マイケル・ブレッカーに涙するタムドゥーな夜

今夜のナイショのバーは泣けてくる。
何で泣けるかって、僕の敬愛するブレッカー・ブラザーズの弟、亡くなったマイケル・ブレッカーの魂の響きが流れてたからさ。
チャーリー・ヘイデンとマイケル・ブレッカーがコラボしたバラード集『アメリカン・ドリームス
』。これ、本当に素晴らしい作品。芸術と呼ぶのが相応しいかな。

名義はCharlie Haden with Michael Breckerとなっているけど、実質的に二人の共作。
メンバーも素晴らしく、ピアノのブラッド・メルドーの優しげなトーンがこれまた泣ける。
チャーリー・ヘイデンのベースはいつもよりもう一段音程が下がったかのようなどっしりとした響きがある。マイケル・ブレッカーは本当に泣きのフレーズ。
曲によって34人編成の大規模なオーケストラが入ってるけど、この至極の艶と甘さはたまらない。

そう言えば、ブラッド・メルドーも管弦楽団を入れたハイウェイ・ライダーという作品をリリースしてた。これも素敵な作品。
このアルバムは、2001年の9.11を経て、2002年に録音されてる。
強き良きアメリカを復活を祈って制作されたに違いないこのアメリカン・ドリームス、僕は今夜初めてナイショのバーで聴いたけど、素晴らしい作品です。途中、本当に涙が出そうになった。

このレコーディングに関連した貴重な写真が手に入りました!
そして、このCDの発売直後と思うけど、2002年9月のモントレー・ジャズ・フェスティバルでの二人の共演シーンの写真も小さいけどゲット!
2007年1月13日、57歳にて没したマイケル・ブレッカー。その魂の響きが聴けるアルバムです。
いや〜、もう今夜は最初から熱い夜だな〜

そしてウイスキーも熱い!
ゴールデンウィークを働き詰めで疲れ果てた体を癒すハイボールと頼んだら、増田さんが出して来たのは、パッとみたら前回飲んだのと同じ、リキッド・サン。
でもエチケットの下の方をよ〜く見ると、前回のはラフロイグ、今回のはタムドゥー(TAMDHU)となってる。
知らないぞ〜、このタムドゥー(TAMDHU)。
聞けばスペイサイドの古くからある蒸留所だって。

気になって家に帰ってから土屋守さんの『シングルモルトウィスキー大全
』を開いてみた。
スペイサイドのスペイ川の支流にタムドゥー川というのがあるらしく、その畔にできた蒸留所がこのタムドゥー(TAMDHU)。創業は1897年。
途中長い中断期間を経て、現在はマッカランなどと同じ系列で経営されてるらしい。
伝統的なフロアモルティングではなく、サラディン式モルティングというここにしかもう残っていない手法で麦芽を生成し、マッカランにも供給してるそうだ。小部屋に麦を敷き詰め、下から空気を吹き込んで撹拌する方式。


すごく素敵な場所らしく、隣りには電車の線路跡がある。
1965年まで走ってたという記述をイギリスのサイトで見付けた。
また、この駅のプラットホームをしばらくタムドゥーのビジターセンターとして使っていたというようなメモも見掛けた。
現在のビジターセンターもこの駅舎に似せてるね。
ドイツのリキッド・サンがボトリングしたのは21年物のシェリー樽熟成。
色がかなり黒っぽくシェリー樽に長年浸されてきたことを物語ってる。


味わいは黒蜜のような艶のある甘みと舌を包み込むような優しさに溢れてる。ハイボールの泡が口の中で蜜を撹拌しさらに旨味を増す。
素敵な素敵なハイボールです。
さて、ここであまりにタムドゥーが気になったので、続いては本家タムドゥーのオフィシャルボトルを!
こちらは度数40%の極めて柔らかい穏やかなウイスキー。

軽やかで青春物のドラマって感じか? 甘いようでいてホロ苦い味、それが青春。穀物を噛んでる時のようなデンプンの甘さと、そしてウイスキーとしのほのかな苦み、それらが素敵に組み合わさって最高のハイボールとなった。
って、今の若い人は意味解らないかな!?
青空の下、太陽が似合うハイボール。
バーベキューなんかの時に屋外で飲んでもいいね。
素敵なウイスキー2連発、そしてマイケル・ブレッカーで泣いた後は、温野菜のオーブン焼きプロシュート添えとスペインのワイン、そして毎度のセレシンでまっとり。
最後は久しぶりの森浦君のボンド・マティーニでシメました。

今夜はマイケル・ブレッカーに涙するタムドゥーなナイショのバーの一夜です。
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