みのない羊は初めて。ワインとお料理、そして先輩の言葉、それらが合わさって特別な空間を創り上げた。僕たちの席の回りだけが特別な香りと空間で包まれていたかのような深遠なる夜だ・・・


絶品の骨付き仔羊のグリエが食べれる小粋なレストラン
『アバスク』

月曜日は、米国大手コンピュータメーカの日本法人の元会長で、現在は経団連で活躍中の大先輩経営者にパーティーにお呼ばれした。この方はその昔、当時外為と言えば東京銀行一行だった時代に同行で活躍された方で、何とイランにも駐在した事があるそうだ。その駐在期間はわずか3ヶ月なれど、まさに3年分くらいの濃い時間を過ごしたらしい。

時は1979年、まさにパーレヴィ政権が倒れ、パーレヴィ国王は国外脱出、そしてパリに亡命していたホメイニ師が戻った頃。東京銀行が当時のイランの中央銀行に貸付ていた数十億ドルの資金が焦げつきそうになり、その方は送り込まれた。到着時は無政府状態で、小学生も機関銃を背負っていたそうだ。交渉相手の中央銀行の役人が、パーレヴィの国外逃亡の際に資金を準備した罪である日突然連行され、宗教裁判にかけられて翌朝には銃殺刑に処された。前日まで交渉していた相手が翌日には銃殺になっているという常軌を逸した世界が・・・

そんな時期にも外人、外交官などはゴルフをしていたらしい。外周、内周それぞれ9ホールずつのコースにて、外周は贅沢を罪とするイスラム宗教家たちに狙撃される怖れがあるから回らないようお達しが出ていたにもかかわらず、あるドイツの実業家がそれを無視して外周のコースでプレーをし、本当に狙撃されて命を落とした話など、聞けば聞くほど恐ろしい・・・

20080204.jpgそんなびっくりするような話を聞いたパーティーを後にし、僕はいつものバーへ逃げ込んだ。そして、パーティーでもう十分飲んだと言えば飲んだので、あと少し、美味しいワインを軽く飲みたくなった。開けたのは南仏はローヌ河流域地帯の最北部、名門クリュゼル・ロック(Clusel Roch)の造る『コート・ロティ』2000年のハーフボトル。親子3代に渡る伝統ある小規模家族経営のワイナリー。畑はコート・ロティーの中でも北部のグランド・プラスと呼ばれる南東向きの区画。

開けてみると2000年とは思えない熟成感! エルミタージュの古酒のような輝きとブルゴーニュと見間違うばかりの華やかな酸が何とも素敵なワイン。まだ8年なのになぜか歴史、時の経過を感じる。

ホメイニ革命の生々しい話を聞いた夜に古き良き時代の輝きを感じるワイン。ペルシャがイランと国号を改称したのはわずか73年前の1935年の事。イランがペルシャ帝国と言われていた時代を思ったりして、何とも感慨深い夜だ・・・


クリュゼル・ロックをについてのページ

20080203-w1.jpg今夜はロバート・パーカーが『ナパのシャトー・マルゴー』と言い放ったナパの銘酒『スポッツウッド』の2004年。美味しいけど、まだ若い分、若干バニラフレーバー、樽香が強いかな・・・ う~ん、ワインの評論家って難しいよね・・・ 今日のこの段階でこのワインがシャトー・マルゴー相当になるのか、僕には予言出来ない。ま、でもカリフォルニアのワインは皆さんの意識と逆で総じて遅咲き。僕の大好きなベリンジャーもパルメイヤーもヴィアデアも、みな若いうちは樽香が前に出過ぎてバニラフレーバーがやや強くニューワールドっぽさが強調されてたけど、8年くらい経過した辺りから見事なくらいのボルドータッチのワインになった。

ほぼカベルネ・ソーヴィニヨンから出来てる。2003年のデータを見ると 4%だけカベルネフランが混ざってる。本家のマルゴーはメルローの比率が結構高いんだけどね。新樽比率70%のフレンチオーク100%で熟成。ふわっと包み込むような誘惑香もあり、でもまだ若い分、サラッとしていて舌にまとわりつくことはなく、香りが立ち上るような華やかさもあり素晴らしい。10年後、どうなるのか楽しみ。人間もそうだよね~ いまその場で成果が出る人もいれば、5年、10年のスパンで見た時に大きく華開く人もいる。どっちがすごいとか悪いとかではなく、それもその人の個性。長熟のワインには普通のサラッとしたワインとはまったく違う凄味、迫力がある。『個性を活かす』って本当に難しいけど本当に大事な事。

