オレゴン『タナヒル』のピノ
先週に続きオレゴンのタナヒル。先週はオレゴンでは希有なシラー。今夜はオレゴンと言えばピノというほどオレゴンでは定着したピノ・ノアール。2003年物なので既に4年半くらい経過しているはずだけど、まだまだかなり若い感じ。
開けた直後はちょっと軽い発泡性を感じるほど刺激的。リーデルの一番大きな 1,050cc のグラスに注いでもまだ固い。ということで、デキャンタージュすることにした。う~ん、それでもまだまだ固い感じ。
飲み進みながら次第に温度が上がり、ワインも空気に馴染んできて、最後の一杯の頃にようやく真価を発揮! 最終的に国籍不明系のワインになった。ブルゴーニュ的なピノとはまったく違う世界。あえて言えば南仏・ローヌ近辺のシラーのよう。飲んでいる人の周囲にまき散らすほどの香り高さがあるわけじゃないけど、でも放っておけない引力を感じる。
ワインにおいて、人を魅きつける引力ってすごく大事だと思う。どんなに有名なワインでも、きれいに出来過ぎたワインは人の記憶に残らない。今夜のタナヒルのピノ、これは記憶に残るワイン。カリフォルニアによくあるようなジャミーな甘みもなく、でもブルゴーニュの酸とは違う、オレゴン・ウィラメットバレーの個性をそのまま持ちこんだワイン。数年後が楽しみだ。
どんな時代にもどんな職業にも”旬”って事がある。オレゴンのワイン界ではまさにタナヒル夫妻が”旬”。オレゴンでいま話題の『A to Z』もこの夫婦による作。オレゴンワインの奥深さを思った夜。
ちなみにワイングラスのトップメーカ・リーデル社は、まだ日本には入ってきてないけどついに『オレゴン・ピノ』ってグラスをリリースしたらしい。日本では先日ブログにも書いたオレゴン州政府後援のワイン&レストラン『The OREGON Bar & Grill』に一早く登場した。オレゴンのワインはまだまだ進化する。そんな空気を感じる夜・・・
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