コンサルタントに物造りが出来るのか!?
~ミッシェル・ロランに臨む~
僕はIT系のコンサルティングの会社を経営してる。うちの各コンサルタントはほんと、よく頑張ってくれてる。でもそれだけだと、大手コンサル会社とは頭数の勝負になっちゃう。何とかコンサルタントの頭数での勝負にならないよう、2001年から自社の製品や他社の製品へ付加価値を付けての販売など、製品販売にいろいろトライしてきた。残念ながら現時点では、その試みはまだまだ成功はしていない。でも何かコンサルタント稼業ってさ、ある種の特性があるように思う。もちろん僕自身も含めて。
コンサルタントって、お客様の困っている事を指導して解決してあげる職業。それに対して、製品造りって、もちろん綿密なマーケティングとかはあるんであろうけど、基本的にはある種の思い込みとこだわり、マスターベーション的なところがある。そのこだわりが顧客の心にうまく響くとヒットする。達成した時の感動はすごいけど、ハズした時の損失も大きいビジネス。
さて、ワインの世界でも最近は、科学が進んだせいかもしれないけど、名物コンサルタント的な人が出てきている。「醸造コンサルタントに○○さんを器用!」的な話題もよく出てる。そんなワインの醸造コンサルタントの中でダントツに著名なミッシェル・ロラン。彼は世界中のワイナリーの指導をしている人物。そもそも僕は『高名な先生』とかいう輩は大嫌い。そんな中で、面白い企画をしたワイナリーがある。ボルドーのシャトー・ダルザック。
で、この『ワインメーカーズ・コレクション』の第一弾、さてさてどんな出来栄えか! 気合を入れてコルクを抜いた。ふっ~と漂ってくる樽香。少しバニラの香りが強い。飲んでみると、美味しいけどやっぱりややバニラフレーバーと甘みが強い。ブランドテイスティングしたらカリフォルニアのカベルネと言いそう。若めのベリンジャーのような感じ。
時間の経過とともにバニラ香や甘い香りは落ち着きだした。最後はかなり重い感じに変化してボルドーの威厳を保った。確かに美味しい。次年度の『ワインメーカーズ・コレクション』にも期待したい(ちなみに2006年はボルドー大学醸造学部教授で自らもシャトーを所有しワイン造りを行っているドゥニ・デュブルデュー氏)。
でも、今夜のこのワインを飲むと、世界的なワイン評論家、ロバート・パーカーの影響力をなんか感じるんだよね... パーカーはこの手の強くて重くって思いっきり樽香のする濃厚なワインがお好みと言われている。パーカーポイントがワインの取引きの指標になって以来、ボルドーでもパーカー好みの濃厚なワインが増え、情緒豊かな繊細なワインが消えつつあるとも言われてる。確かにパーカーの一言で樽取引きの売買価格が動くと言われる重鎮。その人の趣味・嗜好に合わせる作り方もやむを得ないところもあるだろうけどね。でもちょっと今夜のワインを飲む限り、最近はちょっとやり過ぎかな・・・ 2005年のワインなので醸造からまだ2年半しか経過してないからそれだけ樽の影響は強く残るけど、世界中がこういう風に画一的に没個性的になるのはあまり好ましくないような.... ワイン自体はとっても美味しかったんだけどね、ふとそんな事を思う。
僕の会社でも毎年のように「コンサルタント集団である当社が製品を持ったり販売したりすることの是非」を問う状況にある。ミッシェル・ロランも世間のすごい眼差し、注目の中でこのワインを作ったんだろうね。すごいプレッシャーの中でこれだけのワインを造った事は素直に評価したい。
それにしてもさ、『コンサルタント業』と『物を創り出して売るというビジネス』が共存するのか、僕自身の経営者生命の中でも一番の命題。今夜のロランのワイン、半分それを乗り越え、半分世間の論評を意識した造り、何とも複雑な気分。コンサルティングの奥は深い... そしてワイン造りの奥も超深い...
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