20080202-w3.jpg前に紹介した作家・ヘミングウェイをお酒という観点から分析した面白い本『ヘミングウェイの酒に出てたんだけど、ヘミングウェイは処女長編作「日はまた昇る」にスペインのブランデーというものをふんだんに登場させてるんだって。その話を読んで飲んでみたくなって調達したのがこのブランデー。

レイ・ルイス・フェリペ』。このブランデーは1893年にラ・パルマ・デル・コンダードにあるボデガから発見されたフランス国王ルイ・フィリップⅠ世の息子であるモンパンシエ公爵のためにリザーブされていたブランデーをベースに、ソレラシステムで60年以上長期熟成されたブランデーを毎年限定で生産している。干しぶどうのような甘みと誘惑系の香りを持つ素晴らしいブランデー。フランスのブランデーとはまったく違う世界がある。世界は広いな~

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土曜日は、福岡から戻り1週間ぶりに自宅でワイン。長女の受験合格の報が届いたのを祝ってカレラの『ジェンセン 1998年』を開けた。ご存じの方も多いと思うけど、ブルゴーニュで超高価なワインとして有名なロマネ・コンティを超えたとか騒がれたワイン。本家のロマネ・コンティは1本100万円以上するけど、このジェンセンは1万円ちょっと。1/100の値段でこれだけ楽しめると昨年テレビ番組「世界バリバリ☆バリュー」で紹介されちゃったもんだから、途端に入手難に陥ってしまった。

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オーナーのジェンセン氏は1970年、本家ロマネ・コンティで修行を積み、そしてカリフォルニアで自分のワイナリーを立ち上げるに際し、ロマネ・コンティの苗木をのれん分けで入手し栽培したと言われる(苗木の議論は謎が多く真相は闇の中・・)。

まさに至福の時。ロマネ・コンティは飲んだことがないけど、もうこれだけ美味しければ十分。まさに正統派のブルゴーニュスタイル。アメリカにはいろいろフランスの名門ワインと比較されるワインがある。『ワシントンのラフィット』(デリールセラーズ)、『ナパのシャトー・マルゴー』(スポッツウッド)などなど。でも必ずどこか1つくらいアメリカらしさを主張する個性がある。でもこのカレラジェンセンは本当に本物のブルゴーニュスタイルのピノ・ノワールの個性を存分に活かした素晴らしいワイン。あのテレビ番組がなければここまで入手難にはならなかったんだろうけど・・ 瓶の背面には写真のような詳細は醸造時のデータなどが書かれている。

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貴重な在庫はあとわずか・・・ ジェンセン氏の苦難の道は書籍『ロマネ・コンティに挑む』に詳しい。人生、何事も挑戦だと思う。誰しも不可能と思えた世界のロマネ・コンティに一人で立ち向かった男がここにいるんだって思うと自分もまだまだ頑張らないとって思うよね~

 <我が家のカレラ・ストック>
Calera "Jensen"  1998年  5本
Calera "Jensen"  2004年  1本
Calera "Mills"  1998年  5本
Calera "Mills"  2001年  3本
Calera "Reesd"  1998年  2本
Calera "Reesd"  2001年  1本
Calera "Selleck"  2001年  1本

金曜日は急遽福岡に行く事になった。天神の街に無線ネットワークを張り巡らしていろいろな情報発信をするって実験をやるんだけど、地場の若手のWEBクリエイター達と楽しくエネルギッシュなディスカッションをした。その後、地場のベテラン経営者の方とワインを飲みに出た。行った先はこの前ブログにも書いた西中州の『モンターニュ』。生ハムをはじめ何から何まで手作り料理の素晴らしいお店。

4人だったので3本でプランニングしてみた。最初はすっきりしてフルーティーな白を考えた。開けたのは南仏のヴィオニエ種のワイン。洋ナシやライチのような香りの奥にスパイシーなごく軽い苦みもあり、単なる軽いワインとは違うしっかりと個性を持った素晴らしいワイン。

