ベルナール・ビュルゴーに癒された夜

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今週は連休明けてたった3日しか仕事してないんだけど、金曜日にヘビーなイベントがあったことからかなりタイトな3日間だった。疲れ切った体と心には美味しいワイン! さ、今夜も美味しいワインを飲むぞ~

喉が渇いていたので、食前酒は久々の”シェリートニック”! その昔、2001~2002年にカリフォルニアキュイジーヌのレストランの経営にジョインしていた時、僕らのレストランの一押しの食前酒がこれ。ドライシェリーをトニックウォーターで割るだけのシンプルな飲み物。でも暑い時や喉が渇いた時には実に爽やかな飲み物。トニックウォーターはウィルキンソンにこだわってた。さすがに自宅にウィルキンソンのトニックウォーターはなかったけど、シュウェップスで代用して造った。

ベルナール・ビュルゴー コート・ロティー
そしてワイン。今日はガーリックを効かせたローストポーク(日本語で言えばつまりはチャーシュー!)に合わせ、シラー系にする事にした。ガーリックの香りが強いと果実味が強いワインは合わせにくいからね。で、選んだのはベルナール・ビュルゴーが造る『コート・ロティー 2001』。

う~ん、抜栓した瞬間から素晴らしい香りが食卓の回りに立ち上がる。美味しいワインに当った時って、ほとんど場合、抜栓した瞬間にもうその香りで美味しいであろうことを確信する。まさに今夜のビュルゴーのロティーはそんな感じ。

で、香りを嗅いだ時にもちょっと思ったんだけど、テイスティングしてみると南仏系とは思えないきれいな酸があり、ものすごく繊細でオシャレな味わい。こう書くと、凝縮感があってスパイシーさのあるシラーにピノっぽい酸を加えたような味を想像するかもしれないけど、実際はその逆。ブルゴーニュのきれいに造られたピノ・ノワールにシラーらしい凝縮感やスパイス香を付け加えたようなイメージ。こんなに酸がきれいなコート・ロティーは久しぶり。

南仏のシラー系のワインは、長期熟成するとだんだんブルゴーニュに近付いて来る。色もブルゴーニュの古酒と同様、エンジ色になってくる。ポール・ジャブレの造るエルミタージュラ・シャペルの70年代とか、先日このブログでも紹介したシャトーヌフ・デュ・パプの70年代など、ほんとにきれいな熟成を遂げる。今夜のワインは2001年なのに、なぜかこういった南仏の名門の古酒に近いような味わい。もちろんそこまで酸が出てきてるわけじゃないんだけど、南仏の古酒を想わせるようなきれいな酸がある。

コート・ロティーはシラー種だけから造るけど、同じブドウの品種を使ってもみなそれぞれ個性のあるワインを造る。大きく分けて3つの系統かな~ ギガルが造るような果実味とボリュームを全面に出したシラーらしさをストレートに表現したタイプ。そしてシャプティエなどが造るシラーのスパイシーさと凝縮感、力強さを表現しつつ、それをシルクで包み込んだような舌触りに仕上げたタイプ。そして3つめはクリュゼル・ロックが造るようなちょっとピノを想わせるようなきれいで美しい酸を残し、香り高く、かつ、ものすごく上品に仕上げたタイプ。今夜のワインはこの3つ目のタイプ。

抜栓してテイスティンググラスでテイスティングした段階でこのタイプである事が解ったので、グラスは最近お気に入りのリーデル社のオレゴン・ピノにした。このグラス、皆さんも騙されたと思ってぜひ買ってみて欲しいな~ どんなワインを入れてもそのワインの酸味をとってもきれいに表現する。今夜のロティーも酸味の美しさをうまく表現出来るグラスで飲まないとつまらないワインになりそうだったのでこのグラスにした。

予想通り、ワインとグラス、そしてガーリックが効いたローストポークとの相性は抜群。ブルゴーニュと南仏の両方の”良いとこ取り”をしたかのようなワインの味わいが実にポークとよく合った。惜しむらくはデキャンタージュをしなかった事。2001年という事でしないでいいと判断したんだけど、最後の一杯で実はかなり味わいが変わった。前半はブルゴーニュのワインに南仏のエッセンスを加えたというイメージだったんだけど、最後は南仏のワインにブルゴーニュのニュアンスを付け足したというようなイメージになった。きれいな酸はそのままで、それに果実味や凝縮感がグッと伸び上がってきた。ほんと、この最後の一杯が最高! 残念~~

レストランでの2時間かけたディナーとは違い、我が家での食事は子供たちもいる事もあり1時間程度でワインは飲んでしまう事が多い。それを考えるとテイスティングした段階で、古酒に近いとも思える酸、それもまだ閉じているような味わいを考えれば、ちゃんとデキャンタージュすればよかった... おまけに2001年を馬鹿にし過ぎて、ワインはパニエで斜めに寝かせて置いてたんだけど、最後の一杯、無造作にサラッとグラスに注いだら、なんとびっくりするほどの少量だけど重たそうなオリがあり、それがそのままグラスに... うわ、舌にひっかかる...

う~ん、このワイン、これだけ素性というかお育ちというか品格というか、そういうのがある素晴らしいいワインだっただけに、もっともっと気を使って扱えばよかった... もう1本あるのでこちらはしばらく保存し、そして次回開ける際にはちゃんとデキャンタージュして飲もうっと!

ドメーヌ・ジル・バージュ キュヴェ・プレッシー
ちなみにこのワインは地元の『エスポア かまたや』で買ったんだけど、この酒屋さん、ボルドーやブルゴーニュといった大御所系のほかにローヌ地方やラングドック地方などの南仏系にもすごく力を入れている。そう言えば前にこの酒屋さんで買ったドメーヌ・ジル・バージュのコート・ロティー『キュヴェ・プレッシー 1997』も確かものすごく酸がきれいで古酒のような香りもあってブルゴーニュに近いようなシラーだった。まだ僕のセラーにはこのワインが1本あるんだけど、このワインはこの酒屋さんの直輸入のようだ。これまでにこの酒屋さんで購入したローヌ系のワインはいずれも酸がきれいで上品な仕上がりのものが多い。この辺りは店主の嗜好やセンスかな。

同じ地方でもいろいろな顔のワインがある。コート・ロティーだって、昨今の評論家受けのいい凝縮感の強い濃いワインから、今夜のワインのようなきれいな酸を残した上品なタイプまで、実にいろいろある。だからワインの旅は楽しいし止められないんだよね~~

疲れた体と心を上品なワインで癒した夜。天からの恵みに感謝!

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This page contains a single entry by Keiichiro Katayama published on 2008年5月10日 23:52.

超珍しいスペイン・カリニェーナのワイン was the previous entry in this blog.

CH.ラフィット・ロートシルトがポルトガルで造るドン・マルティーニョ is the next entry in this blog.

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