2本目は前後の対比を考え、柔らかいブルゴーニュ・ルージュ。造り手をメモっておけばよかった。2005年か2006年の若いものだったけど、若々しく伸びやかなワイン。フルーティーだけど個性のある白 → 酸のきれいな躍動感のある若々しい赤 → しっかりとした重い赤、というストーリーを描いていたんだけど、うまくハマッた。

20080201-w1.jpg3本目にそのしっかりとした重い赤として、店主の提案でカリフォルニアはソノマ地方、ドライクリーク・ヴァレーのジンファンデル、『ダッシュ セラーズ』の2005年を開けた。南側は冷涼でピノの銘醸地ルシアン・リヴァー・ヴァレー、東と北側の半分は温暖なカベルネの銘醸地アレクサンダー・ヴァレー、それらに囲まれた肥沃な土地で造られたワイン。この地では100年以上に渡りアメリカ古来のぶどうであるジンファンデルが栽培されてきた。樹齢の古いジンファンデル樹がかなりあるらしい。そのドライ・クリークのジンファンデル。2005年のダッシュはフレンチオーク樽 30%、アメリカンオーク樽 70%という絶妙な取り合わせで造られてる。14ヶ月の熟成を経て市場に出た。隠し味にプティ・シラーを 5% 混ぜている。2004年はさらに隠し味としてカリニャンも入っていたようだ。2004年、2005年の2年連続でパーカーで90点を獲得。ラズベリーやチョコ、カカオのような甘い香りにハーブやペッパーなどのスパイシーさも加わり、前の2本との対比としては最高に組合わせになった。マイケルとアンヌの夫婦がやってるワイナリー。マイケル・ダッシュはナパの名門「シュラムズバーグ」や「ファー・ニエンテ」、そしてニュージーランドの「クラウディーベイ」を経てボルドーの名門「シャトー・ラフィット・ロートシルト」でも仕事をした逸材。素晴らしいワインを造る。

今夜の3本はそれぞれまったく個性の違うワイン。人間も一人一人個性がある。僕はSMAP/槙原敬之の『世界で一つだけの花』の歌詞が好きだ。

小さい花や大きな花
一つとして同じものはないから
NO.1にならなくてもいい
もともと特別なOnly one

会社のスタッフも、ワインも、みな同じ。一人として、1本のワインとして、同じ個性のものはない。誰がいいとか悪いとかじゃなく、頑張ってる人はその人の個性を活かしてあげたいし、安いワインでも1つ光るポイントを持っているワインは大事に飲みたい。そんな事を考えた『美味しいワイン3本リレー』の夜でした。僕は3本の流れ、スタイルの希望を伝えただけで、このリレーの演出家はこのお店の店主。米国ワインエディケーション協会の資格を持つだけにさすが! 素晴らしい夜だった。

ダッシュが飲める福岡・西中州のワインバー
『モンターニュ』

木曜の夜は会社のオフィスがある地元・恵比寿を開拓。面白いフレンチレストランに出会った。ワインはペトリュスで有名なクリスチャン・ムエックスの造るワイン。メルロ80%、カベルネフラン20%と、ポムロールらしくメルローが中心。有名シャトーのセカンドワインや自社ラベルを持たない生産量が少量の優良生産者のワインを買い取りブレンドされた気軽に飲めるワイン。この前ブログにも書いたけど、このムエックス家がカリフォルニア・ナパの地で造るDOMINUSが超素晴らしく、僕はオールドヴィンテージからかなりストックしている。本国のスタンダードクラスのムエックスを飲むのは初めてだけど、これが中々美味しい。重さを感じさせず果実味がたっぷりあってメルローらしい柔らかさがあり若々しい躍動感もある。ヴィンテージを記録し忘れたけど2004年だったかな・・ さすがにムエックスが造るとこの手のワインでもここまで追い込んで仕上げて来るか!、という感じ。3,000円以下で買えると思うので、ぜひ皆さんお試しあれ!

レストランは『月夕堂』(ゲッセキドウと読むらしい)という小さな小さなフレンチ。数えたら席数はわずか16。でも料理は超繊細で、かつ、レパートリーが豊富。料理は3人でシェアしたんだけど、フォアグラのムース、ブイヤベース系のスープ、豚肉のポトフ、牛のワイン煮込みなど、いずれも素晴らしかった。

僕らIT企業の会社経営でもそうなんだけど、規模じゃない、大きさじゃない、社員数・スタッフ数じゃない、本質としての価値ってある。このレストランもシェフ+1名のわずか2名でやってる店。それも10年超続いている。こういう店が掲載されるような本にならないとミシュランも価値がないな~ ホームページもファンのお客さんが好意で作ったそうです。

恵比寿の洒落た小さな小さなレストラン
『月夕堂』

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火曜日は業界のパーティーの後、僕のもう一人の重要なビジネスパートナーの男とこのワインを飲んだ。ヘビーな1週間の始まり。ポムロールの東北端に位置する「ポムロールの十傑」と言われるシャトーの1つで、1998年と2000年のワインはロバート・パーカーが選ぶポムロールのベストワインになっているらしい。この夜飲んだのは1995年。13年の時を感じさせるキュっと締ってはいるけどその裏側に豊潤な果実味や旨味、ミネラル感などもあり、最近飲んだボルドーの中では特出する出来栄え。食前酒代わりに南仏・ローヌのギガルの造る白をグラスで飲み、その後、このふくよかなワインへと進んだ。いい流れ~ メインのワインを引き立たせるには食前酒もかなり重要な役割を持ってる。

 

男二人、ラ・コンセイヤントを飲み事業を語る・・・ 語り尽きず議論より先にワインが尽きる・・・ お店の名手・佐々木さんが造るボンド・マティーニを飲みながらさらに語る・・・ すご~くたくさん語った夜だ。銘ワインは人に本音を出させ議論を活発にする。月、火と片腕の男どもとワイン。ヘビーな週だ・・・


シャトー ラ・コンセイヤントの飲める渋谷の素敵なレストラン
『アバスク』

ルイ・ジャド ペルナン・ベルジュレス月曜日は僕の大事なビジネスパートナーの男と仕事の難しい話をしつつ、気晴らしに美味しいワイン! 行き付けのバーで最初はブルゴーニュの隠れた銘醸地『ペルナン・ベルジュレス』の2002年。ブルゴーニュの最高のドメーヌの一つ、ルイ・ジャドが造るハーフボトルがあったのでそれを開けた。豊潤な香りと香しい誘惑系の香り、素晴らしいの一言。ルイ・ジャドは大好きなドメーヌなんだけど、ほんとに素晴らしい。

 
カーブ・ド・タン エルミタージュ
続いて、ブルゴーニュからリオンの街を降りてきてローヌ川沿いに下ったエルミタージュへと進んだ。開けたのはカーブ・ド・タンの『エルミタージュ 1989年』。1989年と言えば僕が会社を創業して2年目の頃。そんな時代のワインを慈しんで飲んだ。カーブ・ド・タンは1933年にローヌ左岸エルミタージュクローズ・エルミタージュを中心とした約100の生産者が集まって設立された共同組合。「Tain」は、ケルト語の「Ta=Good」+「Wyn=Wine」=Good Wineを現すんっだって。古酒の香り、19年を経て枯れて熟年の味わいを存分に出している。昨年、エルミタージュの銘酒、ラ・シャペルの古酒を飲んだけど、かなり似てる。ラ・シャペルの方がさらに深い味わいがあるような気がするけど、このカーブ・ド・タンエルミタージュも奥行きがあって素晴らしい。酸がブルゴーニュのよう。

20080128-map.jpg小難しい仕事の話をしながらのワインだったけど、その話をおおよそ片付けた後はじっくりとワインを味わった。こんな時ほど議論の終った頭をワインで柔らかくする事は重要なのかもね! ブルゴーニュを北から南へ流れるソーヌ川。その川がリオンでローヌ川と合流し、地中海のマルセイユへ向かって流れていく。起点から驚くほどの長旅をして地中海に注いでいる。自然の力を思い知るな~ ワインもその川沿いのそれぞれの土地の風土により個性豊かに育ってる。深いな~ そんな事を思った夜でした。

PS. お店は僕の秘密の場所ゆえ残念ながら非公開です...

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